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英雄作成  作者: えいぶる
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魔王の登場と魔人王キースの誕生

 ここは人族と魔物、魔人族そして人族と魔人族のハーフである真人しんじんが住む世界。

原初、人族、魔人、真人(これらをヒトという)は時に魔物を狩り、時に魔物に狩られ、生活していた。


 そうして世界のバランスは成り立っていた。しかし、数千年前、魔物の王である魔王が突如出現したことによってこのバランスは崩壊した。

 ヒトは魔王を討伐しようと何度も戦いを挑んだが、ヒトよりも強靭な肉体を持ち(強大な魔物ともなると知性を持つ)、圧倒的に数の多い魔物の前に、魔王と相まみえることすらできなかった。


 魔王の登場による魔物の活性化により、ヒトの生活は大きく変わった。強固な城塞を築き、武器を整え、複数人で一匹の魔物を狩るという戦術をあみだした。この戦法により、ヒトはじわじわとではあるものの、態勢を立て直していった。しかし、そう簡単に魔物とヒトの差が埋まるものではなかった。ある時までは・・・。


 魔王が現れて約五百年後、魔人族の中から魔人王と呼ばれるにふさわしい力を持つものが現れた。名をキースと言う。


 もともと魔人族は短命な種族(長くても五十年ほど)だった。それは、『魔法』という己の命をエネルギーに変換する技術を持っているからだとされる。しかし、キースの登場で魔人族の力は一気に増大した。キースは魔法をまったく行使できない魔人だ。


 幼少の頃は『落ちこぼれ』とさげすまれていたが、大人になるにつれ、奇妙な現象が彼の身に起き始めた。簡単に言うと、キースはある日を境にまったく年を取らなくなった。しかもそれはキースだけではない。キースの家族にも、彼ほどでは無いにしろその恩恵があった。そして、キースが年を重ねるにつれ、その範囲は広がっていき、最終的に魔人族すべての者が長命な一族となった。


 魔法を使用して戦っても、百年ほど生きることが出来るようになったのだ。肉体的には圧倒的に他の種族に劣るものの、魔法を行使でき、かつ、戦死や病などに見舞われない限り、百年近い寿命を手に入れた魔人族の活躍はすさまじかった。


 「火炎魔法準備!!てぇぇ!!!」


 魔物との戦場に火炎の柱が何十本も現れ、魔物たちを焼き払っていく。


 「次弾準備急げ!!人族、真人はそれまで我らを死守せよ!!」


 そのような号令が戦場に飛び交ったほどだ。

 しかし、そのような号令に反感を持つ者は誰もいなかった。魔王登場から約五百年。負け戦ばかりで、三種族併せて三十万近くまで減少していたヒト(魔王の登場以前は三十億存在していた)は、魔人王キースの登場で約五百年ぶりに増加に転じたからだ。


 この世代に生まれたヒトは『希望の世代』と呼ばれた。そして、この希望の世代から新たな希望が生まれる。


 真人の王である真王の生誕だ。真王は名をコウライといった。



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