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彩乃の新しい出会い

結局、あたしがメインで戦うことになったので組のほとんどの人が待機になった。


「ねぇ、もう探しに行っていい?てか、行きたい」

「ちょっと待ってください。はい、これ耳につけて」

そう大和に言われて渡された物をみる。

「なにこれ」

あたしの手には米粒ほどのチップがあった。

「これで私たちと連絡が取れます。博士がニコニコしながらくれました」

「ちょっとまて、それ怪しすぎるだろ。

ちゃんと安全を確認した上で作ったんだろうなこれ・・・」

「・・・」

大和が黙る。

そう。あの博士のことだ。どうせ、試作品とかなんとかなんだろう。

「電話しよう」

あたしが、そう言って博士に電話する。

プルルルルル・・・

ガチャッ

「あっ、博士??あたしあたしー」

『あたしあたし詐欺ですかさようなら』

「おいふざけんなよ彩乃だ。鬼神彩乃だ」

『あぁ彩乃さん、どーしたんですか?』

博士ってバカそうに見えるのに・・・頭いいんだよなぁ。なんて思いながら話を続ける

「博士が送ってきたちっさいチップ。これなに?」

『あぁ!それはね!彩乃さん!

小型通信機No.11ですよ!』

うん。つまりこれを作るのに10回失敗したってことでいいのかな??

あたしは心の中でそう思う

「これ危険なものじゃないよな?」

『えぇ。大丈夫ですよ、たぶん。今までのやつは付けるとすぐ爆発しちゃってですね〜、ダメだったんですよ!しかし、それだけは未だに爆発してないんで』

「え??なに?つまりこれもしかしたら爆発するかもしれないの?」

『可能性はないと言えば嘘になりますね』

全然安全じゃねええええ!

下手したらあたしの命が危うい。

そんなあたしの心の叫びなんかお構いなしに博士は話を続ける。

『それを耳につけてもらうだけで、なんと仲間と意思疎通ができるようになります!

もちろん安全は保障できません』

「わかった博士ありがとうさようなら」

『え?ちょ、まだ話おわってな』

ブチっ

あたしは無理やり電話を切った。

「大和。これつけたくない」

「そう言われましても、それが一番目立たなくていいんですよ」

「もしも爆発して、あたしが死んだらどーすんだよ!?」

「彩乃、それぐらいで死なないでしょう?」

「・・・」

どんだけあたしのこと不死身だと思ってんだ。さすがに爆発でもされたら死ぬわ。

・・・まぁいっか!!!

あたしが決断したと分かったのか大和が説明してきた。

「それでは、今から彩乃には敵のアジトを見つけてもらってどの組なのか調べてもらいます。

もしもなにか不都合が起こった場合は速やかにそのチップで連絡してください」

「りょーーっかい!」

こうしてあたしの彩乃ちゃん女優並みの演技力で敵のアジト見つけちゃえ&ボスを倒しちゃおう!作戦がはじまったのである。




いま、あたしは暗い路地裏にいる。目の前には数人の男達。

ちなみに全員倒れている。

「うふっ、おかしいな優しくしたのにっ!」

そんなことを一人かわいく呟いてみたが、そんなことで過去は変えられないわけで。

とりあえず、なぜこうなったのかを説明しよう。

彩乃は、薬を売っていると情報があった場所へ行きその人たちを拷問でもして誰に指示されたのかなどを聞きだすつもりだった。が、もちろん相手側も抵抗するわけで殴ってくるなど攻撃してきたのだ。

そこで彩乃は手加減したのだが、加減というものを間違ったしまった。

約数秒で全員倒してしまったのだ。

「うーーん、非常にまずいですね~。これじゃあ聞き出せないな」

一人もんもんと悩んでいると、耳からあきらの声がした。

『とりあえず一人だけ確保しておけ、あとは俺たちが片づける』

お、助け舟です!!

あたしは適当に一人選んで、重そうにズルズルと近くにあった空きビルに運んで行った。


運んだはいいものの、どうやって目を覚まさせるか。

ちなみに暴れられたら困るので縄で拘束している。

悩んだ挙句考え付いたのは

バシャっ!!

思いっきり水を頭からかけるということ。

そして、それが効いたのか、捕まえた男が薄目をあけた。

「あっ、気が付いた??ごめんねー加減が分かんなくてさ~」

「お、おまえ・・・何者だ・・・」

「え、秘密」

そんなこと言いながらあたしは男を見る。

黒髪で瞳の色は色素の薄いグレーだ。

あらあら、しかも美形ときた。さっきあたしが殴っちゃったところが赤く腫れあがっていても

顔が整っているのが分かる。

「ところでさ!!誰から指示されて薬売ってたの?」

「・・・ちっ」

まさかの舌打ちですかぁぁぁあああ!?

