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コンクリートジャングルオブハザード  作者: バッド
14章 北海道に行こう
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185話 空の旅をするおっさん少女。

 高高度に浮かぶ空中戦艦。全長3キロの超大型戦艦である。量子システム搭載の現代科学を上回る科学力で建造された超戦艦だ。ゲーム仕様であるため、まるでスズメが飛んでいるかのように周りには影響を出さない。それは戦艦上も同じであり、甲板もそよ風程度しか立っている人間には感じない。しかも空気が薄くなることもなく気圧も地上と変わらないという不思議戦艦だ。


 その甲板にはワイワイと少女たちが集まっていた。一名中身詐欺かもしれないが。


 集まっている少女たちは様々な美少女たちである。いつも元気一杯で人懐こそうなナナ、無表情に見えて、厨二病なリィズ、大和撫子な穂香、僕っ娘の晶、ツンデレ褐色少女の叶得、そして一際可愛らしい子猫を思わせる小柄なレキである。おっさ………。


 もはや三文字程度で中身の話は良いだろう。意見、抗議は受け付けません。


「ふぉぉぉぉぉ!」


 リィズが最近よく変身する怪人ふぉぉになって、手すりにしがみついて興奮して頬を真っ赤にしながら叫んでいる。手すりから乗り出しているので、危なかっしいから監視必須の困ったちゃんだ。


 まぁ、気持ちはわかるけどねと、おっさん少女はリィズを見守りながら内心で呟く。


 他の少女たちも手すりにしがみついて、地上や空を眺めて感激している。遥だって、初めてこの戦艦に乗ったら感動するのは間違いない。なにしろ現代科学では絶対に不可能な戦艦だ。しかも空を航行しているのであるからして。


 これで興奮するなと言う方が無理であろう。

 

 だからこそ、遥は決意した。


 絶対に空中戦艦の名前はバレないようにしようと。


 スズメダッシュですよ、お客さん? 感動している少女たちに名前を伝えたら、それまでの感動を全て打ち消して、落胆してがっかりして、この船にたいする期待感が薄れることは間違いない。


 なので、この戦艦の名前は遥たちしか知らないで良いのだ。そこに妥協はない。


「はぁ〜、これは凄いね、レキちゃん。地上から眺めたときより、全然迫力満点だよ」


 感心しきりにナナがおっさん少女へと顔を向けて言ってくる。


「そうだよね〜。僕、生きていてまさか空中戦艦に乗る日が来るとは思っていなかったよ」


 晶も手を周りへと振って、瞳に興奮を宿して言う。


「そうですね。こんな巨大な戦艦があれば、もうなにも怖くはないですよね」


 おっとりと頬に手をそえて、穂香が周りを見渡しながら追随する。


「ねぇねぇ、この砲台の素材って、なにでできているの? ううん、まずはこの船のエンジンね。あとで見せてよ!」


 景色ではなく、空中戦艦自体に興味津々な叶得。


「ふぉぉ、ふぉぉ、ふぉぉ」


 リィズは興奮しすぎていて、言葉が発せないらしかった。


「ふふふ、大樹の誇る空中戦艦です。これさえあれば有象無象の敵は殲滅できます。あとは強敵を私が倒せばすむという話ですね」


 両手を腰にあてて平坦なる胸をはり、ドヤ顔で空中戦艦に乗って感動している少女たちへ嬉しそうに答える。胸をはりすぎて、後ろにひっくり返るかもしれない小柄なおっさん少女。


 ナナは少女という歳ではないが、それを言うとおっさん少女の中身は何歳だという話にもなるので、少女のくくりに一応入れておいた。


 ちなみに椎菜たちは来られなかった。自営業の水無月姉妹やリィズ、叶得は一週間の休暇を取れるが、銀行員となった椎菜や牧畜業に精を出す早苗は無理であった。


 確かに普通は無理な相談だ。自営業だって、金がないと一週間も休めないが、金持ちな水無月姉妹や稼いでいる叶得にとっては問題ないことであった。ちょっと羨ましい。崩壊前なら妬んでいたのが簡単に想像できる。なにしろ一週間の休暇なんて、夢のまた夢だからして。


