どっちが上?①
私と結城が兄妹になって1ヶ月、折神くんとお義父さんは、結城の家でで暮らしている、お義父さんが家の机で新聞を読みながら、朝食を取っている姿は未だに慣れない
「おはようございます、大河さん」
「おはよう、結奈さん、今日も早いですね」
「はい、そういえば、折神くんは」
「結城の馬鹿は、まだ寝てます、少しは結奈さんを見習って欲しいものです、すみません、起こしてきてはくれませんか」
「はい、わかりました」
私はリビングから出て、結城の部屋に向かう、扉をかけると、お腹を出して悪い寝相で寝ている、結城が居る、恐る恐る近づき、体を揺すって起こす
「起きてください、折神くん、朝ですよ、このままでは遅刻します」
「会長?、なんで俺の家居るの?」
「何を言っているんですか、私と貴方の親が再婚したから、居るのです、そんな事より起きてください、遅刻します」
「あと5分」
「5分もないです、起きてください」
私は布団を引っぺがして、結城を起こす
「起きてください、遅刻ですいい加減起きないのなら、怒りますよ」
「おぉ怖、わかったよわかりましたよ、起きればいいんでしょ、てか先に行けばいいだろ」
「一緒に暮らしてるんです、私の家で遅刻など一切許しません、それに弟の世話をするのは、姉の務めです」
「待てよ弟、誰が俺がいやいや、会長が妹だろ」
「寝ぼけてますか、私の方が上に決まってるじゃないですか」
「会長こそ寝ぼけんなよ、俺のが上だ」
「私の方が上です」
「俺だ」
「私です」
時間を忘れ、言い合いを続けていると、大河が部屋に入ってくる
「2人とも兄妹喧嘩もいいけど時間いいのかな?」
「もうこんな時間、遅刻です、折神くん行きますよ」
「待ってよ、まだ準備が」
結城は急いで身支度を済ませる、急いで玄関を出るが学校まで全力で走っても10分、絶対間に合わない
「私の皆勤賞が」
私がひとりで絶望してると、余裕の様子で結城が私の後ろに立ちながらノロノロ歩く
「遅刻確定だし、歩こうぜ」
「ダメです、遅刻するとしても、急いでいかなければ」
「遅刻は遅刻だろ、なら遅く行こうぜ」
「ダメに決まってるでしょ、1分でも早く学校に行かなくては、それに折神くん貴方は次遅刻したら、留年だと先生が」
その言葉を聞くと折神の顔が青ざめ引き攣る、そして脂汗を流す
「それを早く言えよ、今から走れば間に合う」
「無理です、あと1年頑張ってください」
「やだよ、会長はスポーツできる?」
「できますよ、これでもスポーツは、だいの得です」
「ならまだ間に合う」
そう言うと結城は、他人の家の塀を登る
「何してるんですか、不法侵入ですよ」
「ショートカットだよ、あとここのおっちゃんとは顔見知りだから大丈夫、行くぞ俺は卒業かかってんの」
「ほんとにいいのでしょうか」
「ぎゃぎゃ言う前にほら上って」
「知りませんからね私は」
慣れた様子で結城そのあとも学校まで一直線に進んで行く、すると5分ほどで学校に到着し、遅刻ギリギリだが、滑り込みセーフだった、疲れた様子で席につく。
昼休み、結城が私の席の方に近づき、話しかけてくる
「会長、話があるから、放課後空けといて」
その言葉を聞いて、教室中がザワつき始める、それもそのはず、結城が1日学校に来てること自体珍しいのに、その結城が学校で1番嫌ってるであろう、生徒会長に話しかけているのだから
「いいですが、では一緒に帰りましょ」
「わかった、なら正門で待っててよ」
「はいわかりました、なら放課後」
授業が、終わり正門に近づきと、折神が立っている
「お待たせしました、折神くん、話とは言ったい」
折神は、いつにもなく神妙な面持ちで、口を開く
「話ってはの他でもない」
私は少し緊張して固唾を飲む
「今朝も話したように、俺は弟じゃなくて、俺のが上だ」
その言葉を聞いて、肩の力が抜ける、こんな神妙な面持ちで何を話すかと思うと、なんとくださらない
「大事な話とはその事ですか、なんてくだらない」
「くだらないだと、俺にとっては大事な事なの、だいたい、くだらないってなら、俺が上でもいいよな」
「ダメです、それは譲れません」
「なんでだよ、別にいいだろ、俺が兄でも」
「絶対嫌です、貴方が兄などと、兄とは妹の手本となるもの、貴方が私の手本なんて、片腹いたし」
「そこまで言うか、会長、ならどちらが、上か勝負」
「受けて立ちましょう」