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レンダとティティの宿  作者: 大石次郎


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迷宮の現状

話し合いは隣の神話の絵画がやたら飾られた部屋で行われる事になった。

観測所の武官や文官は筆頭だけに絞られ、クピドも1番序列が高いらしい最初に警告してきた巻き毛のヤツだけになった。

こっちもヒポグリフと飛竜は獣舎に預け、騎士団は隊長と副隊長以外は別室で待機になった。

猫は管理監だから来てる。


巻き毛クピドが念力で茶器等を操って出したお茶は癖の強い無糖のフラワーティーと塩と小麦と植物油だけを練ったような質素なクッキーで、慣れないオイラとティティと猫はギョッとさせられた。

隊長達も絶対美味しくなかったはずだけど、軍人だから鉄面皮をキープ。


話しの方は巻き毛と文官と武官が先にこっちの進捗を話すようにやたら詰めてくるから、面倒何で先に説明した。

というか、猫は文官。隊長は武官より上役だと思うんだが、間に褐色天使が入ってるから階級がよくわからん事になってんな。


「・・なる程、まだ最初も最初だが、建物回りの進捗が早いのはゴーレムを多用しているからか」


「ゴゥラスの初孫が起用なヤツ何だ」


幻獣のウンチの掃除も速い。


「そちらの状況はわかった」


「イグエル様、ダンジョンと砦の状況をお聞かせ下さい」


オイラに食べるの諦めたクッキーの皿をパスしつつ、聞くティティ。


「砦の詳細は(のち)に『人』達に聞くといい」


人ときたもんだ。


「谷の迷宮について話す。現在地上1階の通路を人の兵の先遣隊が概ね探索し、ルートを取った。私の放ったクピド達は地下2階までおおよその探索をした。観測では現在の最下層は地下7階。だが、最終的には迷宮が成長し、前回同様9階まで『深まる』だろう」


ダンジョンも成長すんだ。


「難度や迷宮の主はどうです?」


「魔族の動向はどうですにゃっ?」


中々話に入れずにいた猫も食い気味に切り出してきた。報告義務あるだろうしな。というか、辺境何たらとか色々付いてるけど管理監って役職はこんな最前線に出てくるもんなのか??


「難度は前回と変わった印象はないが、系統が違うな。妙に何というか・・」


「何だ?」


「何です?」


「にゃ?」


「『可愛いらしい感じ』の魔物を好んで使役しているようだ。まぁ現時点ではそんな個体がやや多い、という程度だが」


オイラ達はざわざわした。何だそりゃ??


「迷宮の主は不明だが、癖は強いのは確かだ。魔族についてはおそらく下層であっても上級魔族は実体化できていないだろう。なるべく時間を掛けず上層から順に制圧し、仮設でよいから『聖域』となる聖堂を建てて圧を掛けてゆくのが効果的だ」


「何かチェスみたいだな」


「負ければ魔界への大穴が空き、この地に魔物が蔓延り、正気ではない主が歪んだ形で願いを叶えてしまうが?」


「「ええ~?」」


思ったより酷いっっ。


「断固食い止めるにゃ!」


そこからも話し合いは続き、話題が物資も人員も貧窮気味の観測所になると、前言通り褐色天使は席を立ち、奥にあるらしい『(いのり)の間』に引っ込んじおうとしたが、そういや撮ってないし珍しい感じがしたから、


「よしっ、ボス天使! 1枚撮るぞっ」


と光画を1枚撮ったら巻き毛クピドや他の連中にめちゃ怒られた・・


まぁ、とにかく褐色天使は引っ込んだ。観測所の魔除けの障壁はこの天使の力に依存してるらしく、あんまり離れてられないとか。天使も大変だ。


協議後、最初に渡すタイミングがなかったタツノジ自慢よ保存食やらアクアジェムやら回復薬のポーションやらを大量に差し入れすると、観測所の連中は大感激してた。よっぽどだなこりゃ。

サスケ用の酸っぱ目のヤツだったが林檎も褐色天使にと1袋くらい渡しといた。ワイロだぜ・・



それから早くに出た事もあって午後には森の宿に戻り、宿の前に着陸したワケだが、


「何で猫までこっちに戻ってきてんだよ? フラ草原まで帰んのか?」


派遣された騎士団の連中は増援だから大半は観測所に残ったんだが、お供に年寄りの騎士を連れて猫管理監も飛竜で森の宿に戻ってきちまってた。


「帰らないにゃっ! おほん・・目下、貧窮している観測所を安定させるには、物資を獲得し易いこの宿をより早く強化する必要がある! と判断した。より積極的に直々にっ、監督してやろう。この西部辺境特別管理監サラ・ドラゴリリーがっ!!」


「向こうが思ったよりカツカツで危ねーし、環境悪いし、褐色天使とクピド達が居るから偉そうにできないから、バックレただけだろ?」


「兄さん」


「バックレてないにゃぁっ!!」


「くだらないね、これだから地上の者どもは」


猫管理監が半泣きで反論してきた所で、自分で飛べるから形だけサスケの背に乗っていた巻き毛のクピドが飛び降りた。


「全く、亡き谷のクピド筆頭であるこのわたし、ヨムエルがこんな浅ましい猫とセットで、このような地霊(ちれい)の吹き溜まりに配属されるとは・・」


「「・・・」」


何か、猫とおんなじような事言うな、この巻き毛。

巻き毛は、連絡係兼魔族の介入阻止とやがてくる冒険者達に祝福を与える役目を褐色天使に与えられていた。


「取り敢えず、2人ともしばらく仕事無さそうだから、猫と爺さんは温室の手伝い。巻き毛は厨房の手伝いでもしてろ」


「何で私がそんな雑務するにゃっ?!!」


「クピド筆頭たるこのヨムエルがっっ」


すげぇ文句言ってくるな。


「ウチはただで飲み食いして風呂入って泊まれるイージーな施設じゃないんだよっ。働けよ?!」


「兄さん言い方・・」


「雑務、しないにゃーっ!!」


「わたしを怠け者のように言うなっ! クピド筆頭たるっ」


ワーワー言ってると、


「な~に~をっ、ギャンギャンしとるんや~、精霊達が動揺するやろう?」


「レンダ、ティティ、お帰り~。あれ? 猫さん戻ってきたし」


「帰ったのか? 一応、あたしが付いて作業するような所は一通り終わったんだが」


「はぁい、お帰りなさぁーい! 今夜はキッシュを色々作ってみましたよぉ~?」


何か、全員集まって来たぞ・・


まぁ何だかんだで新入り3人にも仕事をしてもらう事になった。


「で? わたしは撮らないのか?」


というのでゲロ猫と爺さん騎士も入れて光画も撮ってやった。あとは仕事だ。


マリユッカでもないのに暇そうにしてたら、ここで浮いちまうだろうしさ。

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