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神斬髪切り屋(かみきりや)  作者: 秀時周 冶志 (しゅうじしゅうじしるす)
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神斬髪切り屋(かみきりや) 弐の巻 東照 1.再会 一

弐の巻 東照 


1.再会一


朱右

「ありがとうございました、良いお年を」


あれから、何年の月日が、経ったのだろう。

俺は、今、小さいながらも、自分の店をかまえ

1年目の年末最後の、お客様をお見送りしたところである。


朱右

(あっという間の、一年だったなぁ)


少し経って、俺は、今年最後の仕事。

すなわち、店の大掃除にとりかかっていた。


掃除が終わり、かけているメガネをはずした。

メガネをかけていないと、相変わらず俺の右目には

黒髪が見える。


ふと、お店の鏡に目をやると、店の入口に

白っぽい服で、白銀の髪をした女性が

よりかかって座っているようにみえる。


目の錯覚かと思い、また、メガネをかけて鏡を見る。


鏡に人影は映っていない。


不思議に思った俺は、再びメガネをとり左目をつぶって鏡を見る。


やはり、白銀の髪の女性が入口に座っていた。


朱右

(久しぶり、右目にしか、見えない人をみたなぁ

しかし、こんな夜に、白装束の白銀の髪の女性が

座っているなんて・・・

やっぱり、おばけ、いや、それとも年末のコスプレ会の帰りの

酔っぱらったお姉さんかな)


とにかく、気になるので

お店の入口のドアを開けてその女性に声をかける


朱右

「すいません、お嬢さん」


見た目は、20歳前後の、美しい白銀の髪が肩にかかるくらいに

のびた女性がたしかに、座っている



朱右

(これは、コスプレ会というよりは、神社の巫女さんのバイトのひとかなぁ

しかも、酔っぱらって寝ているかな?)


朱右

「すみません、お嬢さん、こんなところで寝てたら、風邪ひきますよ」


肩をゆすって、起こそうとしたが、なぜか、女性の体をすり抜けて

触れることができない。


朱右

(やっぱり、人じゃない、という事は、普通の人には、この女性が見えないはず

誰か人が、通りかかったら、おれが独り言を言っている変な人に思われる

それだけは、勘弁だっ)


朱右

「あのぉー、起きてください」


朱右は小声で言った


朱右

(これは、起きなさそうだ、ならしかたない)


朱右は、左目をつぶり、久しぶりに右目に神経を集中させた。

朱右の(みたま)の力で、右目がすこし、朱色の光をおびている。


朱右

(これで、人でなくても、触れられるかな)


朱右は、再び、小声で声をかけながら、白銀髪の女性の肩をゆすった


朱右

「こんな所で寝ていたら、風邪ひきますよ」


白銀髪の女性

「はっ、我としたことが、眠ってしまっていたか」


朱右

(ほっ、良かったおきてくれて)


白銀髪の女性は、立ち上がり、こちらを見ている。


朱右

(きれいな子だなぁ、俺より、年下みたいだけど・・・)


そこには、切れ長の目、白銀の髪で朱色の髪飾りが二つ

後ろ髪が不思議に九本の束に分かれた女性が立っていた。


朱右

「すみません、今年の営業は終了しました。お客様じゃないですよね」


白銀髪の女性

「そなた、ずいぶん、大きくなったのぉ」


朱右

「えっ、どういう事ですか?」


白銀髪の女性

「何をすっとぼけた事を言っておる我じゃ・・・」


朱右

「まさかとは、思うけど・・・・」


白銀髪の女性

「そうじゃ、白狐(びゃっこ)じゃ、そなた、忘れた訳ではないであろう?」


これが、白狐さんと俺の再会の物語

そして、この大晦日の夜が、再び俺と白狐さんが

黒髪と戦う、冒険の始まりでもある。



                  

 神 斬

髪 切 り屋             弐の巻 東照 1.再会二 に続く

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