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プロローグ
あなたが相手の感情を読み取る時、まず見る場所はどこだろうか?
そう聞かれればほとんどの人がこう答えるだろう。
『表情を見る』と、
だがそれが何らかの方法、例えば仮面で顔を隠していたらどうするか?
まぁ、ここからは人をよって変わるだろうが、
『目を見る』とか、
『声を聞く』などだろうか。
確かに“目は口ほどにものを言う”などというようにだいぶおしゃべりだし、口は言うまでもなく自分の感情を相手に伝える。電話で話していれば相手の感情など簡単にわかってしまう。
このように相手の感情を読むことなど本当に簡単なことであるし、 誰もができることでもあるのだろう。
なぜなら、それは『人間』という社会の中で暮らすに当たって必要事項であるからだ。
だとしたら、それらが全くできない人間がいたらそれは一体『何』なのだろうか?
『表情』をだすことができず、『目』で語ることもできず、『声』で相手に理解されることもできない。
それはとても悲しいことなのではないだろうか。
これは『そういうもの』がただほのぼのと日常を過ごす物語である。