魔族の勇者の誕生
薄暗く、陽の光もない地にある浮遊城ー
そこは"魔王城"である。
そして今勇者が誕生した。
「ルシフェルよ、お前を今から勇者に任命する。」
「は?」
そんは間の抜けた返事が魔王城の一室で木霊する。
「なんだ聞こえなかったのか?」
そんな呆れた様子で聞き返すのはー
「いやいや聞こえましたけど!正気ですか!?魔王様!!!」
"魔王"だった。
「この我が嘘を抜かしたことがあるか?」
「いえ、ありませんけど…」
「では何が不満だというのだ!!」
呆れたような表情ながらも、ハッキリとしないルシフェルに声色を少しだけ荒らげながらも問うー
「いや…魔族なのに"勇者"というのはちょっと…」
「勇者とは勇ましい者という意味ではないのか?」
「いや!人族にも勇者がいますから!!」
「それのなにが嫌なんだ?」
「被るのはちょっと…嫌かな?って…」
「なるほど…」
少しだけ悩むとはっと思いついた表情になる魔王──
「なら、魔者にするか!」
「絶対に嫌ですよ?!読み方によっては完全に"魔物"ですし!!第1ダサいです!」
魔者という呼ばれ方をルシフェルは拒否する。だが──
「もう思いつかないから魔者ルシフェルで登録するぞ」
「あ、ちょま──」
"登録"とはその者が持つ特殊な効果のある武器や魔法使いの持つ杖や衣服にその者の2つ名や異名、職種などと一緒に名前を書くというものだ。(鍛冶屋 ドワーフなど)
"登録"をするとその者以外が使用してもなまくら以下の力しか出せないが、その所有者が使うと本来の2倍以上の力が出る。という"契約の魔法"に近いものだ。
そして、、、1度登録をすると消せない──
「よし、登録をしたぞ──おい、どうした?」
「あ、あぁぁ…」
ルシフェルは青ざめ、ガタガタと振るえ、声は細くなっていた。そして──
「おーい、ルシフェル大丈夫か??」
「おい!サタン!!!な、何してくれてんだよ!!!!!」
と悲痛に叫び、その叫び声が城中に響いた。
こんばんは葵かるらです。
この作品は明日の昼に書いて投稿しようと思ったのですが、眠気が飛んで時間ができたので今書いて出すことにしました。
この作品の続も2021年にだすので是非待っていてください!