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第55話 カレントゥ城籠城戦1

 タゥエンドリン王国首都オルクリア、王宮


「ウヌヌぬ、マサナガめ。我がエンデの地を掠め取るとは許しがたし!」


 昌長らがリザードマン戦士団の最後の抵抗を撃破してリザードマン達を放逐し、エンデの地をほぼ手中に収めたという報告を聞き、王が唸り声を上げる。

 許可こそしたが、まさか本当にしかもこのような短期間でリザードマンからエンデ地方を奪取するとは思ってもみなかった。

 おまけに月霜銃士爵を支持して終始付き従った王妃の1人レアンティアと、その長女であるフィリーシア王女の評価は著しく向上した。


 彼女らに付き従い、亡国を取り戻すべく勇戦したエンデ氏族の評判も良くなりつつあり、それと同時にタゥエンドリン各地に散り散りになっていたエンデ氏族が、月霜銃士爵のエンデ平定を聞き、またフィリーシアらがその傍らにいることに安心感を抱いてエンデの地へと戻りつつある。

 若干のリザードマンの残党やそれ以外のはびこった野盗山賊の類いを平定する必要はあるだろうが、元々エンデ族が住み暮らした地域である。


 街道や都市は一応の整備は成されており、それを復興するだけなので、一から全てをやり直す程大変ではない。

 第一それを成そうとしているのは元々その地にいたエンデの人々だ、熱意が違う。

 エンデ地方は今や一大復興地域として大規模な消費地となっており、その資金を月霜銃士爵が惜しみなく出していることと相まって、急速に発展を遂げているのだ。


 最近は月霜銃士爵領を通じて南方の坑道人都市国家群からの商品や獣人の雄族ライオネルの旅人や商人もタゥエンドリンへやって来ている。

 50年ぶりに南のエルフ国家カランドリンからも友好確認の使者が来て、月霜銃士爵の様子を知りたいなどと言って来た。

 平原人国家からも相次いで使者が来訪しており、引見が引きも切らない。

 国威は大いに発揚したが、それもこれも全て月霜銃士爵やフィリーシアの活躍によるものであり、王としては決して良い状況ではなかったのだ。


「エンデの地の返還を命じようぞ」


 タゥエンドリン王宮の会議の間。

 豪華な部屋には多数の取り澄ました格好をした森林人の廷臣が揃っている。

 その前で王はいきなり無茶苦茶な命令を発しようと提案した。


「王、それは無理が御座いましょう。第一あの地を切り取り勝手次第と約束したのは王で御座います。それが成ったからと言って取り上げるとなれば、民人のみならず貴族や族長からも反対の声が上がりましょう。それに……」


 王の言葉を諫めたレウンデルが続けるべき言葉の内容に躊躇して言い淀むと、王は不機嫌そうに先を促す。


「よい、レウンデル。発言せよ」

「……では僭越ながら、月霜銃士爵が王命に素直に従うとは思えませぬ。そうなれば彼らの矛先は我々や王都に向かいましょう」

「ぬうっ、反逆するとなっ!?おのれマサナガめ、我が国から受けた恩を忘れおって!これだから平原人の傭兵などという者は信が置けぬわ!」


 レウンデルが躊躇いながらも続けた言葉に王が激昂する。


「……」


 それを聞いていた廷臣達はおしなべて無表情。

 しかしある者は諦めの、またある者は嘲笑を、それぞれの心の中に思い描く。

 的場昌長にはタゥエンドリンに感じる恩などそもそも1つもないのだ。


「ふん、マサナガめの権力を剥奪し、エンデの地を取り戻す算段を付けよ!」


 王は廷臣達に命じると不機嫌さも露わにして会議室を去る。

 残された廷臣達は王が護衛と共に自室へ下がったのを確認してから息を吐いた。


「さて……月霜銃士爵をどうするか?」

「権力剥奪など名目がそもそもあるまい。マーラバントを撃破し、エンデという失地を奪回したのだから、むしろ功績を挙げているのだ。罰など与えられるはずもない」


 廷臣達の悩みは深い。


 権力剥奪と言っても、元々昌長の軍事力は自前のものであり、タゥエンドリンが与えたものは何もない。

 現在も廃棄部族となったエンデ氏族のエルフやシントニアのドワーフ、更にはエンデと名も無き平原に住み暮らしていた獣人や平原人が昌長の配下であり、タゥエンドリンの王命に従うモノは1人としていない。

