学園にて
舞台は卒業パーティーです。
迷惑な生徒達が居なくなり、学園は卒業式を前に少々慌ただしさに溢れていたが概ね穏やかだ。
そしてとうとう卒業式を迎えた。
ユーシス殿下だけで無く、バーナード殿下達も卒業する筈だったが、諸事情によりバーナード殿下以外は既に学園に居なかった者として扱われている。
式の後は卒業生や在学生、そしてその親達が集まるパーティーがあり、レナード王太子殿下が列席される事を聞き、皆着飾って出席する事になっている。
「エメリア・バロー。出て来い」
バーナード殿下の大声に卒業を祝う、賑やかだったパーティー会場は水をうったかのように静まり返った。
「お呼びですか?」
エメリア様が人混みから姿を見せると、バーナード殿下が更に怒鳴った。
「こんなに可愛いアズサを嫉妬で虐めるお前の様な邪悪な女との婚約は、今ここで破棄する」
青筋を立てて、似非ヒロインであるアズサを腕にぶら下げ、失礼、腕を組みながらバーナード殿下が叫ぶ声だけが、会場中にキンキンと響いている。
「やっと婚約破棄をした様ですね」
有りもしない言い掛かりを叫ぶ、無様な醜態を晒すバーナードをラティナが壁際で冷ややかに見ていた。
エメリアから聞いたゲームでは、攻略者達が挙って威圧する様にエメリアを断罪する為に並ぶはずだったが、実際の現場ではバーナードは1人で事に及んだ。
「君のお膳立てだろうに」
呆れた、と言いたげな隣に立つ者の声にラティナはそっと騒いでいるバーナードから視線を外した。
「他の方は知りませんが、殿下には回避や軌道修正の機会は沢山ありました。この結果を選んだのはバーナード殿下自身です。ご自分の気持ちに気が付いて踏み止まれば、未来は違うものになっていたはずです」
本当にバーナード殿下は愚かだ。
他人の私ですら気が付いたのに、自分の気持ちに気が付いていないんだから。
ラティナの視点とごちゃ混ぜになってしまった。




