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第42話「海水浴」

 やってきました青い空! 白い? 海! オレはこの日のために購入した水色のハーフパンツ型の水着を身に着け日焼け止めを塗った状態で櫻井さんを待っていた。下に着てきてはいるらしいのだけれど恥ずかしくて心の準備がいるとのことだ。


 そう! 櫻井さんを海水浴に誘うのに成功したのだ! ! 「おかし」の「し」から「シー」すなわち「海」とさも今思いついたように話題に出したのが功を奏したようだ。


 この日のために筋トレで鍛えた体を撫でる。筋トレの成果あって腕は力こぶが出るようになり腹筋も力を入れれば割れているようにみえるようにまで筋肉がついていた。


 これで櫻井さんがナンパされても彼女を守ることが出来る! と思ったが幸か不幸か家族連れか小学生位の子供たちしかおらずそんな心配は無用そうだ。


「お待たせ、振り向いても良いよ」


 許可が出たので振り向く準備をする。この日のためにオレはグラビア水着の写真を漁り水着には完璧に耐性をつけていた。


これまでなら櫻井さんの水着で「おあああああああああああ!!!」となっていたところを少なくとも「おああああああああ!!」位までには抑えられるはずだ。


「今のオレならいける」


 そう自分に言い聞かせて覚悟を決めて振り向いた。


 おあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! ! ! ! !


 いつの間に現れパラソルをセットしていた斎藤さんが気にならないほど櫻井さんの水着姿は美しかった。大きすぎず小さすぎもしない胸を支える水色の水着! 更に服を脱いでわかる彼女のスタイルの良さ! そして恥ずかしくて顔を赤らめて彼女の顔! 全てが最高に美しかった。


「どう……かな? 」


「凄く似合っているよ、美しいよ櫻井さん」


 即答だった。今の彼女を言葉で表すなら「美しい」これに尽きる!


「それで、何して遊ぼうか? 」


 彼女が尋ねる。オレはそれを聞いて待ってましたとばかりに用意していた2丁の水鉄砲を取り出す。


「これで遊ぼうか、顔面は禁止で先に相手の身体に当てたほうが勝ち。負けた方は良識の範囲で相手の言うことを聞くって罰ゲームアリで」


「面白そうだね、一度こういう遊びやってみたかったんだ」


 彼女はあっさり快諾した。2人で海へと入っていく。サンサンと輝く太陽に照らされ熱くなったた肌に冷たい水が心地良い。サンダルを脱ぐと砂浜が熱くて地獄なのでこの日のためにサンダルはビーチサンダルではない! 彼女もそれを意識したのかこの前のビーチサンダルとは異なりしっかりと二重にとめるタイプのものだった。


 勿論、オレが用意したからには無策なんて言うことはない。この日のために昔遊んでいたエアガンを引っ張り出して練習をしていた。今のオレは必ず彼女の身体に命中させることができるだろう!


「じゃあ、西部劇みたいに後ろ向いて3歩歩いたら開始ってことで」


 櫻井さんが笑顔で頷いたのでオレは彼女に背を向ける、彼女も背を向けたのが水の音で分かった。


「1! 」


 ふふふ、楽しみだよ櫻井さん。


 勝利を確信したオレは不敵に笑う。


 良識の範囲つまり斎藤さんがみて微笑ましいという範囲内。そこに収まるであろうお願いは既に考えてきた!


 それは……お姫様抱っこをさせてもらう! ! !


 お姫様抱っこなら斎藤さんも許してくれるだろうし何より格好良く持ち上げて頼りになるところをみせたい!


「2! 」


 そういえば、彼女のどこを狙えば良いのだろうか? 顔はダメで胸……もマズいだろう。ならば指だ!指を凄腕のガンマンが銃を弾き飛ばす時のようにして狙おう! それにしても間一髪のところで重要なことに気付けて良かった。ここで気がつかなかったらいざというときに迷って負けていただろう。


 だが、もうそうはいかない! もはやオレの勝利は揺るぎない!


「3! 」


 3カウントと同時に3歩目で砂を踏みしめたオレはすぐさま回れ右をして振り向きぎこちなく振り向いた彼女の指に照準を合わせ引き金を引く…………も水が出なかった。


 しまった! 弾(水)を込めるの忘れてたああああああああああああああああああああああ! ! !


 慌てて水を込めようとするオレのみぞおちを彼女は正確に撃ち抜いた。


「やった! 私の勝ち! ! 修三君になにしてもらおうかな~」


 あっぱれ櫻井さん、その美貌によりこのオレに初歩的なミスを誘発させるとは…………


 オレは西部劇でやられた悪役のように胸元を抑え倒れこんだ。





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