学園にて
ラティナ達の会話と新しい登場人物の独白です。
学年が違えば、接点などほとんど無い為ラティナはあの斑ピンクの髪の女子生徒の事など気にもしていなかったが
「名前が判りましたわ」
エメリアが階下に居る、斑ピンクの髪をした女子生徒をチラッと見る。
「ゲームのヒロインとやらの名前は私と同じですから……」
「それはデフォルト。任意で変えられるから」
「そうですか。で、彼女の名前は?」
「アズサよ。アズサ・ライヤー男爵令嬢。転生者で間違いないわ」
ライヤー男爵家はこの世界的な名前だが、アズサと言うの名前は確かに前世の世界の名前だろう。
「ならばそのアズサと言う女子生徒はゲームの知識で」
「そう。似非ヒロインしているのよ」
似非ヒロインねぇ。
私はヒロインなんてやる気ないですが、物好きな人も居るものだ。
そう思いながら、またもや兄のお使いでダナエ・メルシアン公爵令嬢に手紙を届け、にっこり笑った。
わたくしはダナエ・メルシアン。
子供の頃、誘拐されそうになったのをある方が助けて下さった。
再会を願って、わたくしの目と同じ色のアクアマリンの髪飾りをあの方に渡し、あの方は綺麗なスターサファイアのタイピンを渡してくださった。
名前も知らない方を探すことも出来ず、そろそろ家の為にも婚約者を探さなければならない事は理解していますが、どうしてもあの方の瑠璃色の髪やスターサファイアのような深い蒼の瞳が忘れられず日々を過ごしていた。
あの時自分が助けた、とタイロン・シギーサ侯爵令息が婚約話を持ってきましたが、話もあの時の事をきちんと話していたのに、青い髪も青い目も違う気がして頷けなかった。
ですが、あの子が差し出した手紙を見た時、目の前に瑠璃色の髪をした方が現れた気がしました。
あの方もわたくしとの再会を願っていてくれた。
それだけで涙が出るほど嬉しい。
手紙に書かれた場所に期待を胸に訪れますと
「お久しぶりです。やっと約束が叶いましたね」
「はい。やっと……」
瑠璃色の髪を後ろで一つに纏めた、背の高い方がゆったりと挨拶をする胸元にはアクアマリンの髪飾りがタイピンの様に飾られていた。
ダナエさんの名前はワンちゃんからもじりました。




