活動記録10
「待ちくたびれたぜ。風作。その様子じゃシャルロットには振られたようだな」
「まだまだ勝負はこれからさ。ライトマン」
風作は社長から聞いたモーリーの別荘の場所を教えました。
「オーケー。風作。しっかりつかまってな」
幅が広くて真っ直ぐな道路までやってきました。
道路の脇は高くて薄い灰色の壁が覆っていて景色を楽しむこともできません。
白や黒の沢山の車が猛スピードで走っていました。
車と車の間をすり抜けて行きました。
目にも止まらぬ速さで他の車を追い抜いていきます。
ライトマンだから出来る走り方。
車の窓を開けていた人は気が付きました。
風が吹いたのかな。
そう思っただけでした。
風を感じたころには風作とライトマンの姿はずっと前の方に進んでしまってもう見えなくなっていました。
窓が閉まっている車に乗っている人たちは全くなんにも気が付きません。
「風作。そろそろ曲がりくねった山道が始まるぜ。振り落とされるなよ」
「ライトマン。俺が振り落とされたことがあるかい? 暴れ牛でも跳ね馬でも乗りこなしてみせるさ」
「その意気だぜ。風作」
見える景色が変わってきました。
春のお昼頃だというのに薄暗い道でした。
とがった葉っぱを茂らせた背の高い木が立ち並ぶ。
空から見ると蛇のようにうねうねと曲がりくねる一本道。
右に左に体を傾けながら曲がりくねった道を駆け上がる風作たち。
風作は両膝でライトマンのガソリンタンクをしっかり挟み乗り切ります。
背の高い木々の隙間からちらちらと灰色の石造りのお屋敷が見えてきました。
近づいていくとお屋敷が高くて長い灰色の塀に囲まれていることがわかりました。
乗り越えるのは難しそうです。
「門をぶち破ってやろうか」
「いや。俺が一人で行く。俺たちが来たことがばれたらまたシャルロットをどこかに連れて行かれてしまうだろうからね」
「確かにな。俺は適当なところで隠れていることにしよう」
風作が塀沿いに歩くと鉄格子の門の前に着きました。
チャイムを鳴らしてしばらく待つとメイド姿の女の人が門の前に現れました。優しそうな人でした。
風作は言いました。
「使いの者です。お約束通りシャルロット様をお迎えに参りました」
女の人は言いました。
「あら。お話に聞いていた人と様子が違うようですが?」