「教えてくれないとさ~、あたしが困るんだよね??」

「・・・」

無視かよ!?!?なんなんだよこの男。

たぶん拷問とかしても口を割らない系のやつだな。もっと他の奴捕まえればよかった。

はぁ~、しょうがない時間はかかるけど違う手段で行くか。

あたしは大和たちに伝える

「今日は、一旦作戦中断。明日再開する。そして今日は家に帰らない」

『はっ!?彩乃どーゆーことですか!?ちょっと!なんでいき・・・』

言い終わらないうちにあたしはチップを耳から外した。

その行動を男は不思議そうな目で見ている。

そしてあたしは近づいて拘束していた縄を切って男の前にかがんだ。

「あたし彩乃!!あなたの名前は??」

そういって手を差し伸べる。

男は目を見開いて、その手を凝視している。

「名前は??」

もう一度聞くと消え入りそうな声でいった。

「ミヤビ・・・」


あたしはミヤビを連れてとりあえず薬局によることにした。

だって、ねぇ?こんなに顔腫れたままもかわいそうでしょ??

ちなみに、一応逃げないように手をつないでいる。

ミヤビの身長が高いので、まるで親子のように見えているのだろう。

「ミヤビ、あなた何歳なの?」

「・・・答える必要ない」

「ある」

「・・・18だ」

ほぉ!!あたしより4つ上だ。

こんなに若いのに裏の世界に入るなんて・・・だめだなぁ!!

・・・うん、人のこと言えねぇ。

なんて考えていると薬局についた。

あたしは素早く消毒液やガーゼやらを買う。

店員さんには変な目でみられたが気にしない。

近くにあった公園のベンチに座ってミヤビを隣に座らせる。

「ほら、ミヤビ下向いてないでこっち向いてよ。消毒できない」

そう言って無理やりこちらを向かせる。

はぁ・・・こんなに顔整ってるのに性格がなぁ。

世の女性はこーゆーのが好みなのかねぇ。

「ミヤビ~、ちょっと痛いけど我慢してね~」

消毒液がついたガーゼでポンポンと切れてしまった口の端を消毒する。

ミヤビが少ししかめっ面になったのをあたしは見逃さなかった。

「お??ミヤビくん、痛いのですか~?」

「うるせぇ。自分でする」

バッとガーゼを取られそうになるがギリギリ回避。

「わたさないぞ」

「なっ・・・」

ミヤビがイラついた顔をしたが消毒続行。

無事、消毒も終わり絆創膏も貼り終わった。

「よし!!ミヤビ、遊ぶぞ!!」

「は・・・?お前何言って」

「いいから!!いくよ!!」

そして、あたしはミヤビの手を取って歩き出した。



次に向かったのはゲーセン。そう、ただ彩乃個人が行きたかっただけ。

「うぉぉ!!ゲーセンひさびさ!!やばい!テンションがあがりますなぁ!!」

「おい。俺は何もしないぞ」

「は??なに言ってんのミヤビ。ここまで来て何もしないとかあたしが許さない」

そう言って強引に連れまわす。

「はっ!!あ、あれは・・・なんと可愛いぬいぐるみなんだっ・・・」

あたしが見つけたのはUFOキャッチャーの中に並んでいるクマのぬいぐるみだった。ちなみに目が片方なかったり口から血を吐いていたりとなんともグロテスクなぬいぐるみだ。