「うんうん、もうレキちゃんが戦うことも少なくなってくるんだね。戦うことが無くなったら一緒に住む日も近いね」


「むむ、妹と住む日も近くなるとは素晴らしい。レキ、私にも戦艦を一隻頂戴。小さいので良いから」


 嬉しそうに頷きながら、輝くような明るい笑顔でナナが伝えてくる。リィズはそれにのって興奮しながらの、ドサクサ紛れに凄い希望だ。最近多いナナの怒涛の一緒に住もうアピールである。おっさん少女はタジタジとなる。こんなに熱烈にアピールされたことは生まれてこの方ない。その元気パワーは光溢れるものであった。


「まぁ、それはともかくとして、一週間の旅行を楽しんでいってくださいね」


 こほんと可愛く小さな咳払いをして、ごまかしながらも、小首を傾げて愛らしい笑顔でおっさん少女は少女たちを歓迎するのであった。




 眼下に見える海上を航行する高速輸送艦ホタテのスピードに合わせて、航行を空中戦艦はしている。ホタテも高速輸送艦と名前がついているだけあり、その速度は時速600キロまで出せるホバークラフト艦だ。ゲーム仕様なので、もちろん海水の反発力やら慣性の法則は受けない。防衛隊は全員ホタテに搭乗している。


 そしてスズメダッシュはというと、少女ばかりのハーレム状態だ。惜しむらくはおっさんボディだとこの状況にはならないため、会話したり、眺めたりと愛でるだけに終わるということだけになるだろう。


 まぁ、それでも嬉しい。というか、深い関係には、この子供な身体では絶対にならないだろうから、愛でて一緒に遊ぶだけでも良い。既に悟りの域に入っているおっさん少女であった。


「海ばっかり見ていても仕方ないわ! 見えるのは下の輸送艦だけだしねっ! 戦艦内を探検するわよっ!」


 早くも風景を見飽きたらしい叶得が腰に手をあてて、ムフンと息を吐いて、キラキラとした瞳で提案する。


「ん、いずれ搭乗員になるリィズには下見が必要。探検につきあう」


「僕も行くよっ。こんなに凄い戦艦内を見て回るなんて、考えただけでドキドキだしね」

 

「それでは皆さんで行きませんか? 大人数の方が楽しいですし」


 リィズは早くもここの搭乗員になる夢を持ったらしい。子供らしくて良いと思う。晶も腕をふり笑顔で賛成する。穂香が皆で行きましょうと、穂香らしい提案をするので


「そうですねぇ………」


 眼下にある海上を航行しているホタテを見ながら、少しだけ考える。


 ホタテの甲板にはイーシャが景色を眺めるために、外に出ており、ゴリラたちがその周りを群がっている。あれはなんだろうなと苦笑しながら返事をした。


「いいですよ。私も完全には見て回っていませんし」


 にっこりとひまわりのような明るい笑顔で賛成をする。実は遥は戦艦内を完全どころか、全然見て回っていない。だって広すぎる。必要な場所しか面倒で、行きたくなかったのだ。それはサラリーマンが家と会社を行き来するのみで、周辺を探索しないとか、スカイタワーが建っても、地元民は行かないとかに似ていた。


 ナナも賛成したので、叶得は楽しそうに腕を振り上げた。


「よし! 叶得探検隊出発よ!」


 おぉ〜と周りの少女たちは感嘆する。それは賛成の声ではなく、いつもと全く違う叶得に感嘆したのだった。それだけ叶得のテンションはマックスであった。


 その反応に気づいて、顔を耳まで真っ赤にする叶得。自分でも子供っぽくって、恥ずかしいと思ったのだろう。


「なによっ! テンション上がったら悪い? あ〜、テンションマックスだったわよ!」


 羞恥を誤魔化すために、怒鳴る叶得を周りはニヤニヤと口元をほころばせ、生暖かい目で見るのであった。




 全長3キロの船体は伊達ではない。もはや遠足である。船内を簡単に見て回るなんてレベルではない。しかも階層ごとに分かれているので、1日かけても見て回ることは不可能だ。


