頑張って生き残りましょう!
初めての小説ですので至らないところもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします
世界には多くの魔物が存在していた。
多くの物語で語られたようなゴブリンやドラゴンなど有名なものや、名も無き小さなものまで。
そして、稀に高い知性を持つユニークモンスターと言われる魔物が存在していた。
この物語はそんな高い知性を持った1匹の蟻が生き残るために起こした繁殖競争である。
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ブヨブヨした何かが体の周りを覆っている。
懸命にもがいてそこから外に出ることが出来た。
周りは薄暗く、同じようなブヨブヨした楕円形のものが多く散乱している。
それらを黒い蟻たちが甲斐甲斐しく世話していた。
自分はその蟻たちに襲われることはないと本能的に理解していた。
なんだかお腹がとても減っている。部屋の奥にある通路から美味しそうな匂いが漂ってきている。
周りにいる姉妹たちにアピールしたら気づいてくれるのではないだろうか。
「……ピー、ピピー」
鳴き声をあげてみると1匹の蟻が近づいて来て自分を通路へと運んで行ってくれた。どうやらこのアピール方法はなかなか有効らしい。
運ばれた先は白い幼虫の姉妹達がいる部屋であった。
部屋の中では、蟻達が何かの肉団子を他の幼虫達に与えていた。
美味しそうな匂いはその肉から漂っていた。
これはまたアピールして、肉をもらうしかないだろう。
「ピッ!ピーピー!!」
どうやらこのアピールは成功したらしい。
1つ肉団子をもらう事ができた。
生まれて初めて食べるその肉の味はよく分からなかった。美味しいとも不味いとも言えない微妙な味だ。
【経験値が一定値を超えたため、Lvが上がりました。】
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名前:無し
種族:レッサーアント(幼虫)
Lv :2
HP :3/3
MP :1/1
STR :2
DEX :1
VIT :1
AGI :2
INT :1
MMD :1
スキル
鑑定:Lv1
探知:Lv1
統率:Lv1
強化:Lv1
土魔法:Lv1
土魔法耐性:Lv1
特性
・ユニークモンスター
・土属性:神
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頭の中に直接浮かんできたこれはなんなのだろうか。これは自分の事を言っているという事だけは分かる。
よく分からないしとりあえず、スキルを上から順にやってみるか。まずは鑑定か。なにが起きるかわからないし、壁に向けてやってみる。
鑑定!
〈土〉
そんなの見ないでも分かるわ!
別に変な事は起こらなさそうなので自分に向けて鑑定をしてみる。
鑑定!
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名前:無し
種族:レッサーアント(幼虫)
Lv :2
HP :3/3
MP :1/1
STR :2
DEX :1
VIT :1
AGI :2
INT :1
MMD :1
スキル
鑑定:Lv1
探知:Lv1
統率:Lv1
強化:Lv1
土魔法:Lv1
土魔法耐性:Lv1
特性
・ユニークモンスター
・土属性:神
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先ほどと同じ結果が起きた。どうやら自分を鑑定すればステータスが見れるらしい。
細かく鑑定もできるのだろうか?ちょっとやってみよう。まずは種族から。
〈Lvが低いために結果が表示されませんでした〉
どうやら鑑定のレベルが低いために1回鑑定した情報をさらに鑑定する事はできないらしい。レベルが上がったらやってみよう。
さっきは肉団子を食べたらレベルが上がったが、鑑定のレベルはどうやってあげるのだろうか。とりあえず、手当たり次第に鑑定してみるか。
鑑定!鑑定!鑑定!鑑定!鑑定!鑑定!
〈土〉〈土〉〈土〉〈土〉〈土〉〈土〉
少しやったぐらいではレベルは上がらないらしい。
自分のお世話は姉妹たちがやってくれているし、暇だからレベルが上がるまで鑑定をしてますか。
【鑑定の経験値が一定値を超えたため、鑑定のLvが上がりました】
何十回か繰り返してみてようやくレベルが上がった。
これで細かく鑑定ができるようになっているのだろうか。
鑑定!
〈レッサーアント(幼虫):弱い蟻の魔物の幼虫〉
鑑定する事が出来たけど、特にめぼしい情報はないようだ。きっとこのままレベルが上がっていけばもっと詳しい情報が分かるようになるに違いない。
次は探知をやってみよう。
探知!
ぼんやりと自分を中心とした半径1メートルくらいの間にあるものの情報が分かる。いまいち探知も使い勝手が悪い。まだレベルが低いから使えないのだろうか。
まあ、幼虫のままではやれる事なんて限られてるし、身の回りの世話も成虫になった姉妹たちがやってくれるから私はこのままレベルを上げていきますか!