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活動記録6

「へえ。そりゃあ、いいこと聞かせてもらったねえ」


 風作は振り返りざまに上着の裾を弾きます。


 ホルスターから水鉄砲を抜きました。


 迷わず引き金を引きました。


 距離は15歩。


 ならば絶対届くはず。


 思いましたが届きません。


 パラソルです。


 白くてフリルがついてかわいらしい。


 水を弾いたパラソルです。


 パラソルの脇に二人の男。


 細身とたくましい人でした。


 女の人の声が聞こえます。

 

「モーリー。空からあの猫娘をさらっちまいな」


「社長。この世界で飛ぶのは大変なんですよ」


「いいからやるんだよ!」


「やれやれ」


 モーリーは細身の背の高い色白の青年です。


 黒いシルクハットを被りマントで全身を覆っています。


 黒い瞳でちらりと風作を見ると後ろに向かって駆けだしました。


 ステッキを両手で振り下ろして地面に突き立てます。


 マントが大きく広がりました。


 大きな大きなマントです。


 日差しを受けてキラキラと光りました。


 裏地は葡萄酒によく似た赤い色。


 モーリーの体は大きな円を描くようにどんどん舞い上がっていきました。

 

 ジュリアンとマシューは大きく口を開けて見ています。


 コレットは情報端末をつっつきます。


「気を抜くなよ。新米諸君」


 風作はジュリアンたちに声をかけます。


 女の人の声が風作たちに届きます。


「ジン。あんたはあのガキどもを捕まえちまいな」


「承知しました」

 

 パラソルが上を向きました。


 社長と呼ばれた人が現れます。


 若くて綺麗な女の人です。


 金色こんじきの髪の毛が。


 胸の辺りで揺れています。


 青い瞳が笑っています。 


 白い上着と白いスカート。


 膝小僧が見えています。


 赤くて光るハイヒール。


 左手は腰にあて。


 右手は人差し指と中指で。


 挟んでいました千歳飴。


 千歳飴を向けて言いました。 


「この前の借りは返させてもらうよ」


 風作は水鉄砲を撃ちました。


 またもやパラソルに弾かれます。


 ジンと呼ばれた男の人です。


 くすんだ緑のTシャツです。


 太くて堅くて日に焼けたその腕に。


 白くてかわいいパラソルです。


 坊主頭をなでつけて。


 黒目をぎらっとさせました。


「借りを返すぜ。ガンマンよ」

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