 なので、希望の場所から行くことになった。空中戦艦を通る無重力トラムを使い高速移動する。通常の通路とは別に存在している無重力トラムはパイプ状の通路で、その名の通り通路は無重力となり、移動には音速のブーストがかかる。Gがかかることも衝突も防ぐ安全装置の役目と動きのサポートをする泡が通路に入ると同時に各個人を包み移動するシステムだ。


 ぶっちゃけゲーム仕様だからでしょと遥はツッコミを入れたいが、ロマン溢れる未来的な通路なので我慢する。それに実際に凄い楽しい。夢のまた夢だと思っていた映画でしか見ないようなシステムだ。


「決めた! リィズは絶対にこの戦艦の搭乗員になる!」


 怪人ふぉぉは、トラムを使って高速移動しただけで、ぴょんぴょん軽くスキップしながら宣言した。気持ちは充分すぎるほどわかる。きっと他のどんな子供でも、リィズと同じことを言うのではないか。


「まぁまぁ、まだ移動しただけだよ、リィズちゃん。ここからが本番だよね」


 ルンルンと鼻歌を歌い晶がリィズを見る。皆楽しそうである。遥も楽しい。というか、無重力トラムを使うのは遥も初めてである。もはや気分は遊園地に来た子供だ。


「ポップコーンとジュースを用意しましょうか? 喉が乾きますし」


 ウキウキとそんな、アホなことを提案するいつものおっさん少女。


「あ、私も水筒持ってきたよ」


 肩掛けバッグから水筒を取り出すナナ。見れば軍用の鉄製のごついやつだ。全く可愛げがない。


「麦茶に砂糖を入れてきたんだよ」


 ニコニコとそんなことをおっしゃるナナはいったい何歳なのかな?


「わたくしもお茶を入れてきました」

「私は水ねっ!」

「僕はスポーツドリンク」

「ん、オレンジジュースを入れてきた」


 なんと、みんな水筒を取り出してくる。しかも全員鉄製のごついやつ。流行っているのだろうか。


 むむむ、私は手ぶらだと焦るおっさん少女。このままでは仲間外れになってしまう。


 そうだと、紅葉のような可愛いおててをぽんとうって、アイテムポーチから取り出す。


「私は疲労回復薬を持っています」


 楽しい遠足に薬を持ち出すおっさん少女であった。飲める物は回復薬しかないので仕方ないと取り出したのだ。本当に仕方ないのかは、おっさん少女の頭の中を見てみないと不明である。


「はいはい、遠足にそういう薬は禁止だからね。これは没収しま〜す」


 ナナは楽しげな笑顔で、ひょいと遥の手から疲労回復薬を取りあげてしまう。あぁ〜と、軽く嘆く遥であった。




 最初の目的地は格納庫である。機動兵器が見たいと叶得とリィズがごねた。その気持ちもわかるし、最初の見物先では、まぁまぁの場所だ。なにしろ機動兵器である。ロマン溢れすぎて零れるレベル。


 ランランと足取り軽く、スキップしながら格納庫へと入った一行。


「おぉ〜!」


 格納庫に入った全員が驚きで唱和する。それだけの威容であった。


 広々とした無重力空間となっている格納庫。そこには戦闘機からヘリ、戦車などが格納されており、大勢の作業員が浮遊する丸いボードに乗ってメンテナンスをしていたり、空中に投影されているモニターを見ながら話し合っていた。


