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第零話 悪夢のような過去

見渡す限り一面の黒。


そこに仰向けに倒れる女性がいた。


紅一点と言うべきか、無限に広がっているとも思える黒の中で彼女とその周囲だけが赤く染まっていた。


これが夢だとわかっているが声をかけずにはいられない。


「…俺は約束を果たしたのに貴女は約束を守ってくれないのか?」


その問いかけに答えているのか彼女は倒れたまま口を動かしている。


「-・・-だ--・-・ ・-・-・ ・-・--・・ない-・-よ」


ほとんど声には出ていないが唇を読みその言葉を汲み取る。


「…それはお互い様ってところじゃないか?」


そう言いつつ頬を掻くがそこには濡れた感触。


どうやら彼女以外にも赤いものが二つほどあったらしい。


そう思い下げた視線の先には赤く染まる彼の両の手。


この状況からして彼女を赤く染め上げたのは彼で間違いないようだ。


わずかに眉をひそめるがすぐに視線を彼女に戻す。そしてお互いが約束を果たすために彼女へと歩み寄る。


彼女の周りの赤が足を濡らすほどまで近づいたとき、突如一面の黒が白へと反転した。


正確に言えば彼の周りに白い小球がいくつも浮かび上がり、その輝きが辺りを白く染め上げたのだった。


「また約束を果たしてもらえないのか…」


これは夢だ。いつもここで覚めてしまう夢。


彼女が彼との約束を果たすまで見続けることになるであろう呪いの様な悪夢。


「-・・- -・ --・-- ・- -・・- --・-・ -- ・・- 」


彼女が再び何か呟いたような気がしたが、眩い光のせいで唇を読むことは叶わなかった。

唯人の過去をぼかしながら書こうと思ったのですが難しい&冗長になったので夢という形で小出しにしてみました。

今後彼の過去をどのように書いていくかいろいろ検討したいと思います。


伏線と言う意味ではぷよぷよで言うところの階段積みのようなわかりやすい感じになっています。

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