1話 空虚な少年
初投稿です。プロローグのつもりだったんですけど、割と長くなっちゃったし、一応バトルものです。高校生の文章力なので書き方に違和感あるかもしれないです。
毎日同じ通学路を歩いて、毎日同じ校門をくぐり、毎日同じ席に着き、毎日同じ声を聞き、毎日同じクラスメイトと授業を受け、また【毎日】が始まる。
「気持ち悪い……」
ただひたすらにそう感じるのだった。比喩ではなく純粋に不快感が募るのである。
周りの生徒は何故こんなにも、楽しそうに、眠そうに、笑ったりしていれるのだろう……
こんな無限ループのような世界に何故平気な顔でいられるのか、この17年間生きてきて常日頃の疑問である。
いっそ北朝鮮やらなんやらがミサイルをぶち込めばこいつらも鬼気迫る表情になってくれるのではないかと思考する。
しかしそれは我ながら俺、北原 飾の突飛すぎる妄想にすぎない。
ふと窓ガラスに目を向けて自嘲的に薄笑いをしているといつものように鋭い電撃の様な痛みが頭に走る。
「いッッて」
頭の痛みは収まらず鼓動の様に一定に痛みが続く。
こうなれば暫くはこのままだ、こんな状態では授業を受け続ける気にもならない。
幸い今の時間は担任の間藤先生の授業であったため抜け出すのに気を遣わずに済む。これが数学教師や世界史教師だとそうもいかないが……
「すみません先生……頭が痛いんで保健室に行ってきます。」
俺は事務的に要件を伝えて、担任が首を縦に振り了承したのをみて教室を出ようとする。
するとまたいつもの様にあるクラスメイトから小さい声が聞こえる
「またあいつ仮病で保健室いくみたいだぜ?」
「機械のくせに頭が痛いんだとよ」
「おいおいやめてやれよ〜〜」
ケラケラと白々しくもそいつらは俺を嘲笑っている、がなんとも思わない。本当に自分は機械にでもなってしまったのかと自分で自分が嫌になる。
しかし自己嫌悪しても、有象無象共に反論しても意味がないことは想像すれば容易であるため、見事なまでにスルーをして俺は教室をでて保健室へ向かう。
トントン、と木製の扉の軽快な音が廊下に響きわたる。
「失礼します、北原です」
保健室に着いた俺はあいも変わらずいつもの様に入って軽く会釈をする。
「あら北原くん、また頭痛?あなたも大変ね」
明るく年若い彼女、恵比寿先生は本当に心配している様な声色で俺に話しかけきた。
「いや、いつもの事なんで今更なんとも思っていないですよ、ん? 俺も?」
些細な違和感を感じて先生の側を二度見する。そこには似つかわしくない人物が自分の体温を測っている最中であった。
成績優秀、容姿端麗、校内ではいつもトップの成績を取り、しっとりとまとまったロングな黒髪にぱっちりと大きく開いている目。
少し長めのスカートは逆に清楚感を漂わせ、一目見たら脳裏に焼き付いてしまう。
誰からどうみても非の打ち所がない才色兼備な金成 舞の姿がそこにはあった。
そう彼女はどこにいても注目の的である。彼女と顔を合わせる事で喜ぶ男子は大勢いる事だろう。
だが俺は最も彼女には会いたくなかった。会ってしまったら、気づいてしまう、思い知ってしまう、痛感してしまう、認めないといけなくなってしまう。
《特別》な人間とそうはなれない自分に。