「わぁ、これは………すごいですね……」

「ほぇ〜。僕たち、映画の中に迷い込んだのかな?」

「ふぉぉ、ふぉぉ」

「ふんっ! まぁまぁ凄いじゃない! ちょっとあの人たちに話を聞いてみていい?」

「これだけあれば、レキちゃんが戦うことも、もう必要ないんじゃないかな?」


 それぞれが感嘆して、様々な感想を言う。


「凄いですよね。この格納庫だけでもちょっとした町にできそうです」


 遥も同じように驚きながら、感動していた。このおっさん少女は司令官ではなかっただろうか。


 そして、この大勢の作業員。実はドローンがほとんどで、ホログラフィで人に見えるだけだ。遥たちの近くにいる人々が本物の人、というか、ツヴァイたち。


 なにせ全長3キロの空中戦艦だ。ほとんど乗員がいないのは不自然すぎるので、苦肉の策である。アイデアはハカリが考えたのであった。


 他の区間も既にツヴァイたちがスタンバっている。なんか学芸会の劇のような気分もするおっさん少女であった。舞台はくるくると変えていっているが、場所ならぬ人々は同じという感じ。


 止める間もなく、叶得とリィズが飛び出して格納庫の無重力空間へと身体を飛翔させる。この凄い風景に我慢できなかったらしい。


 だが、無重力空間であるし、先程の無重力トラムのように泡でのサポートもない。そして空間の広さが段違いだ。


 そんな場所で準備もなく跳び上がるとどうなるかというと


「きゃぁ〜」


「ふぉぉ、ふぉぉ」


 二人共、無重力空間でくるくると身体を回転させたのである。アニメでこんな光景見たことあるよと苦笑しながら助けに飛翔する。体術スキルのサポートがあれば楽勝である。あと、意外なことに泳術スキルも働いた。確かに宇宙遊泳とはいうけれども。


 ほいっと叶得の身体を受け止めてあげる。くるくると回転していた叶得はホッとした表情になる。


 リィズは止めなくてもいいかもしれない。なんだか回転している自分を凄い楽しんでいるように見える。というか、さっきから彼女はふぉぉとしか言ってないのではないだろうか。


 まぁ、それでも止めないとねと、リィズも受け止めて格納庫の扉前に手を引っ張って戻る。フヨフヨと浮きながら移動する様は宇宙にきているようだ。


 こんな感触も良いねと、ウキウキと機嫌良く戻って床に足をつける。


「ふ〜。驚いたわ。まさか無重力がこんなに動きにくいなんてね」


「ふぉぉ、ふぉぉ」


 叶得がない胸を撫で下ろして、ホッと安心する。リィズは言語機能に異常をきたしたのだろうか。


「この姿勢制御ベルトをつければ、歩く速度ですが自由に移動できます。はい、どうぞ」


 格納庫の扉前に、ズラリとぶら下がっていたベルトを各自に渡す。もちろん遥も使ったことはない。只今、絶賛ウィンドウ越しにアンチョコナインに教えてもらいながらの発言なことは内緒だ。


 ほうほうと感心しながら、みんながカチャカチャと取り付けて、格納庫へと飛翔する。今度はくるくると回転することもなく、歩く速度であるが移動する少女たち。


「はぁ〜。これはすごい体験だぁ。僕、帰ったらお客さんに自慢しようっと」


「これは貴重な体験ですね。まさか崩壊した世界でこんな体験をするとは思いもしませんでした」


 晶も穂香もさっきから感動しっぱなしで、周りを観賞していた。


「なんだか、アトラクションみたいな感じだね」


 ナナも感動しながら、周りを確認している。


 戦車や戦闘機をフヨフヨと浮きながら眺めて移動していると


「ん、レキ、あれはなに?」


 リィズが格納庫の端っこを指差す。なにか気になるものを見つけたのだろう。遥が視線を向けて納得する。


「あれはパワードスーツですね。ただし旧型です。一見すると、ただの戦闘服に見えますが。それと試作で廃止になったバイクです」


 そこには黒い戦闘服がハンガーにかけられてポツンと置いてあり、隣にはタイヤの無いバイクがあった。バイクには後部に大型バルカンが搭載されている。


「なんで、廃止?」


 首を傾げてリィズが答える。壊れたところもないから不思議なのだろう。


「戦闘服は装着者の体型に合わせて装備されます。ただし、効果がしょぼいんです。装着者の身体能力に合わせたパワーを出せるのですが……。上限が低いというか、私にはついていけないパワードスーツでしたので、使わなかったんです。低燃費で良いと思ったのですが……」


