道しるべ
フォルスがクロウと洞窟探検に行き、最下層で小瓶を手に入れ別れて数日後、フォルスはアルバとともにアスライル先生を訪ねた。
白宮を訪れると誰も私の事を覚えて居ないようだった。
父や母に会っても、私が誰だか分からないようだった。
《何てこった。忘却魔法ってのはこんなに強いのか…》
《えぇ…。まさか父まで魔法を受けるとは、メデルカもかなり追い込まれているのでしょう。アスライル先生の元に急ぎましょう》
アルバと地下の小部屋に向かい扉を開けた。
《アスライル先生例の小瓶を手に入れました。》
《...お兄様‼︎》
《リリア!!何故ここに…!!!》
《良かったご無事で…。父上に言われアスライル先生のお世話をしていたのですが、ある日青宮から帰った父上と母上の様子がおかしくなって、お兄様の事も知らないって…だから私アスライル先生に尋ねたんです。先生は私に全て教えてくれました。私はお兄様のお帰りをずっと待ってました。アスライル先生はお隣のお部屋におられます。最近病がちで……》
《そうか…苦労をかけたなリリア。もう少しの辛抱だ。待っててくれ》
リリアにアルバを紹介した後、フォルスはアスライル先生の部屋に入り小瓶を見せた。
《おぉ…。これじゃこれじゃ…ゴホッ。良く手に入れた。そして大分強くなったの~。これなら大丈夫じゃろ》
《先生…お身体を悪くされていたなんて…、大分時間がかかってしまいました。申し訳ございません》
《何を言う…、お前の努力が身を結んだのじゃ…喜びなさい…。約束した魔法を教えよう》
《ηζδεξωАωξεδζ…浮上せよ》
先生の詠唱が終わると、頭の中に景色が浮かんだ。
《先生この場所はいったい…》
《この場所でこの魔法を唱えるのじゃ…ゴホッ、ウィルフリート国の湖の下にはヴィアパレス城が沈んでおる。そしてこの城の地下にお前の探し求めている水がある》
《分かりました先生。行って参ります》
《エルフの女王オーディは人間族を良く思っておらん、気をつけて行くのじゃぞ》
《お兄様…アルバ様お気をつけて、先生は私が看ていますので安心して下さい。ご無事をお祈りしております》
《あぁ、リリア。先生は頼んだよ。行って来るよ》
《任せとけってお嬢さん。俺がついてんだ。何もおこらねぇよ》
《はい…お願いします》
リリアとアスライル先生と別れフォルスとアルバは、港町からウィルフリート国に渡る船に乗り込んだ。