第1話:逆転時空への目覚め
主人公の私は、ある日突然、時間が逆行する不思議な異世界に迷い込んでしまった。そこは、過去に向かって進むような奇妙な世界。言葉は逆再生し、人々の行動は巻き戻るように見える。戸惑いながらも、私はこの世界の謎を解き明かすため、時の魔女と呼ばれる存在を探す決意をする。その過程で、自分自身の過去とも向き合うことになる。逆転する時空の迷宮に挑む、私の冒険が今始まる。//不思議な世界観と心理描写を重視した、ファンタジーミステリーです。恋愛要素はありませんが、主人公の内面の成長と、世界の秘密を巡る探求が物語の核となります。逆再生セリフは適当なので読み飛ばしてください。
目が覚めたら、見知らぬベッドの上にいた。
差し込む光に目を細めながら、昨日までの記憶を探すけれど、見つからない。
まるで、誰かが私の中身を掻き出して、別の何かを詰め込んだみたいで。
「。いなんせま起目にこなん妙奇、はれこ」
不意に、逆再生した言葉が聞こえてきた。
何言ってるのか分からなくて戸惑う。
でも、よく聞けば、私の声とは違う。
誰かが話しているんだけど、逆再生しているから意味が分からない。
ベッドから出て、周りを見回す。部屋の中は、見覚えのない家具ばかり。
机の上には、何冊かの本が積まれている。
手に取ってみると、そのうちの1冊が開いていて、文字が書かれているページが見えた。
「ここは、一体どこなんだろう?」
私は本を読み進めていく。不思議なことに、本の文字は逆再生していない。
普通に読める。この本は、この世界の不思議さを物語っているようだった。
窓辺に近づいて外を見ると、私の心臓が跳ねた。
見慣れない空に、2つの太陽が逆に動いている。信じられなくて、何度も目を擦ったけど、景色は変わらない。
通りを歩く人たちは、みんな奇妙な服装をしている。まるで、昔の映画に出てきそうな格好ばかり。
でも、私から見ると、みんなの動きが妙にぎこちない。時間が巻き戻っているみたいで。
「。すまし申をめ止、はわ」
道を歩く人が、逆再生で話しかけてくる。
何を言っているのか分からないけど、きっと道を尋ねているんだろう。
私は首を振って、先を急ぐ。
部屋を出て、町を歩く。
道行く人の声は、全部逆再生。意味は分からないけど、これが普通なんだと感じる。
私だけが、この世界のルールに逆らっているみたい。
「ここは、逆再生の世界なのか。こんな風に進んでいったら、いつかは元の世界に戻れるのかしら。」
本の記述が頭をよぎる。この世界のことが書かれていたんだ。
私は、この逆再生の世界に迷い込んでしまったのかもしれない。
でも、どうしてこんなことに?私は何を求めて、ここに来たんだろう?
頭の中が疑問でいっぱいになる。このままじゃいられない。
私は、この世界の謎を解明しなくちゃ。そして、元の世界に戻る方法を見つけなくちゃ。
「時の魔女……?」
本に書かれていた言葉を、私は呟く。
時の魔女という存在が、この世界の鍵を握っているのかもしれない。
私は、その手がかりを求めて、歩き出した。
逆再生の世界に立ち向かうために、一歩一歩前に進むしかない。
こうして、私の逆転時空での冒険が始まったのだった。