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帰読

作者: ラーカ

これは。1つの話。

その人は毎日SNSで短い言葉を投稿するのが日課だった。どんな状況でも絶対に確実に投稿していた。


ある日。その一文から始まった。

『今日は、てもう明日になるけれど。午前零時から一時間ごとに投稿しようと思います。行き先は適当です。』

何時もより長目の投稿でフォロワーも多くはなかったが、それでも見ている人はみている。

『おお。長い投稿。乙です。それで何処にいかれますか?』

『あ、返信ありがとう。そうですね。では二番目の人に決めてもらいましょう。』

二番目『では東京都庁で』

『解りました。行ってきます。』

数分後。写真と共に投稿され。

『都庁に到着です。いやぁ直ぐでしたね。では次は四番目の人に決めてもらいましょう。』

四番目『じゃあ新宿。』

『解りました。では行ってきます。』

その一時間して。

『到着です。はい新宿で広いので駅にしてみました。』

という写真が添えられ投稿されていた。街灯に照らされた新宿駅が写っていた。

『ではでは次は八番目の人です。』

八番目『なら、思いきって埼玉の何処かへ。』

『そうですか、では埼玉の何処かへ行きましょう。』

一時間して投稿された写真には埼玉県のとある場所が写されていた。

『到着です。では次に行ってみましょう。そうですね。次は思いきって遠くを希望します。では十番目の人。』

十番目『じゃあ北海道の最北端。』

『お、いいですねぇ、では行ってきます。』

数時間して投稿されたのは最北端の靄が掛かった写真。

『到着です。では次は何処へ行きましょう。そうですね。今度は関西圏かなぁ。十四番目の人です。』

十四番目『奈良一択で鹿をバックに。』

『お、面白いですね。では行ってきます。』

数時間後。

写真にはバックに鹿が写りこんだ写真。

『いやぁ疲れました。時間掛かりましたし。どうですか。綺麗に撮れてるでしょ?』

『さてもう昼ですね。少し休憩してから再開します。』

再開は十分後。

『では次はしうでさね十六番目の人。』

十六番目『じゃあ岩手県の県境。何処でも良いよ。』

『ほう。面白いですね。では行ってきます。』

一時間後。青森との県境を示す看板が写されていた。

『どどうたくでふ。ふいぃ。つがればじた。では次を最後にしましょう。』

番手が示されない。

『あれ、可笑しいな。あ、そうか。ご免なさい。次は十八番目の人、でふ。』

十八番目『思いきって沖縄、の本島じゃなくて石垣島で。あ、やっぱり石垣島の一番端、西だっけ、ほら外国に一番近いての。』

『んわっかりまじた。てぶぁ行っできます。』

その後の返信はなく。

『沖縄到着です。いやぁ。暑いですね。今はえと朝のの夜の十時を回ってますね。人通りも無いです。さて今から石垣島に向かいますね。』

数分後。

『思ったょり時間かがかかったなな。』

写真には暗い中に浮き上がる展望台。

現在。時刻は十時十五分夜である。

『いやはや。、ほんとうにありがとう。では帰ったら投稿しますね。さらばっ。ぴゆっ。』

こうして。不思議な弾丸旅行は終わり。しかし見ていた者達は、誰もいなかった。



二分後。

『帰って来ましたよ。読んでますか。皆さん。』

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