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そんなつもりなら出て行けよッ!!!!

作者: HasumiChouji

「おい、お前、もう三〇近いのに、今更、同じ部屋に、男と女が2人きりで居る意味が判んね〜なんて言ってんじゃねえだろうな?」

「課長、一体、何言ってんですか?」

「だからさぁ、何もする気も無いし、俺に何もされる気も無い(ねえ)んなら、とっとと、この部屋から出て行け」

「課長、頭大丈夫ですか?」

「おい、そんな事言っていいのか? 会社のコンプラ部門に言い付けるぞ」

「どう考えても、変なのは課長ですよ」

「うるせえ、出てけ」

「はいはい、出て行きゃいんでしょ。出て行って警察に駆け込みますけど、怨まないで下さいね」

「はぁ? この状況で? 俺が何か、犯罪やったってのか? お前こそ頭大丈夫か?」


 何で、こうなるんだよ?

 会社の部下と、男と女が2人っきりで同じ部屋に居る。

 でも、いざ、その状況になったら、あの糞アマは、嫌だ嫌だと言い出しやがった。

 いや、冗談抜きて「嫌よ嫌よも好きの内」じゃなくて、ホントに、俺を汚物か犯罪者でも見るような目で見やがる。

 ハニトラか?

 でもよう、管理職になって残業手当が付かなくなった途端に、嫁が子供連れて家を出て行き……離婚調停やら何やらで、出費は一気に増えた。

 絶賛金欠中の四十男に、何で、ハニトラを仕掛けるんだよ? 何の為に?

 意味判んねえよ。

 痴漢冤罪をデッチ上げる趣味の女が居るって噂だけど、よりにもよって、自分の部下に、そんなサイコ女が……ん?

 しょ〜がねえなぁ……ウチの嫁も。

 自分から出てったクセに、化粧品と化粧用の鏡を持ってき忘れてやがる。

 まったく……何、考え……。

 あれ?

 何で、嫁は化粧品を忘れて行ってるのに……ベッドはシングルなんだ?

 それに……おい、ベッドの上のヌイグルミ……嫁のでも、ガキのでも無い(ねえ)ぞ、あれ?

 あれ?

 あれれ?

 外からパトカーのサイレン?

 おい、あの糞アマ、本当に警察呼びやがったのか?

 でも、部屋に自分からやって来たのに、部屋に入った途端に、女の方が嫌だ嫌だと言い出して警察連れて来たなんて事が許されるんだったら、その内、娑婆から男が消えて、留置所は野郎で満杯に……。

 マジか、ドアのチャイムが鳴ったよ。

 本当に警察が、この部屋に来たのかよ?

 冗談じゃねえ。

 どうやって誤解を解けばいいんだ?

 離婚調停やってくれてる弁護士さん、刑事もやってくれるのかなぁ……?

 でも、この時間に連絡なんかしたら、向こうも迷惑だろうし……。

 あれ?

 何で?

 玄関……どこだっけ……。

 ああ、クソ、やっと玄関……ん?

 何で、嫁が出てったのに、玄関に女物の靴が有る?

 あと、スニーカーなんかも……俺の好みの色じゃねえし、第一、俺の足が入らね……。

「古川(りょう)さん、居らっしゃいますか? 警察です」

「あ……はい……」

「すいません、まだ、逮捕状が出てないので、任意の御同行をお願い出来ますか?」

「あ……あの、私が何をやったって言うんですか?」

「決ってるじゃないですか、もちろん、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ですよ」

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