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1.はじめまして魔王です。

久しぶりに書いてみました。基本はギャグになる予定です


魔王ーーそれは生きとし生けるもの全てが恐怖し、恐れられる存在


その息は毒の霧、腕を振るえば衝撃波を放ち、歩くだけで草木は枯れ、その地は二度と耕す事が出来ない。

千差万別の無類にもいる魔物、悪魔の頂点に経ち、象徴でもある正に魔物の王ーー


だがしかし、魔王と呼ばれる存在は必ず(・・)人間の勇者と呼ばれる存在に負ける。それは一体何故なのだろう。いくら神の守護が有るとは言え、体は普通の人間であり、限界もある。

伝説の聖剣、鎧を纏うから? 実際そんな物は有るのだろうか?

いつ、誰がその剣を聖剣を呼んだのか人々は知っているのだろうか?

あんな一本50ペルもしない安物をそれとなく飾りつけてあくまでも魔王にしか効かないと伝えたのは誰なのか?人々は考えようともしない。 何故ならばそれは神が決めた事であり、必ず(・・)そうなると定められているからだ


そう、魔王とは人によって必ず倒されるーー筈だった





「魔王様! ゆ、勇者が…勇者が来ました!」


我が配下……四天王の一角である妖魔将軍アネスが、顔を青ざめながら魔王の間に入ってきた。 その言葉にため息を吐く


「はぁ……そうか、もう来たのか」


我が名は魔王。 それ以外に呼ばれた事はない。この世に生を受けて早数千年……いや、生きている時間を考えたら100歳くらいか。

神によって産まれた時から魔王と定められた私は勇者に倒され、そして時を得てまた復活の繰り返しを続けていた。

魔王と言う職業は案外やる事もなく、全ての事はその時代毎の部下達が全てやってくれる。


ずっと座っていると腰も痛くなるので気分転換の散歩が日課だ。

特に今回の魔王城には美しいバラ園があり、獣魔将軍のオーグが付きっきりで育てている。

オーグはライオンの厳つい顔をして筋肉ムキムキなのに実は闘う事より農業が好きと言う変り者だ。だが、闘えば私以外は無敗と言う正に最強の将軍だが今回は出番は無いな


「まだ18年しか経ってないのにな……今回も何も出来なかったな」


その言葉にアネスが顔をしかめる。

そう、私には夢があった。産まれた時からこの城を出た事が無い私は一度で良いから外の世界を見たかった。外に出ようとすると神の力で必ず魔王の間に戻されるのだ。 神よ、どんだけ私にヒッキーをやれと言うのだ。 三食昼寝付きの生活は嬉しいが動かないと脂肪はたまる一方なんだぞ? 2回目の魔王時代に食っちゃ寝してたら当時の勇者にオークと間違わられたのは苦い思い出である。

その為に筋トレを欠かさない私の腹はきちんと割れているので脱いでもスゴいんです! と宴会芸の鉄板ネタになっている


……話が逸れたな。まあ良い。今回の魔王生活もこれで終わりだ。さて、唯一の仕事をするか


「じゃあアネスよ。適当に闘って逃げろ。生き延びて我が最後を他の魔族達に伝えよ。それが私の最初で最後の命令だ」

「魔王様……それで良いのですか! 貴方が一体何をしたと言うのですか! 私は悔しい! 誰よりも優しい貴方が何故理不尽に倒されなければいけないのです!」


アネスが涙を流しながら訴えてくるがどうしようもない。未来は決まっているのだから……私は泣きじゃくるアネスの頭を撫でて苦笑する


「こんな私の為に泣いてくれてありがとう。 そしてさよならだ」

「……私の気持ちを知っていてその言葉は残酷です。 我が愛しの君よ。 ……ご武運を」


涙を吹いて踵を返したアネスが走りながら去っていくのを見ながら私は玉座に座り直す。今期の私の命を奪う者を待つ為に





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