『不眠不泣』
10『不眠不泣』
『不眠不泣』
別に大人ってわけじゃない、
冷たいわけでもない
なのにそんな言い方酷くないか
胸の内にある熱が、
赤く脈打つ拍動が、
確かにあるのにな
すぐそこまで迫ってる
今にも流れてしまいそう
ああ、もう駄目だ
と思ったそのとき
僕の顔は澄まし顔
思うままに泣きたいよ
声を上げ、喉を枯らし、
目が腫れ上がるまで
ずっと、ずっと
思うままに泣きたいよ
口を開け、髪を乱し、
空が晴れ渡るまで
ずっと、ずっと
別に平気ってわけじゃない、
慣れてるわけでもない
なのにそんな言い方酷くないか
胸を抉るこの痛み、
荒く波打つ感情が、
確かにあるのにな
もうここまで迫ってる
今にも崩れてしまいそう
ああ、もう駄目だ
と思ったそのとき
僕の顔は笑い顔
思うままに泣きたいよ
堰を切り、箍を外し、
日が暮れ、沈むまで
ずっと、ずっと
思うままに泣きたいよ
時も場所も誰も無視し、
夜が明け、微睡むまで
ずっと、ずっと
もうどれ程ここに立っている
呆然としたまま動けない
この気持ちを早く放り投げたい
背負い込んでしまった思い
重い荷物に潰されてしまいそう
思うままに泣きたいよ
疲れ果て、倒れるまで
思うままに泣きたいよ
夜が明け、微睡むまで
思うままに泣きたい夜は
膝を抱え、肩を抱いて、
身を寄せ、眠るまで
この歌がずっと、ずっと