ヴィアパレスの城
左側にいる女性のエルフは先程エルフ村で話したエルフだった。
中央にいるエルフはフォルスが見たことの無い美しさで佇んでいた、彼女が恐らく女王だろう。
頭には水晶の冠を携えていた。
そしてその傍らには美しいエルフ戦士が、女王に何か話し掛けていた。
彼女が私達に気づき振り返った。
その面差しはどこかで見たような、懐かしさを感じた。
彼女は私達に近寄り話し掛けて来た。
《フォルスさん、アルバさんお久しぶりです。フラルです。私を覚えていますか?》
《うぉっ!!フラルってあの小さなエルフのお嬢ちゃんか?こりゃたまげた》
《驚きました。エルフの成長は、こんなに私達と異なるとは…。しかし、これはいったいどういう事でしょう?私達が女王に呼ばれたのは貴女が理由なのですか?》
《えぇ。森でリーフから人間族が村に来た事を聞いて、フォルスさんとアルバさんだと確信しました。私はすぐに城に向かいました。オーディ様に貴方達が来たら、この部屋まで案内してくれるようにお願いしたのです。》
フォルスはリーフを見ると彼女は謝る仕草をした。
《あの時はごめんなさい。貴方達がフラルを助けてくれた冒険者だと思わなくて》
《いえ、外敵から村を守るのは当然です。フラルに知らせてくれてありがとうございます》
フォルスが微笑みかけるとリーフは顔を赤らめうつむいた。
《それで、フォルスさんとアルバさんはいったい何故、ウイルフリート国に来られたのですか?この城に無断で入る理由があるのですね?》
フォルスはフラルに事の経緯を話し、エルフの泉の水を入手しなければならない事を伝えた。
フラルはオーディに話を伝えてくれて、私とアルバは直接オーディと話す機会を得た。
《始めまして、人間族の皆様。私はオーディ…エルフ族の女王であり、ウイルフリート国の代表者じゃ。フラルが世話になったようで感謝しています。ありがとうございます》
《いえ…私達はそんなに対した事はしていませんから、気になさらないで下さい。私は貴女にお願いがあって参りました。どうかエルフの泉の水を少しお分け下さい》
《あの水は私達エルフのリホープに必要な大事な水です、簡単に持ち出して良い物ではありません。理由を聞かせて頂けますか?》
《はい、実は私の国で禁忌の魔法である忘却魔法が使用されました。それを解く為、私の師であるアスライル先生が、エルフの泉の水が必要だと教えて頂きました。私の国を救う為どうしても必要な物です、どうか助けて下さい》
《...分かりました。但し私も貴方達にお願いがあります。それを叶えて頂けるなら貴方のお願いを聞き入れましょう》
《本当ですか!!私達に出来る事なら何でもします》
《実は貴方達も知ってる方なのですが、クロウと言う男が今窮地に陥っています。彼は我が国の恩人、出来る事なら国をあげてお助けしたいのじゃがそれも出来ず、妾はフラルに彼の手助けを頼んだのです。そのお手伝いをお願いしたい》
《何だってクロウが!!窮地だって!》
《彼は私達にとっても恩人です、勿論お手伝い致します。我が国の内情が落ち着き次第助けに向かいます。間に合いますか?》
《はぃ、でもあまり時間はありません。すぐに水を持ってお国に戻り、クロウの元に向かって下さい。》
《分かりました。オーディ女王感謝致します》
《フォルスさんアルバさん有り難うございます。宜しくお願いします》
《私もフラルと一緒にお供させて頂きます。宜しく》
フラルとリーフを連れて、フォルスとアルバは急ぎ帰国した。
まずはアスライル先生とリリアに会いに、白宮の地下に会いに行った。
《リリア、私だ…フォルスだ。アスライル先生はご無事か?》
《お兄様!!お帰りなさい。はい…隣の部屋にいらっしゃいます》
《すぐにお会いしたい》
リリアに案内され、アスライル先生の寝床に案内された。
《アスライル先生、エルフの泉の水と瓶を手に入れました。これで忘却魔法が解けるのですか?》
《良くやったフォルス。この水を使ってメデルカに反響魔法をかけるのじゃ。そうすれば忘却魔法が解ける。》
《フォルスさん私は反響魔法なら得意です。任せて下さい》
《有り難うございます。リーフさん》
《私はここに残りこの方の治癒を行います。リーフの事宜しくお願いします》
《ありがとうフラル、先生を頼みます。ではアルバ、リーフさん参りましょう》
フォルス達はすぐに旅立ち青宮に向かった。