 月霜銃士爵などという官爵とて、昌長は必要としていないだろうから、剥奪しても意味はないし、そもそも剥奪する理由がない。


 どちらかと言えば爵位でタゥエンドリンにつなぎ止めているのだ。

 王は自分の所行を何も理解していない。

 廷臣達は改めて昌長の厄介さに頭を痛めるが、その大半はタゥエンドリンが我が自ら生み出してしまったものである事は言を待たない。

 王女を救われたのにも拘わらず平原人を見下す森林人の差別思想をぶつけて冷遇し、大したもてなしも与えなかった。

 そして王女を救った功績にかこつけ、新たな、しかも強力な敵と相対する辺地に任じて追い払い、更にはその王女を押し付けて足枷を付けたのは他ならぬ王である。

 更にエンデの民と土地を見捨てたのもまた王であり、エンデ族から迎えた王妃を名目はどうあれ宮廷から追放したのも王である。

 もっと言えば青竜王を罠に填めようと丙正国をけしかけ、結果として青竜王を封じさせ黄竜王をのさばらせたのも王なのだ。


 廷臣達は重ねてマサナガに王への恩など微塵もないことを思い返し、恐怖に震えた。


 昌長の立場ならば感じるのは恩などではなく、怒りや怨みであり、抱くのは復讐心であろう。

 それはエンデの民や青竜王、そしてフィリーシアやレアンティアにも言えることだ。

 昌長の保つ雷杖の威力や配下の将達の能力は凄まじく、辺地を瞬く間に一大軍事拠点へと変貌させた。

 黄竜王を討ち果たし、今またタゥエンドリンが手も足も出なかったマーラバントの侵攻を跳ね返してエンデの地を回復し、青竜王と盟約を結んだ大軍閥がタゥエンドリンのすぐ北の地に形成されたのだ。


 しかもその傍らにはフィリーシア王女とレアンティア王妃がおり、エンデの民がいる。

 タゥエンドリンの主導権を奪取しようと昌長が考えれば大義名分があるだけでなく、それは容易に果たされるだろう。

 そしてその暁には王の首は落ちる。

 もちろん自分達廷臣の身柄が無事に済む訳がなく、むしろ王都での出来事で冷たく当たったことを鑑みれば復讐と権力の速やかな奪取のために粛正されるのが普通だろう。


 現王は無能だが、これを見捨てれば自分達の命脈が尽きる。


 肝を冷やしながらも廷臣達は脳髄を絞る思いで昌長に対抗する策を練るのだった。








 エンデ平定から半年余、サイカの町に設置された外郭の櫓。


 その上に見張り役として就いていたエルフ兵は、遠くの大河の水面がざわついている事に気付いた。

 エンデの兵としてリザードマンの奇襲攻撃を受けた事のあるそのエルフ兵にとって、それは以前にも見た事のある光景だった。

 大河の川面がたちまちの内に泡立ち、そこから緑色のトカゲ頭が見え隠れし始める。

 頭と一緒に水面から覗いているのは槍や剣の先。


「リザードマンだ!約1万!……掲げている紋章はマーラバント!」


 そう叫ぶなり早鐘を打ち鳴らすエルフ兵。

 早鐘の合図を受け、獣人の伝令兵が間髪入れずに月霜城へ走り、ドワーフが警告を発するべく避難合図のラッパを吹き鳴らす。

 外に出ていた獣人の農民や城門前に並んでいた商人達が慌てて総構えの中に入る。

 港はドワーフが作った大がかりな仕掛けを使って、大河と繋がる水路の水門を閉じ始める。


「いちいち慌てやんでええ!エルフ弓兵は櫓へ就け!ドワーフ弩兵は外郭へ居並べや!民人は危ないよって家に入っちゃれ!」


 的場昌長がカレントゥ城から指示を飛ばしつつ銃兵を率いてリザードマンの軍から最も近い城門へとやって来る。

 余裕のある口ぶりとは裏腹に、昌長の顔は苦虫を噛み潰したようになっていた。


「聖教の者共の動きが怪しいところへ来てこの襲撃か、悪いことがたまたま重なっただけか、それともどこぞのアホが糸引いてんのか……」

 

