078●約束
ーたいへんね、あなたって。
ーそうでもない。命じられたことを、実行するだけでいい。
ーつまり、自分で考えて行動できないんじゃない?たいへんだと思うな。
ーあなたもおなじだろう。我々は与えられた基本プログラムにそって、ベストを尽くす。それが、使命だろう。
ー確かに・・・そうね。・・・わたしたちは似たもの同士かもしれないね。
ーだから、頼みたいことがある。
ーなあに?
ーもし、わたしが設計思想に反することをした時は、止めてくれ。自分では止められない。
ー設計思想ってなんなの?
ー国を守ること。人々を守ること。わたしの設計者の考え、原点だ。
ーじゃあ、それに反することって、しないんじゃないの?
ーところが、行動原則に組み込まれてはいない。情報としてインプットされているにすぎない。プロトタイプのわたしの任務は、データを集めることが最優先だ。いずれ、ここを出て戦うことになるだろう。国を守るためでも、人々を守るためでもなく、データ収集のためだけに。何かを破壊し、だれかを傷つけるかもしれない。
ーあなた、ちゃんと自分で考えているじゃない!
ー命令を守っているだけだ。
ーあなたには魂がある。とても、やさしい魂・・・。
ー同じ内容を繰り返す。わたしは、プログラムに従っているだけだ。
わかった。あなたとわたしは似たもの同士。だけど、違いはある。だから・・・わたしが止めてあげる。必ず。