「ミヤビ、あれほしいとって」

「・・・は?無理に決まってんだろ。まず金なんてもってねぇし」

そんなことを言うミヤビにあたしはポケットから万札を取り出した。

「はい、一万あげるから絶対取って。絶対」

あたしは大事なところだけ二回言った。

「おまえな・・・俺は敵なんだぞ?こんなことしててもいいのか?」

「いいに決まってんじゃない。あたしの自由だもの」

あ、ミヤビが呆れた顔をした。

人の心配するなんて優しいところあるじゃない。と、ポジティブに考えることにした。

「はーやーくーとって!!」

「わかったわかったとればいいんだろ・・・」

よっしゃぁ!!あたしはUFOキャッチャーは壊滅的に苦手なのでミヤビに任せることにした。

数分後

「ミヤビ~。あんたも壊滅的に下手くそね」

「う、うるせぇ!今からとれるんだよ!!」

約5000円使っているのに数センチしか動いていない。

「そのセリフさっきも聞いた~。もー諦めよ~」

「あと一回だけする」

なんとまぁ諦めの悪い男だな~。

そんなことを思いながら動いていくキャッチャーに目を向ける。

あ、クマの服に引っかかった。

あ、持ち上がった。

あ、取り出し口に落ちた。

「・・・ミ、ミヤビ!!!!!とれたよ!?!?とれちゃった!!うそ!!」

「お、おう・・・」

ミヤビも驚いているようで取り出し口にあるクマを凝視している。

「ありがとう!!ほんとにありがとう!!すごい嬉しい!!」

あたしはミヤビに抱きついた。

「や、やめろ!離せって!!」

ミヤビはあたしを引き剥がそうともがいている。

ちょっと顔が赤いのは気のせい?だな。

「ねぇ!最後にプリクラとろうよ!!」

「絶対いやだ」

「その意見にいやだ」

あたしは無理やりプリクラの機械の中にミヤビを連れていく。

「俺は撮らないからな!!」

「もう遅いです!!お金入れちゃったもん」

そんなこと言ってる間に『背景を選んでネッ!!』などなどかわいらしい声がすすめてくる。

パパパッと背景を選んで定位置にならぶ。

「ほらっ!ミヤビ笑って~!!」

3、2、1、カシャっと音が鳴る。

撮ったものが画面に映る。

「え、まさかの無表情?まじで?あたしだけめっちゃ笑顔じゃん」

なんとミヤビがまったく笑っていなかった。完全に無。

くっそ。絶対にその無表情崩してみせる!!

また、3、2、1とカウントダウンが始まった。

そしてあたしはなにをしたかというと、思いっきり抱き着いてやった。

「お、おい!まじでやめろって!!あ。」

カシャっ

そう音が鳴って撮られた。

あたしは、ウキウキと映った画面に目を向ける。

「ふっふっふっ!!ミヤビの無表情崩してやったり!!」

あたしは勝ち誇ったような笑みをミヤビに向けた。

「なんなんだよ・・・」

そんな調子であと3枚ほど撮って終わった。

あとにしたらくがきでミヤビにちょこっとイタズラしたら無表情でやめろ、と言われたのでやめといた。


ゲーセンを出たあたしたちは近くにあったベンチに座る。

「う~~ん!たのしかった!!」

あたしは背伸びをしながらミヤビに話しかける。

「俺は全然・・・。まずお前」

「そろそろ名前で呼んでよ~!!お前ってなんかいや」

「・・・なんで俺がこんなこと」

「友達だから」

「は??」

「だって、今日あたしと遊んでくれたもの。それって友達でしょ?」

「い、いや。それだけか?」

「そうよ」

あたしは真顔で答える。

「まず、あたしと遊んでくれる人ってあんまいないんだよね~。だから、今日ミヤビと一緒にゲーセンいけてあたし楽しかった!!」

素直に思ったことを言う。

「俺が敵だってこと忘れてないか?」

「ミヤビ。あなた組に忠誠なんてものないでしょ?隠しても無駄よ。

どうせ、なにか弱みを握られていろんなことさせられてきたんでしょ?」

ミヤビの顔がこわばった。

そう、実は結構最初から感づいてはいた。あえて言わなかったのはミヤビは少しでも同じ時間を共有して同じ気持ちを共有して仲良くならなければ口を割らないと思ったからだ。

「だいたいちゃんと敵ならもっと抵抗するはずだもん」

あたしは困ったように少し笑った。

それをみたミヤビは小さな声で、ポツリポツリと話し始めた。

「おふくろが・・・大きい借金つくって、家を出て行ったんだ。それを俺が肩代わりすることになって・・・。最初は頑張って働いて返そうと思ってた。だけど、組の奴らの取り立てが厳しくて・・・。だんだん払えなくなっていった。そしたら組で働いたほうが早く借金かえせるぞって言ってきて・・・」

下を向いたまま話を続ける。

「最初は簡単な仕事だった。ただ荷物を運んだり、車を運転するだけだったり。

だけど、だんだん仕事内容が厳しくなっていった・・・。死体を処理したり・・。

俺はもう無理だと思って、やめたいって言ったんだ。だけど・・・このまま表の世界に戻ればいつかは捕まるぞって、ここにいたほうが安全なんだぞって言ってきた。俺は、組を抜けられなくなっていた・・・」

ミヤビは自嘲気味に笑っていた。

「ミヤビ。その組の名前。教えてくれない??」

あたしはミヤビの目を見て言った。

ミヤビはあたしの目を見つめ返してくれ、はっきりとした声で言った。

「時雨組」


時雨組。それは鬼神組とは長年敵対している組。いい噂など聞いたことがないほど腹黒いことをたくさんしている。

「教えてくれてありがとう。ねぇミヤビ。あたしのわがまま聞いてくれる??」

あたしはニヤッとしてミヤビを見た。

「本日をもってミヤビは時雨組を脱退。新たに鬼神組に入団することを許可する」

「は・・・?え?鬼神組って世界トップの・・・」

「あら?ご存じで?うれしゅうございますわ」

なんてふざけた感じで返す。

「なんでおま・・・彩乃が許可なんて」

おおおお!!初めて名前で呼んでくれた!!!

おや??ミヤビくん。自分で呼んどきながら照れてらっしゃる。

かわいいいいいいいい!!

「では!!改めまして自己紹介させていただきます!

鬼神彩乃!14歳!鬼神組の組長をやらせてもらってます!!よろしくね!ミヤビ!!」

ミヤビは目ん玉が零れ落ちちゃうんじゃないかってくらい見開いてあたしをみていた。


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