ラティナ視点
ラティナ視点です。
「ロレンス男爵令嬢でも把握していない事があるんですね」
爆笑するんじゃない。
私は神様じゃ無いんだから、物事を全部把握なんて無理ですって。
「レナード王太子殿下も人を見る目はしっかりされているようだ」
バロー公爵閣下が頷いているが、王太子の子飼いに男爵家の者を使うのって大変なのか?
「愚か者は爵位でしか人を見ないものが多い。その点、レナード王太子殿下は大丈夫のようですね」
ラウル伯爵も満足げに頷いている。
良く分からないけど、お兄様が重用されるのは良い事です。
「それで、ロレンス男爵令嬢はこれからどうするつもりですか?」
「このままエメリア様のお側で、バーナード殿下の暴挙からお守りしようかと思っております」
ラウル伯爵の質問に淡々と答えたが、ラウル伯爵が一瞬、ニヤッと笑ったのは気の所為か?
「そうか。では、彼の身柄は私に預けてくれ」
冷や汗を流している覗き見君は、縋るように私を見るけど、助けるなんて出来ませんって。
「では、私はこの辺でお暇を。バロー公爵閣下、出過ぎた事を口にし、申し訳ありません」
「いや。良い提案だった。ロレンス男爵令嬢、君には期待しているよ」
覗き見君をラウル伯爵に渡し、謝罪の言葉を口にすれば、バロー公爵閣下は機嫌良く顔は笑っているが、目は笑ってなかった。
怒らせてしまったかな?
ラティナの視点で書くのは楽しいです。