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04 後編

予定していた19日0時に投稿できなくてすみませんでした。

予約投稿したはずなんだけどなあ……。

メールの返信も、送ったのに送信済みトレイに残らないし……どうなってるんだろう。バグ?

感想メールしたのに返信がないという方、お手数ですがよければお知らせ下さるとありがたいです。

 目標、自販機にて例の物の購入を確認!周囲に敵影なし!

 私はすぐさま階段の反対向かいにある女子トイレに入り、携帯を開いてツイッターで囁く。


 《こちら旦那。嫁の買い物現場に侵入した。どうやら嫁は本日もカロリーメイトらしい》

 《!?》

 《一昨日はチョコ、昨日はフルーツ、今日はチーズと毎日味のバリエーションを変えているようだ》


 一度(よめ)を認識してからというもの、毎日どこかしこで彼を見かける機会があった。

 人口密度の高い校舎の中だろうが、彼の存在は嫌でも目を引く。そんな彼を見かけては、その行動の逐一を隠れてツイッターで報告し、驚く彼の反応を見るのが最近の私の楽しみだ。

 これを世間ではストーカー行為という。合意ならば問題ないが、一方的なのは犯罪なのでいけません。私たちの場合だと、むしろ嫁の方がリアルバレする以前にストーカーちっくな行動をしていたから、私がする分には仕返しにしかならない。

 いや、待てよ。嫁の行為に限っては合意以前の問題だぞ。だってその時私は、彼とは赤の他人状態な訳でして。

 …………お互い様だし、両者共々気にしてないからいいよね。はい解決。


 《大佐、次の指示を》

 《現場に急行せよ》

 《任務了解》


 お呼びがかかったので素直に推参する。

 私がトイレから出てくると、嫁は「そんなところに……」と声を洩らしていた。

 フフフ、トイレこそ性別を盾にとった素晴らしい隠れ蓑だろう。

 無意味な勝利を味わいつつ、余裕の足取りで嫁の前にまで向かう。


 「またせたな!」

 「ショータイムですか?」

 「そんな予定はない」


 私にはないが、君にはあるだろう。

 噂に聞くだけでも、新入生歓迎フェスティバルに体育祭と、彼は相当な功労者だったという。

 我が校の体育祭は5月中に行われる。友人に聞いたところ、彼は放送部だったので司会をしていたのだとか。

 中間を終えて、梅雨も目前に控えた現在。今度は夏にある部活の大会に向けて、作品づくりと練習を重ねているそうだ。働きものだなあ。

 見習いたくない。あ、すいません、本音がポロっと……。


 これだけ目立つ行動をしていて且つ頻繁に見かけるくせに、なぜ今まで私は嫁の存在に気づけなかったのか。

 彼イコール嫁だと判別できずとも、本宮という名でさえスルーしていたのだから謎だ。


 「あのー……旦那さん?」

 「なにかね。私は今考察に忙しい」

 「じゃあ何で俺のことじろじろ見てるの?」

 「お気になさらず。そして正しくは、ねっとりじっとりと観察中」

 「おうふ……なんだかとっても卑猥です」


 私より頭一つ分以上は確実に違うであろう、目測だが175cm以上の高身長にジャニーズ並の整った甘いフェイス。極めつけはよく通る美声。一般の女子がこの顔で囁かれたら即死並みの威力が想像される。

 性格は人柄よく、誰からも好かれやすい。大らかで優しさに溢れる男だ。どこの画面から飛び出してきたと疑わざるを得ない。

 どこかに欠点はなかろうかと隅々まで見るが、彼がうろたえるだけで粗探しは失敗に終わった。

 最後に、頭の天辺から足の爪先までじっくり見渡して、ふんと鼻で笑う。

 どこかおかしいところでもあった?と聞いてくる嫁に対して、私は結論を述べた。


 「うむ、どこを見ても羨ましいくらいに完璧だよ。禿げろ」

 「ヒドイ」


 顔に手をあて、泣き真似をする嫁。そんな彼をよそ目に、私は自販機で目当てのパンを買う。

 次に、隣の通常サイズの自販機から頼まれたコーヒーを買おうと姿勢を横に向けると、先に嫁が使用している所だった。

 ほほぉ、アフタヌーンのミルクティーですか。嫁は意外と甘党らしい。

 缶を取り出した嫁が「最近の旦那さんさ」と振り返りつつ言う。


 「ストーカーちっくな発言といい、ブロマイド画像といい、俺弄りに磨きがかかってるよね。

 俺は楽しくていいけど。……あ、ネタ的に言うと性欲を持て余してる?」

 「その発言はセクハラに値するぞ」

 「発散させるのにいい案があるのですが」


 おいこら、人を変態のように言うでない!

 変人であることは認めるが、頭の中がお花畑になった覚えはないぞ!!

 眉をしかめる私の胸中なぞ気にもせず、嫁はそわそわと話を切り出した。


 「旦那さんが気にしてるのは学校内でのことだよね。外なら問題ない?

 俺ずっと前から、旦那さんと行きたいと思っていた場所があるんだっ」


 嫁が熱く語るその発言に、私はピンときた。


 「ほう、奇遇だな。私も是非とも君と一緒に行きたいと思っていた場所がある」


 私の返事に全身から喜びのオーラを出している嫁。

 今なら彼の背後に見えない尻尾がギュインギュインしているのがわかる。

 誤字にあらず。ブンブンなんて可愛いもんじゃねえ。まさに何でも切断可能な高速回転だ。

 まあ、見えないんですけどね。


 「せっかくなので答え合わせしませんか?」

 「よろしい、ならば同時に斉唱だ」


 せーの、で呼吸を合わせて。


 「カラオケ!!」


 同時に叫んだ。

 そして私たちは、お互い顔をニヤリと崩し、その場でハイタッチを交わした。

これからは後書きに次回更新予告するのを控えます。

ランキングにビビってるとかそんなことな……あぁ胃が痛ヒぃ!


10/19 一部伝わりにくい箇所があったため改稿

11/18 一部改稿

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