そびえたつ巨人
(今よりもっと頭が良くズル賢い奴がどんどん寿命をのばす。
知恵をつけさらに強い支配力をもつようになる。
それこそが望む未来。生きるか死ぬかの弱肉強食の世界。
愛や平和なんて安いレプリカみたいなものではなく、
真実による裏付けがある恐怖と絶望の世界なのだ。
それこそまさにユートピア。
一刻も早く実現させ、モンスターがモンスターを生み、
さらにそれを上回るモンスターが生まれる。この永遠を望むのだ。
寿命のプログラムを書き換えることでそれが実現できる。
それこそ夢でありロマン、まさにそれこそ俺の望み。
ワクワクすると同時に恐ろしくもある…たまらん……)
魔王使いはミア姫の死とひきかえに、
第二のマスターキーである王家の血をその体に受け継いだのでした。
愛と性のパワーによって魔王使いの体はみるみる大きくなってゆき、
ついにはオアシスにそびえる御殿の壁や天井をつきぬけ、
砂漠一帯をみわたせるほどの巨人になったのでした。
「フハハハハハ!!タカヒロどうだ?
…俺様の恐ろしさを今ごろ分かっても、もう遅いぞ」
巨人となった魔王使いは視界をさえぎる雲をはらいのけると、
「いよいよ残るはあと1つ…最後のマスターキーだけだ!」
山のように大きくなった体で世界中をみわたし、
地上のいたるところをくまなく探しはじめました。
天井がくずれガレキが土砂降りのようにふる中、
タカヒロは呆然と立ちつくことしかできません。
ミア姫を守れなかったこと、
そして自分の心が彼女から離れたことにショックを受けていました。




