学園にて
学園での2人の会話と最後の登場人物の独白です。
「テンプレ過ぎて嫌になりますわ」
「前世の言葉、出てますよ」
「それ以外、ピッタリの言葉が無いからいいの」
エメリアが廊下を歩きながら、呆れた顔でため息をついている。
さっき、突然似非ヒロインのアズサが突撃をかまし
「どうしてアタシの教科書を破くんですか」
と、叫んでいた。
破いてもいないのに、良く言えるもんだと思っていると、当然のようにバーナード達がエメリアを非難し始めたが、ラティナが理路整然と反撃し、撃沈されて捨て台詞を残して逃げていった。
ちなみに、ゲームではエメリア様が逃げたそうです。
「もう大丈夫だと思いますが、ユーシス殿下のサロンへ向かって下さい。私は諸用を済ませてから伺いますので」
「カイン様のお仕事?」
「商会の方です」
ラティナはクラスの女子生徒にエメリアを任せ、図書館へ向かった。
司書のカドニス女史が嬉しそうにラティナに手を振る。
「結果ですが、予想以上だったと担当者から連絡がありました」
「なんてお礼を言えばいいのか分からないくらいよ」
「此方も利益がありますから、お気遣いなく。それより論文の方は?」
「もう提出したわ。本当にいいの?」
「勿論です」
そう言って、ラティナはにっこり笑った。
私の名前はアンナ・カドニス。
つい最近迄は絶望の真っ只中に居た。
恋人だった男に長年の研究論文を奪われただけでも泣けてくるのに
「俺のような、学者として名が売れているものが出したから学会も論文を見てくれている」
とか言って何本もの論文を勝手にあいつの名前で出されてしまった。
子供の頃から夢だった学者になる事を諦めかけていた時、ロレンス商会の方が現れた。
「アンナ・カドニス女史ですね」
ロレンス商会の方、マーク・ホリーさんの話では、最近出された論文の本当の執筆者は別に居るのでは、と商会のお嬢様が仰っている、との事だ。
気がついてくれる方がいた事が泣きたくなる程嬉しかった。
でも、それからが怒涛の忙しさだった。
書き途中の論文の内容を一から見直し、実験や機材の開発。素材探しも難航したけど、ホリーさんの話すラティナお嬢様の人となりを聞いて、ラベンダーと言う野草を試す事になった。
目が回る忙しさってこういう事か、と納得するけど、やり甲斐だけしかない。
高価な実験器具の開発はロレンス商会が全面的に協力して下さったし、独学だった論文の書き方も教えてもらい、先日学会に提出した。
後は野となれ山となれ、て感じ。
最後の登場人物の名前は、古い小説の主人公の名前から貰いました。




