大学時代の柚月。恋人と別れない道を選ぶ
人生非常停止巻き戻しボタンを押したトオルと柚月。立っていたのは地方のある大学。
柚月は校舎の窓ガラスに映った自分を見て
「若返ってる」
と驚いた。
およそ20年前のある程度、もてていた自分の姿になっていた。一方、トオルはさっきまでと同じ姿だ。
「この時代の私はどこに行ったんだろう」
柚月は不思議そうに話した。
トオルは
「さあ、ただ、言えるのはタイムリミットは24時間だけ。そこで未来を変えて」
と言った。
柚月は「はい。行ってきます」と言って走り出した。
向かった先は恋人と同棲していたアパートだ。そこに向かうと柚月は、恋人に会った。
「ひさしぶり」
思わず口から出た言葉に、当時の恋人、信人は不思議そうに答えた。
「何いってんだ。朝あったばかりだろ」
「あ、ごめん」
「どうしたんだ」
柚月は慌てた様子で言った。
「突然だけど、私がこれから先、別れたいとか言い出しても聞かないでほしい。私はあなたと結婚したい。一生一緒に生きていきたい。あなたの行くところについていくから。よろしくお願いします」
信人は、驚いたように言った。
「何だ、突然。まあ、いいけど。シューカツ、俺の地元でしような」
柚月は笑顔で頷いた。
柚月の過去は変えられた。
そして、柚月は久しぶりに信人との食事を楽しみ、他愛ないことで笑い合って、これが本当の幸せだなと噛み締めた。
その後、24時間になる前、トオルとともに柚月は未来に戻った。柚月が変えた未来はどうなっているのかー。