うっとしい奴
ガオタイガーはタカヒロのいる上空へ飛び上がります。
きりもみの中でもみくちゃになっていたタカヒロ。
その顔面を有無を言わさぬガオタイガーの巨大な拳が直撃しました。
タカヒロは闘技場の地面にたたきつけられ、目はグルグルまわり
意識はもうろうとし、とても立ち上がることができません。
上空からものすごい勢いで降りてきたガオタイガーは
立てないタカヒロのお腹の上にひざから落下。
一気に勝負を決めたのでした。
「フッフッフ…手ごたえ十分、さすがにもう生きてはいまい。
このオレが忠告してやったのに無視したからだ。
観客が血を見ることなく終わらせることができた。
これで次期国王としてオレ様のイメージは確実にあがった。
まったく幸先の良いスタートとなったもんだ……」
「こ…これ…くらいで…死ぬもんか…」
次の瞬間、ガオタイガーのひざの下からタカヒロが顔をのぞかせました。
「な、なんだと!?」
タカヒロは両手でガオタイガーのひざを必死でおしかえすと、
「…あ…あ…」と 貧血を起こしながら立ち上がります。
タカヒロは気を失わないでいるのがやっとでした。
「バカな……どうして死んでいない!?キサマの命はついえたはず!」
(特別な力のおかげで助かった…
ネコからさずかったこのこんもり盛り上がった手は、
どんな衝撃もそうじきのようにキレイに吸いとってしまうんだ…
地面に落ちたときもこの手がなければ死んでいたし、
そのあとの攻撃もこの手で受け止めていなかったら死んでいた。
ネコの手をかりたいということわざは…このことだったんだ!!)
タカヒロはじっと手を見つめてありがとうと心の中でつぶやきました。
王様は立ち上がっていましたが、
勝負が終わっていないことがわかると静かに腰をおろしました。
ガオタイガーは自分の思い通りのならないことにイラつきはじめます。
「うっとしいコバエめ!素早いだけじゃないのか。
あまり時間をかけると、オレ様にふさわしくないマイナスイメージがついてしまう。
圧倒的な力の差があるにもかかわらずだ。オレはまだ本当の力を出していない。
まぁいい、ただ運が良かったにすぎん。もう次はないのだ、フハハハハハ」
ガオタイガーはふたたびサーベルを強くにぎりしめると
縦に大きく一振りしたあと横にすばやく一振りして十字を切りました。




