学園にて
ラティナ達の会話と登場人物の独白です。
新学期も2ヶ月過ぎれば新入生達も、普通は落ち着いて来る。
ラティナ達は教室の窓から中庭の様子を見ていた。
「やたらと攻略対象に触りまくってますね」
斑ピンクの令嬢はマテウスの腕に絡み付き、胸を押し付けている。淑女としての教育を受けていないようだ。
まぁ、胸を押し付けられているマテウスは、みっともないほど鼻の下を伸ばしているから構わないのだろう。
「あんなのただの男好き。ゲームのヒロインは笑顔と甘えるような会話だけで攻略してたわ」
「エメリア様。言葉が戻ってますよ」
「いいの。男好き以外は不味い言葉は使ってないから」
ボディタッチが激しい彼女をエメリアは切り捨てるように言う。
「だって、ゲームのヒロインはもっとあざと可愛いキャラだったのよ」
エメリアがヒロインを嫌いだったのか好きだったのか分からないが、ラティナはクスッと笑い教室から出て、兄のお使いでターニャ・ロイド伯爵令嬢に手紙を届け、彼女ににっこり笑った。
私はターニャ・ロイド。
ロイド伯爵家の次女で、剣を習う事が何よりも好きだった。
でも、婚約者のマテウス・ロドネフ様が剣を止めろ、と言う。
将来は騎士団に入り、王太子妃殿下やゆくゆくは王妃陛下の護衛につく事が夢だったのに、夢が潰されててしまった。
でも、あの日あの方が私は夢の道を諦めず歩いていい、と背中を押してくれた。
言葉では別の方のフリをしていたけど、違う。
あの方が……。彼女が動いてくれたからこそ、私の夢の道は繋がっている。
一緒にお父様宛の手紙も預かったので、家に帰るとすぐにお父様に渡せば、一瞬苦い顔をされていたけど、ゆっくり頷いて
「ターニャ、思うままにしなさい」
と、言ってくれた。
私宛の手紙に書いてある日時にある場所に、愛用の剣を持って向かえば、憧れの方が笑顔で迎えてくれた。
「落ちた筋肉を鍛え直すのは大変だが、やれるな」
「はい。ご指導、お願いします」
消えかけていた夢の道を進む為なら、どんな訓練でも笑って受けられるわ。
新しい人物の名前、ちょっと捻りが無さすぎました。




