パレード
養母は大きな仕事をやりとげた満足で心がはずむようでした。
やがて婚礼の準備のためにホールに案内されます。
みるとそこには今まできていたボロ着のかわりに
まばゆい立派な衣装がタカヒロのために仕立ててありました。
とまどうタカヒロの周りをたくさんの付き人が囲みます。
付き人の人たちは飲み物をだしてくれたりみんなで豪華な衣装を着せてくれました。
おめかしがすむとタカヒロは宮殿のまえにつめかけた
たくさんの人たちの見守るなか、パレード用の馬車にのせられ
凛々しくなった姿を披露したのです。
町の人々は、まさかあんな貧乏ネコ屋の子が
これほどの大出世をするとは夢にも思いませんでした。
「あの…貧しくてネコ以外にとりえのない子が…
まさか…王子になるとは…」
一方、宮殿では王様をはじめ大臣、侍従、貴族、将軍が総出で
タカヒロの到着を待っていました。
やがてタカヒロが宮殿につき拝謁の間に入ると、
大臣の1人が走ってきて「…どうぞこちらへ!」と、
先にたって玉座に案内してくれました。
タカヒロが跪こうとすると、王様みずから近づいてこられ、
タカヒロを抱きしめられました。
(このような体でよく試練に堪えたものじゃ…
屈強なものたちでさえおじけづいて逃げだすのに…
姿かたちではない…目に見えない心の力こそ本当に偉大なのだ!)
謁見の間にいる人びとは、王様と同じように
タカヒロをみて感心したりおどろいていました。
王様は人を見るときその見た目や身分ではなく、
自分以外の人たちを幸せに導けるかどうかで見ておりました。




