活動記録11
「あら。お話に聞いていた人とは様子が違うようですが?」
丸い眼鏡の奥で黒い瞳が風作をじっと見ています。
風作はホルスターから緑色の水鉄砲を取り出します。
鉄格子の隙間から女の人を撃ちました。
水鉄砲をホルスターにしまうと尋ねます。
「突然の無礼をお詫びいたします。モーリーとシャルロットはどこにいるんです?」
「そのような方たちは存じません。そのように申し上げるべきでございますが今日は特別です。このことはご内密に。お二人は2階のモーリー様のお部屋にいらっしゃいます」
「ありがとうございます」
風作はそう言うと左の脇の下のホルスターから透明な青い水鉄砲をゆっくりと抜きました。
「ひえっ」
女の人は両手を上げます。
風作は微笑んで言いました。
「お目覚めの時間です」
風作は引き金を引きました。
ラベルには目覚ましと書かれています。
撃たれた女の人は言いました。
「あら。私はどうしてモーリーの言いなりになっていたのかしら?」
「悪い魔法使いに悪い夢を見させられていた。それだけです。さあ。おうちに帰ってください」
「そうですわね。私にはやりたいことがいっぱいあるのですもの。でもその前にやるべきことがありますわ」
「はいなんでしょう?」
「これをどうぞ」
いくつもの鍵がつけられた鉄の環でした。
「これは?」
「お屋敷の鍵ですわ。シャルロットちゃんにも悪い魔法がかけられているのでしょう? ぜひ目を覚まさせてあげてくださいな」
「お任せあれ」
女の人は門を開けて風作に微笑み返すと足取り軽く外に歩いて行ってしまいました。
風作は青い水鉄砲を左の脇の下のホルスターにしまいます。
玄関まで駆け寄ります。
そっと鍵孔に鍵を挿し入れます。
ゆっくりとドアを開けて中に入ります。
抜き足、差し足、忍び足。
広間みたいな玄関を抜け、幅の広いまがった階段を上り、長い廊下をやってきました。
どこもかしこも薄暗いお屋敷です。
一番奥の部屋に着きました。
ノックをするつもりはありません。
風作はドアに鍵を挿し入れてドアをそっとわずかばかり開きます。
聞こえてきました。
「ああ。モーリー様。罪なお方。わたくしのこの胸の高鳴りをどうしていただけますの?」
「お楽しみはそこまでだ! モーリー! 人の心は弄ぶもんじゃないぜ!」




