活動記録12
「お楽しみはそこまでだ! モーリー! 人の心は弄ぶもんじゃないぜ!」
暗闇の中に蝋燭の炎が一つ見えました。
両手の青と黄色の水鉄砲。
引き金はひけませんでした。
大きな大きなマントが風作を覆っています。
「うっ」
風作は呻いてお腹を抑えてひざまずきます。
お腹を殴ったのはモーリーでした。
「水鉄砲のガンマン君。ちらりと見えたが君のポケットの赤い靴。うちの社長のものだろう?」
「そうさ。彼女は裸足で行ってしまったからね。後で渡してもらえるかい?」
「貴様のことだ。社長たちをその水鉄砲で撃っただろう?」
「うっ」
モーリーに背中を蹴られた風作は倒れてしまいました。
すっかりマントに包まれてしまいます。
モーリーは何度も何度も蹴りました。
胸の辺りで黒いリボンのようなネクタイが揺れています。
白いシャツに包まれた肩が上下に大きく動いています。
大きな声で言いました
「人の心を弄ぶのは貴様も同じだ!」
シャルロットはモーリーの前に立ちふさがりました。
「およしになって。モーリー様。あなた様に怪我をして欲しくありません」
大きな音が響きます。
「どきたまえ。シャルロット。これは我々の決闘なんだ。君はそこで見ていなさい」
シャルロットはモーリーに叩かれた頬を抑えて涙を浮かべ言いました。
「わかりました。モーリー様の仰るとおりにいたします」
すばやく窓辺に近づきますとカーテンを開け放ちました。
暗かった部屋に午後の光が差し込みます。
「シャルロット。私は太陽の光が苦手なんだ。早く閉めてくれたまえ」
「ごめんなさい」
シャルロットはモーリーに駆け寄り両手を組んで片膝をつきました。
祈る様に頭を下げます。
「モーリー様のお役に立ちたくて。明るい方がいいのかと」
「いいからカーテンを閉めなさい」
風作は体中のあちこちがずきんずきんと痛むのを感じています。
息をするのにも一苦労。
それでも笑ってみせました。
やせ我慢をして笑ってみせました。
力を振り絞ってマントをはねのけ立ち上がります。
水鉄砲の引き金を引きました。
迷うことなく撃ちました。
「大切なのは目的なのさ。水鉄砲もウィンクも」