 せっかく作ったパワードスーツ。ここに来る少し前に暇だったので、装備一覧リストを眺めてゴロゴロしていた。その時に見つけた装備品だ。


 効果は装着者の身体能力に合わせたパワーを発揮と書いてあったので、コストも凄い安かったし、これは凄いねと作ったのであった。作ったあとにテキストをスクロールさせたら、能力上限値30と書いてあったので投げ捨てようかと思ったが。そして普通のパワードスーツのほうが強かった……。世の中美味い話はないというわけだ。


「バイクの方は?」


 叶得がバイクをペタペタと触りながら、問いかけてくる。


「それも持ち主の身体能力に合わせてパワーアップするバイクだったんです……。やっぱり上限値付きでした。後部には操縦者の視線誘導で射撃可能な大型バルカンもつけたんです………。エアーバイクで落下ダメージゼロの慣性無効化システムが搭載されている空中を飛翔できる夢のバイクだったのですが、戦闘服と同じ運命を辿りました。装甲タイルもつけたんですけどねぇ」


 最大時速300キロしか出せないバイクに用は無い。遅すぎるのだからして。偽装して北海道内部に行くにはタイヤは必須だろうし。なので、内部に行くときはタイヤ付きの一見ボロいバイクを作成していくつもりだ。


「それじゃ、このまま廃棄?」


 もったいなさそうな表情を浮かべる晶。使わないとなれば廃棄するのだろうかと考えたのであろう。


「いえ、このまま飾るだけになるでしょう。せっかく作ったのですし」


 かぶりをふって残念がる遥。ちゃんと作る前にテキスト読んでおけば良かったと悔やむ装備たちだ。説明書を読まない遥がたまにやることである。凄い名前と攻撃力だと思って作ったら、付与効果がまるでなくて、倉庫の肥やしになるというパターンは過去ゲームでよくやった行動だ。もちろん、廃棄になんてしないよ。ちゃんと飾っておきます。


「ふ〜ん? 誰でも使えるの?」


 つんつんとバイクをつつきながら、叶得が欲しそうな顔で聞いてくる。


「たしかにこの装備群はサポートAI搭載の機械操作の知識も必要ないお安い物です。登録システムはオフにしてあるので誰でも使えますよ。でも、あげませ〜ん」


「えぇっ! なんでよ! 頂戴よ!」


 遥の返答に顔を近づけて詰め寄る叶得。貰えると思ったみたいだ。


 ちょっと顔が近いですよ叶得さんと、照れながらも答える。


「だって、叶得さん、こんなバイク手に入れたらミュータントがいる場所までドライブしそうですからね。結果がわかっているのにあげられませ〜ん」


 砂イカダで砂漠を横断していた娘なのだ。絶対に危険なことをやると予想できる。


「そんな〜。頂戴よ〜」


「はいはい、次の場所へ行きますよ〜」

 

 拗ねる叶得の手を掴んで、無理やり移動を開始する。まだまだ見たい場所はあるのだ。遥も見ていない場所がたくさんあるのだ。移動するべしと格納庫を出ていこうとする。


 そこで、ナナが立ち止まっていることに気づいた。なんかバイクとかが置いてあった場所をぼんやりと見ている。


「どうかしましたか? ナナさん」


 遥の問いかけにハッとなり、こちらへと急いで来ながら


「ううん、なんでもないよ。ちょっと気になっただけ……」


 ナナもあの装備が欲しいのかなと思いながら、おっさん少女は次の場所へと移動するのであった。

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