2P 僕の登校
「いただきます」
僕は時間がなくても朝ご飯だけは食べるようにしている。
なぜならばいつも妹の美咲によって準備されているからだ。
流石にここまでしてもらって、食べないというほど僕はクズじゃない。
目の前に置いてあるのはトーストと目玉焼きだ。
別に黒焦げとかそんなオチじゃない。というか普通に美味い。
トーストも目玉焼きもちょうどいい焼き加減だ。
妹のスペックの高さを実感する今日この頃です。
「ふぅ……ごちそうさまでした」
さて、学校に行く準備をするわけだが、実はそんなにやることはない。
教科書は基本的に学校に置いてあるし、後はソファに置いてある制服を着て(妹によって準備された)、
弁当を持ち(妹によって作られた)、そのまま家を出るだけである。
あ、ちなみ妹は僕を起こしてすぐ家を出ている。
あれぇ、やっぱり僕ってクズじゃないか。
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キーンコーンカーンコーン♪
うん、今日もギリッギリで間にあった。
もはや先生と教室に入る時間がシンクロしつつある。
少し前までは先生も僕に注意はしていたが(若干ビクビクしながら)、反省の色が見えない僕についに諦めたようだ。
そして席に座るわけだが、隣の席の人達すら僕には挨拶してくれない。
ただただ顔を赤くするか、青くするかして目をそらすのみである。
当然だ、だって僕から挨拶するわけでもない上に、そもそもこんな目が死んだ人と目を合わせるのは嫌だろう。
僕だって嫌だ。
つまりマンガでよくある「好きな子に挨拶されちゃった!」なんてことは起こらないのだ。
まぁ、別に好きな人がいるわけでもないからいいのだけど。
「これからHRを始めまぁす!」
おっと、始まるようだ。
「では連絡事項から……」
ちなみに先生の名前は大谷千尋24歳、女教師である。
僕にビクビクしている人の代表格だ。
後、女教師がビクビクしていると聞いて不埒なことを考えた奴、怒らないから手をあげなさい。
そんなことはありえない上に、この人身長150cmと低身長な上に童顔だ、
だから性欲が刺激されるというよりは、保護欲を刺激される見た目をしている。
正義感が強いし、熱血という教師らしい性格をしているのにだいぶドジなところがあるので、
尊敬というよりは、親しみを込めて「ちーちゃん先生」と呼ばれているようだ。
(本人は嫌がっているようだが)
まぁ、僕は呼んだことはないし、呼ぶつもりもないのだけど。
「あれっ!?渡すはずのプリントが……」
「またですかぁ、ちーちゃん先生ぇ?」
早速やったようだ、こういうのがあるから生徒に呼びかたを新ためてもらえないんだと思う。
「ちーちゃん先生は止めてくださいよぉ!今すぐ取ってきますぅ!」
「ちーちゃん先生!廊下は走らないでください!」
まぁ生徒からすれば面白い先生なのだが、もう少し落ち着きを覚えた方がいいと思う。