 聖教による布教活動は封じた昌長だったが、彼らは救貧活動を通じてサイカの町の平原人達の間に浸透しつつある。

 外国勢力による救貧活動は認めないと通知を出したが、彼らは自分達の宿舎内で救貧活動を継続しており、その際に布教を行っているようだ。

 平原人の中には公然と聖教に入信する者もおり、兵をまとめる立場にある者達は苦慮していた。


「統領!マーラバント王の親征じゃ!」

「おう、分かった!」


 早鐘と伝令を受け、慌てて駆けつけてきた義昌が昌長を見つけて怒鳴ると、昌長もそれに怒ったように返事を返す。

 決して怒っているわけではないが、口調が強めになるほど昌長が焦っているのは事実だ。

 相手は皮が固く、通常の弓矢や刀槍での攻撃が非常に通用しにくいリザードマンである。

 どうしても火縄銃での攻撃が主体となる。

 しかしまだ数は十分ではなく、練度も低い。

 いかに戦巧者の昌長といえども、切り札でもあり攻撃の要でもある火縄銃による攻撃を制限されては、思うように戦えない。


「近隣の村々にも警告の使者を出しちゃれ。避難したい者は城へ来いと伝えたらええ。タゥエンドリンの王都とサラリエルへマーラバントが攻め入ったと使者を送れよ」

「分かりました」


 矢継ぎ早に出される指示に従い、兵達が機敏に散っていく。

 その後ろ姿を見送ってから、昌長は城門の楼閣へ登り、そこから外を見た。

 大河の沿岸からリザードマン戦士が続々と上陸してくる。


「籠城するしか手はあらへんな……」


 間の悪い事に兵1000名を擁するエンデ方面軍と岡吉次は、エンデ地方の治安回復とリザードマンの残党戡定に向かっており不在。

 斥候を放ってはいたが、どうやら本来の攻め口と考えられていた大河の南側ではなく北側から乾いた陸地を越えてやって来た様子だ。

 昌長としては完全に裏を掻かれてしまった格好になる。

 今、カレントゥ城には一応の訓練が終わった者が500名と、未だ訓練中の銃兵や槍兵が1000名程いるが、いずれも戦力として十分ではない。

 しかし今は危急の時、悠長に訓練不足などと言っている場合ではない。

 上陸してくる敵はリザードマンの戦士約1万。

 対する月霜銃士爵的場昌長率いる訓練不足の兵1500、そして彼らが守るべきサイカの町に住む民人は3万を超える。

 今のところ水や食料に余裕があるので完全に籠城したとしてもサイカの町共々1年以上持ちこたえる事が出来るが、リザードマンの戦略が明確でないので対応方法はこれから検討する事になるだろう。

 ただ、訓練不足の兵では無駄弾丸むだだまを撃つ確率が高く、火縄銃の弾薬がどれ程保つかは未知数だ。


「弓兵と弩兵は射程に入り次第かましちゃれ!遠慮はいらへんで!術兵は防御に重きを置くんや!攻撃はしたらあかん!」


 玉薬は生産の目処が立ったとは言え、費用も掛かるし時間も掛かる、無駄弾を撃たせるわけには行かない。

 昌長は弾薬を銃兵に配るよう指示した上で、早々に装填を命じる。


「蜥蜴人が近付いてきたら、十分引きつけえ!号令があるまで撃ったらあかんで!緒戦できつい一発ぶちかましちゃるでえ!」




 一方のマーラバント王レッサディーンはカレントゥ城とサイカの町並みを見て苦々しい思いを口にした。


「あのような大きな城があるとは聞いておらぬぞ……」

「把握し切れていませんでした……水族が月霜銃士爵に靡いておりまして、思うように情報が入ってきませぬ」


 レッサディーンの質問に、側近のリザードマン戦士が恥じ入るようにして答え、レッサディーンもまた嘆息交じりに言う。


「うむ、あ奴らの目をかい潜るために平原を通らねばならなかったからな」


 深海王オルクトバルクスをマトバマサナガが倒して以来、リザードマンとは比較的友好関係にあった大河水族の各部族は月霜銃士爵へ一斉に靡いたばかりか正式に不可侵協定と通商協定を結んでおり、翻って月霜銃士爵と敵対的なマーラバントに対しては距離を置いている。

 マーラバントとは純粋に不可侵協定のみだったが、月霜銃士爵は交易の利益や交易船の水先案内人として大河水族を雇用して利をもたらしており、この関係を崩すのは難しいものがあった。

 そのせいか、月霜伯領の様子やエンデの地の情勢がマーラバントへ入ってこなくなったのだ。

 それだけでなく、最近はマーラバントの情報を積極的に探って月霜銃士爵に伝えている風でもあり、レッサディーンは大招集こそ隠さなかったが、待ち伏せを警戒して攻め口を変えた程である。

 それでも手立てを考え、様々な方法で大河の反対側の情報を得てきたレッサディーン。

 乾燥地が苦手なリザードマン戦士達を叱咤激励しつつ名も無き平原の東をかすめるように踏破して、カレントゥ城へと軍を進めたのだ。


 リザードマンもかつては闇の勢力に属していたが、グランドアース大陸の湿地帯を気に入りこの地を手に入れると、全土制覇を狙う闇の勢力とは袂を分かった。

 しかし情勢はマーラバントやリザードマン達へ有利に傾いた。

 湿地帯という他の人族にとって使い勝手の悪い土地を本拠地としたこともあるが、その地で子孫を繁栄させ、一気に勢力を拡大したリザードマン。

 生息域によって3つの勢力に分裂こそしたが、それでも各々が一国に匹敵する戦力を保持するにいたり、湿地帯という攻め辛い地勢と相まって、グランドアース世界に自分達の居場所を確立したのである。

