活動記録13
「大切なのは目的なのさ。水鉄砲もウィンクも」
「えーん。えーん。ママの作ってくれたトマトジュースが飲みたいよー」
モーリーは風作の話を聞いていませんでした。
落ちていたマントを掴むとシルクハットをかぶり窓から飛び出していってしまいました。
シャルロットは風作を見つめます。
「いやだわ。私はなんであんな野蛮で幼稚な輩の言いなりになっていたのかしら」
「悪い魔法使いに悪い夢を見せられていただけさ。さあ。家に帰ろう」
「わかったわ。今日のところは言うことを聞いてあげる。でもアキバに行ってからでもいいでしょう?」
「俺の相棒とならあっという間さ」
二人は薄暗い廊下と階段と玄関を通って外に出ました。
明るい日差しが二人を照らします。
風作はサングラスをかけました。
門の前でジュリアン、マシュー、コレット、カミュが待っていました。
シャルロットは駆け出してカミュの腕を取り言いました。
「ねえ。ガンマンさん? あなたの相棒はこの方かしら」
風作は首を振って言いました。
「ジュリアンの執事さ」
シャルロットはジュリアンに向かって言いました。
「ねえ? これからみんなでアキバに行きましょう?」
「いいわよ。でも気が済んだらお迎えの人たちに会ってもらうわよ」
「もちろんよ。こんな素敵な殿方とアキバで思い出作りができたら思い残すことなんてありはしないわ」
おしゃべりしながら黒くてピカピカの車に乗り込むシャルロット。
風作は黙って見ていました。
ジュリアンが車の窓を開けて風作を手招きします。
近寄ってきた風作に言いました。
「山分けした賞金は指定の口座に振り込んでおくわ」
「ありがとう。ところでひとつ言わせてもらっていいかい?」
「いいわよ。言ってみなさいよ」
「君がどこかのお姫様だろうとただの賞金稼ぎだろうと君が君なら俺はどっちでもいいのさ。もちろん垂れ耳だって関係ないね」
「サングラスを取って言ってくれるかしら」
「早く行きましょうよ」
シャルロットの大きな声が響きます。
車は動き出してしまいました。
ライトマンが言いました。
「一杯やろう。俺はオイルでお前はミルクたっぷりのカフェオレで」
風作は赤いハイヒールを見つめていました。
サングラスを外して見つめていました。
夕焼け空みたいに真っ赤な瞳で見つめていました。
これでこのお話はおしまいです。
お読みいただいてありがとうございました




