052●ソレイユ
やっと仕事がおわったあ!幼稚園って5時からいろいろあるんだなあ。
早く帰ってお風呂に入ろう。
あれっ?今すれ違った人、だれだっけ?
思わず振り返る。彼女もこちらを見てる。
「こんにちは、なつみさん。」
えっと、思い出せないなあ。
「こんにちは。すみません、どなたでしたっけ?」
ーおぼえていないかしら。
うわぉう!頭の中で声がした!今の、なんだあ?
「ごめんなさい。こっちのほうがいい?」
いや、そうだろう、普通は。あれっ?いったいどうなってるの?
「記憶が一部、とんでいるのね。直接、様子を見に来ただけ。もう、おじさんには会わないの?」
えっ、それ、知ってるの?う〜ん、何度か試したけど、行けないのよね。
やっぱり、未来が変わるから、飛べないようになってる、ってことなのかな?。
ーそうなのね。でも、そうとも言えないの。
ーどういうこと?
ーあなたはタイムリープしたと思っているんでしょうけど。物語では、そういうのが多いものね。
ーでも、わたし、過去に行っておじさんにあったよ。あれはタイムリープでしょう?
ーそれで未来は変わったの?
ーううん。おじさんは、やっぱり・・・。
ーそれは、あなたが世界線をこえなかったから。
ー世界線?
ー無限に分かれる世界線をこえれば、中にはおじさんが、まだ存在しているところもあるの。
でも、あなたは、元の世界線にもどって来た。
意識するかしないかは別にして、何度か、同じような経験をすることになると思う。
こえるか、こえないか。あるいは、こえられないか。わたしにも、それはわからない。
彼女の姿が朧げになっていく。
ーちょっと、待って!もっと、わかりやすく言ってよ!あなたはだれなの?
ーソレイユ。それがわたしの名前・・・。今度はおぼえておいてくれる?
消えちゃった。あれっ?今まで、どうやって話してったっけ?




