映画/『パンズ・ラヴィリンス』
以前映画館でみたものです。
スペイン内戦の最中、クリーニング店の娘である少女は父親を亡くす。
内戦後。寡婦となった母親は、フランコ軍の大尉と再婚。ヒロインは連れ子となって、義父のいるピレネー山中にある軍事キャンプへとゆく。そこはレジスタンス残党との戦いがいまだに続いている国境地帯であった。
義父は独裁者フランコの分身のような人物で、少女を疎んじた。少女はしだいに、妖精がいる絵本の世界に引き込まれて行く。そして登場するのが牧神パンだった。
パンはいった。「貴女様こそ地底王国の王女の生まれ変わり。元の世界に戻るには三つの試練を受けなければなりません」と。
一つめは枯れたイチジクの根本にいる大カエルを倒すこと、二つめは目玉を眼鏡のようにテーブルに置いた怪人のところにいって御馳走を食べずに帰還すること。三つめは、弟を殺すこと。
母親が難産の末、命と引き換えに出産。そのころレジスタンスが、キャンプを襲撃したのだった。少女は生まれたばかりの弟を抱いてキャンプを逃げた。パンが引き渡すようにいった弟を渡さなかった。パンは赤子を生贄にしようとしていたのだ。そして義父にみつかり、疎まれていた彼女は殺される。大尉はレジスタンスの逆襲を受けて射殺される。
ヒロインは、臨終の際、唯一心を許していた家政婦の娘に子守唄を唄ってもらい息絶える。
現実が厳しいから少女は逃避したと、パンフレットには書いてある。しかし私はそうは考えない。彼女は現実と戦って、良心という面で、ファシズムに勝った。
そう考えます。
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しかし、二つ目の試練に登場する目玉ちゃんがキモかったです。
初稿2012/10/07