どっちが上?②
私と結城は、二人で家に帰り、リビングに集まる
「折神くん、勝負を受けると言いましたが、何をするんですか?」
「三本勝負、一回目は会長、二回目は俺、三回目はスマホアプリで適当に決める、これなら公平だろ」
「いいでしょ、ならまずは」
私は、学校のバックをあさり問題集を取り出す
「なら最初は学力対決と行きましょ」
「汚いぞ、会長俺が勉強苦手なの知ってんだろ」
「心得てますとも、勝負とは非常なものです」
私は問題集を楽々回答する、日頃勉強など全くもってしない結城が勝てるはずもなく、一勝する
「楽勝ですね」
「汚い汚すぎる」
「このままでは、私が圧勝してしまいますよ」
「会長、二回戦目は、料理対決だ」
結城の目には炎が灯り、いつにもなくやる気に溢れている
「り…料理ですか、私だって少しぐらいはできるんです、やってやりますよ」
私はリビングに立ち、不慣れな様子で包丁を握る、その手は僅かに震えている
(ドン、ドン)
リビングから聞こえてくる鈍い音は、料理をしている音には決して聞こえない
「待て待て、会長何してるの、料理の音には聞こえないよ」
「何って、料理ですよ料理、野菜を切ってるんです」
「切ってる音かよ、どっちかと言えば、鈍器を振り下ろす音だぞ」
「何を言っているんですか、切ってるんですよ」
私は結城の言葉を聞かずに、包丁を振り上げ思いっきり振り下ろす、食材を押さえず切っていた為、食材が転がっていく、するよ結城が、私の肩を掴み、顔を向かい合わせる
「頼む会長、やめてくれその調子だと、指が飛ぶ、料理勝負、負けでいいから、お願い」
結城の顔は心配よりも恐怖が勝ち、震えている
「そ…そうですか、ですがこんな勝ちは嫌ですなので、折神くんの料理の腕を見せてください」
「俺の、いいけど、なら座ってろよ、簡単なの作るから、何がいい?、会長のリクエストがあるのなら」
「なら、オムライスを」
すると結城は慣れた手つきで、料理を始める、そして数分後、美味しそうな、料理の数々がテーブルに並ぶ、そこには私のリクエストしたオムライスもある、そのオムライスにはケチャップでハートのマークが描かれていた
「以外です、折神くんがこんなに料理ができるとは、それに美味しそう」
「子供の頃から料理はやってたからな、少しだけ、母さんに習ったんだ、オムライスは母さんの得意な料理だったんだ、そのハートもその名残だよ」
「なるほど、折神くんのお母様が」
「そんな事より、これで俺の一勝でいいんだよな」
「認めざるを得ないですね、これで一勝一敗、次の勝負は何を」
「最後だし、じゃんけんでもする」
「いいですよ、なら最初はグーじゃんけんぽん」
じゃんけんをすると私はチョキ結城はパーを出し私が勝利する
「負けた、そんな俺が弟」
「私の勝ちです、これからよろしくお願いしますね、弟の折神くん」
「く…くそぉ、弟なんて屈辱だ」
すると玄関の方から音がする、玄関の方に向かうと、仕事から大河が帰ってきたらいし
「ただいま、2人とも何してたの?外まで丸聞こえだったよ、結城の声」
「どっちが姉か決めてたんです、結局私が勝ちました」
「そんな事しなくても誕生日の早い方が上なんじゃ」
2人は呆気にとられる
「言われてみれば」
「なんで最初にそれを思いつかなかったんだ、会長誕生日いつ?」
「私は5月20日です」
「俺は7月7日だから、結局俺の方がしたかよ」
「お前ら、そんな事も気づかなかったのか、パーの結城ならともかく、結奈さんまで、呆れを通り越して、泣けてくるぞ」
「やかましい親父、てか再婚してから1ヶ月経つのに、あんたが教えないから」
「知らんがな、仲良いなお前ら、そういえば、やけに豪華だな今日の晩飯、食べていいのか」
大河が手を伸ばすと、その手を結城が叩く
「まずは手を洗ってこい、それに摘み食いすんな」
「いいじゃん少しぐらい、ほんのひとつまみ」
「飯抜きがいいらしいな」
「わかって、洗ってくるよ、結城、俺にオムライス作ってくれ」
「わかったから、早く洗ってこい」
その光景を見て、つい笑いが込み上げて来る
「ごめんなさい、お二人の会話を見ていると、とても仲のいい家族に見えて」
「何言ってんの会長、会長も俺の家族だよ、これからもよろしくね、会長」
「はいこちらこそ、よろしくお願いします、折神くん」