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捨て石同然で異世界に放り込まれたので生き残るために戦わざるえなくなった  作者: よぎそーと
五章

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第80空間 新たな技術と可能性

 伝えるべき事は自動車だけではない。

 10万点で見えてきた様々な技術や道具についても伝える必要がある。

 そういった新たな発見は、この集団の今後に大きな影響を与えるはずだからだ。

 実際、カズアキ達は自動車の存在と同じかそれ以上に驚いていった。



「超能力でありますか」

「それは考えなかったなあ」

 トモキの話を聞いたカズアキとテルオは、他の者達と同じように驚いていた。

「車が出て来ただけでもおどろいたけど、そんなものまであるとはねえ」

「銃もありますし。

 色々と予想外でござる」

「もうちょっと原始的というか、あまり発展してないくらいの段階なのかなって思ってたけど、そうでもないのかもね」

「まあ、前から電化製品が購入出来る物品に表示されてたので、それもそうなんだろうなとも思うでありますが」

 それでも意外ではあった。

「この世界、もっと文明水準が低いと思ってたでありますが」

「最初に渡されたのが剣と鎧とかだったからね。

 買える物もそんなにたいそうなものはなかったし」

 貢献度を貯める事で様々な物品が見えてきたが、レベルを上げる事を優先していたので1万点以上を貯める事がなかなか無かった。

 それだけ貢献度を貯めるにも、まずはある程度の強さに到達せねば難しかったのもある。

 これ以上レベルを上げなくても問題は無い、という段階になるまで、とにかく成長が優先だった。

 そうしないとモンスターに対抗できないから仕方が無い。

 貯めるという選択が出来るようになったのは、あくまで成長を後回しに、あるいは停止しても問題がなくなったからだ。

 それでようやく様々な道具がある事が分かって来たのである。

 だからこそ、比較的簡単に手に入れる事が出来る、さして技術水準が高くない道具しか目にする機会が無かった。

 もちろん鉄製品などはあったし、それらを製造するなら相応の技術力は必要になる。

 しかし、近代や現代に比べれば、技術水準が高いとは言えないだろう。

 トモキ達が技術水準を低く見積もるのも必然的な流れと言えた。



「思ったより文明の水準は高いのかもしれぬでありますな」

 入手出来る物品の一覧からカズアキはそう考えていった。

「手に入れるのが手間だというだけで、全く存在しないわけではありませぬ」

「そうだね。

 かなり現代に近い道具はあるみたいだよね」

 手に入れる事が出来れば、様々な場面で大きな違いが出て来るだろう。

 生活にしろ生産にしろ、モンスター退治にしろ、あれば役立つものが揃っている。

「上手くいけば、もの凄く文化的な生活を手に入れる事が出来そうでありますな」

 初期投資としてかなりの貢献度が必要になる。

 それに、技術者の育成も必要になる。

 そう簡単にはいかないだろう。

 だが、全てをゼロから始めるわけではない。

 有利にすすめていけるだけの土台を手に入れる事が出来る。

 それらがここでの生活をより便利にしていってくれる可能性がある。

 実際に、車一台でもかなりの利点を提示してくれている。

 今までより広い範囲の探索が可能になっている。

 狭い範囲でならば、短時間で行きたい場所に向かう事が出来るようになる。

 他の設備が手に入れば、更に作業や生活が楽になる。

 前から言われていた事であるが、それがより一層現実味を帯びてきていた。



「ただ、超能力とかは予想外だったね」

 技術的なものだけでなく、能力的な部分での新発見も驚きをもたらしている。

「まあ、こんな不可解な場所があるんだし、何があってもおかしくないんだろうけど」

 現実にはありえないような世界の中にいる。

 そこにどういう事か連れ込まれている。

 それを考えれば、どんな不思議があってもおかしくはない。

 超能力といったものもその一つである。

 ──そう思って自分達を納得させていく。



「ただ、どんな効果があるか分からない。

 10万点もかける意味があるかも分からない」

「そこまで貯めるのも大変でありますな」

「意味がないんなら、他の技術をあげたり機械を手に入れた方がいいしね」

 未知数なだけに評価が出来なかった。

 ものすごく便利かもしれないが、役に立たなかったらどうするのかと思ってしまう。

 また、成長すればともかくレベル1ではほとんど役に立たないだろうとも思えた。

 どんな技術でもレベル1では素人よりマシな程度だ。

 10万点でレベル1になっても、それほど大きな効果があるのかどうか。

「それに、この先成長させるにしても、10万点ずつ必要だとね」

「さすがにそれでは割にあわないでござる」

 一番の懸念はそこだった。

 現在、貢献度を10万点得るのに数ヶ月かかっている。

 トモキが言ったように、1人に稼ぎを集中させれば二ヶ月でどうにかなるだろうが、そうなると他の者が割を食う。

 現状でそれをやるには無理がありすぎた。

「それでも、手に入れてみないと分からないしなあ……」

 まず10万点を手に入れるのも大変だが、効果を知るには身につけるしかない。

「それはこっちでやってみるよ」

 今回もまずはトモキが確かめる事にした。



 まず、見つかった物についての周知がされていく。

 外に出てる者達は後回しになるが、この場にいる者達には伝えるようにしていく。

 更に、トモキが考えた方法も含めて、新たな道具の入手を考えていく事になる。

 さすがに稼ぎを偏らせる手段についてはまだ採用しないが、車や他の道具がある事と、それを目指す事も求めていく。

 新たな道具を用いる為の技術保有の必要性もうったえた。

 ただ、これらを推し進めていくにしても、現状の生活水準を暫く続けていく事にもなる。

 現状で頑張ってる者達はそのまま活動を下支えするよう求めた。

 料理や鍛冶、建築などの技術者には当面の生活を支えるてもらわねばならない。

 新技術が導入されればこれまで通りという事もなくなるだろうが、それでも今の状態を保つには彼等の力が必要である。

 それに、今後彼等の需要が落ち込む事があっても、完全になくなる事もないだろう。

 形を変えて必要になる場面が出て来るはずである。

 そうでなければ、新たな技術を得られるよう支援をして、新たな形で生活を支えてもらわねばならない。

 戦闘以外の技術を身につけた者達は、生活を支える貴重な戦力なのだから。

 その力をトモキ達は数ヶ月ぶりの帰還で目の当たりにする。

 明日19:00に更新予定。

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