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『いつもの夕暮れ』
20『いつもの夕暮れ』
『いつもの夕暮れ』
いつもと同じなんてことない
他愛もないそういう会話
僕の隣で喋る君は
いつもと変わらない顔をしていた
近くて手の届く距離でも
この手を伸ばしてしまえば
触れてしまえば
君はもういなくなってしまいそうで
ああ、その笑顔は風が吹くように
僕の影を吹き飛ばした
ああ、なんて綺麗だろう
なんて綺麗だろう
思わず口から零れる
言葉を風がさらった
いつもと同じそんなことない
「可愛げもない」そう言う僕は
胸の鼓動で喋る言葉
いつもとどこか違う気がしていた
近くて目の届く距離でも
この目を離してしまえば
閉じてしまえば
君はもういなくなってしまいそうで
ああ、その笑顔は風が吹くように
僕の影を吹き飛ばした
ああ、なんて綺麗だろう
なんて綺麗だろう
思わず口から零れる
言葉を風がさらった
ずっと、ずっと言いたかった
僕のそばにいて
たった一言
それだけ伝えたくて
ああ、その笑顔は風が吹くように
僕の影を吹き飛ばした
ああ、なんて言い出そう
なんて伝えよう
思わず口から零れる
言葉を君が塞いだ