 そして、徐々にその勢力拡大を図ってきたが、その前に的場昌長が立ちはだかった。

 あの大戦士長カッラーフなら敗れたとは言え簡単に殺されるはずもなく、おそらくマサナガは相応の打撃を受けていると考えたレッサディーン。

 フラーブフの警告を気にしつつも1万の軍を率いてエンデの地を再度リザードマンの地たらしめるべく襲来したのである。


 古の協定に参加している獣人部族のライオネル族はマーラバントと敵対的だが、タゥエンドリンとは連絡を取り合っている様子はないし、たとえ連携していたとしてもすぐに山脈を越え、更にはシンランドとコーランドをどうにかしてマーラバントを攻めるような事は出来まい。

 隣国コーランドとその先にあるシンランドの動きは見過ごせないが、押さえの兵を置いてきたので問題ない上に、両国ともマーラバントの動きには気付いていない様子。

 月霜銃士爵がいかに激しく抵抗しようとも、闇の勢力の軍兵の系譜を引くリザードマン戦士団と戦って勝てる訳もなく、またエンデ地方への遠征で兵は疲れているだろう。

 兵数も精々2000から3000と言ったところだろうし、1万のリザードマン戦士で力押しすれば、月霜銃士爵領ぐらいはすぐに落とせる。

 大河水族から自分達の進軍情報が漏れないよう、大きく北側から迂回して月霜伯領へと進軍してきたレッサディーン。


 秘匿性もこれで保たれる。

 そう考えての出陣であったが、早くも誤算の結果、堅固なカレントゥ城が目の前にある。

 しかしそれでも1万のリザードマン戦士を率いるレッサディーンの自信は、いささかも揺るがない。


「多少の行き違いや情報の誤りは想定の範囲内だ。これから一旦包囲して陣形を整え、明後日に城を攻める」

「はっ!承知致しました」


 レッサディーンの指揮でリザードマン戦士達は一斉に大河から岸へ上がると、陣形を組み直し、大剣と槍を掲げて喊声を上げる。


「前進!」


 副官の号令でゆっくりと前に進むマーラバント軍1万。

 陸の上に上がった事で進軍速度は著しく低下したが、その威圧感は遠くカレントゥ城にまで伝わってくる。


「本軍かい……今までの端武者共とは出来がちゃうな」


 エンデの地でリザードマン戦士の残党を討伐していた昌長らも、その統制のとれた軍陣を見て気持ちを引き締めるのだった。




 突如マーラバント軍が襲来した事で、戦支度で喧噪に包まれているサイカの町。

 民人は仕事を切り上げて帰宅を急ぎ、商人は商品を回収して戸を閉める。

 慌ただしく獣人の伝令やエルフの偵察兵が行き交い、ドワーフや平原人の重装歩兵が隊列を組んで外郭の守備に向かう。


 そんな喧噪とは無縁の、聖教国大使館。


 エウセビウスは書簡をしたため終えると、傍らに跪いていた聖教の伝令兵に出来上がったばかりの書簡を手渡した。


「重要な物だ、必ずグレゴリウス大神官様にお渡しせよ」

「はっ……」


 エウセビウスは言葉少なく応じると踵を返した伝令兵を侮蔑の顔で見送る。

 彼らは聖教徒だが、真っ当な聖教徒ではない。

 聖教では獣人やエルフなどの身のこなしの優れた異人種の中から、特に身体能力に優れた者達を選別し、神術で洗脳して陰働きをさせているのだ。

 もちろん彼らが奴隷である事は言うまでもない。

 男が消えるのを待ってから、エウセビウスは手元に残された書簡を開いて溜息をついた。


「……大神官様も酷な指示をお出しになるものだわい」


 そう愚痴めいた独り言を言うエウセビウスの傍らに、女神官のエクセリアが苦々しげに言う。


「蜥蜴人共が攻め寄せてきたようです……この危急の時に、大神官様が本当にこの国を乗っ取りあそばすおつもりなのですか?」

「……書簡にはそうあるな。その手始めに審問官としてカンナビス上神官がこの地に派遣されてくるそうだ」

「えっ?」


 エウセビウスの言葉に、エクセリアが驚きで目を見開く。

 カンナビスは上神官ではあるが、決して優秀な男ではない。

 むしろ今まではグレゴリウスから遠ざけられていた者だ。


「……あの男がやって来るですか?」

「おお、何やら大神官様から直々に御技を授けられたようだぞ。そのカンナビスが来る」

「……余計な事を。あの男が来ても何かが進展するとは思えません」


 厳しい表情で厳しい言葉を吐くエクセリアに、エウセビウスは大きな腹を揺すって笑うと、ゆっくりと諭すように言葉を継いだ。


「しかし月霜銃士爵を混乱させる事は出来よう……あのような無能者に交渉が出来るとはわしも思わぬが、大神官様も月霜銃士爵領の混乱を望んでいるようだからのう、そう言う意味では適任かも知れん」

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