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捨て石同然で異世界に放り込まれたので生き残るために戦わざるえなくなった  作者: よぎそーと
五章

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第76空間 新戦力

 五日後、トンネルの前に到着する。

 他のどことも変わりのない、大きな口をひらいたトンネルを前にして、トモキ達はしばし立ち止まった。

「ここからだな」

「はい……」

 幾分元気のないシュウジの声を聞きながら、トモキはステータス画面を開く。

 これから戦闘であるが、やるべき事がある。

 まったく何の準備もなし、というわけにはいかない。

 収納されてる物品から長柄の大鎌を選んで取り出す。

 これでモンスターを戦うというわけではない。

 1メートルを超える長い刃を持つこの鎌は、雑草を取り除くために欠かせない道具であった。

「そんじゃ、始めるか」

「はい」

 同じように大鎌を取り出したシュウジも頷いていく。

 どのあたりの草を刈るかを決めて、二人は作業に入っていった。



 丈の高い草で身を隠すのは常套手段であるが、そのままでは動きも阻害してしまう。

 その為、トンネル前の待ち伏せの前に、移動経路の部分だけは取り除いておくようにしていた。

 あくまで移動するための部分だけで良いので、トンネルを取り囲むように刈り取っていく。

 その部分をボウガンを持った射手が移動し、モンスターから見えないように攻撃を仕掛けるようにしていた。

 他にも、あえてトンネル前を綺麗にしておいて、接近戦の邪魔にならないようにもしていく。

 接近戦で決して負けないという前提があっての話だが、これも有効な手段ではあった。

 ただ、モンスターの動きを遮るものがなるくなるので、危険も大きくなる。

 ここは実力と相談して決める事になる。

 今のトモキにとっては、モンスターの動きよりも、自分の行動を妨げられる事の方が不利になる。

 その為、可能な限りトンネル前をならしておきたかった。

 足を取る雑草がないだけで、かなり楽に戦闘をこなしていける。



 そんな準備をある程度進めたところで、本日最初のモンスター達があらわれた。

 早速草の中に隠れた二人は、モンスターが射程に入るのを待った。

 それが順調にトモキ達の方に向かってきたところで、攻撃を開始する。

 定番のボウガンから始まった攻撃は、モンスターの突進を鈍らせていく。

 トモキとシュウジで十字になるように通っていく射線は、交点に存在していたモンスターを穿っていく。

 そこにトモキが突進し、刀で斬りつけていく。

 より鋭さを増したトモキの太刀筋は、モンスターの腕や足をほぼ一刀両断していく。

 トンネルから出て来た4体のモンスターは、攻撃が開始されてからほどなく動きを封じられた。

 そこにボウガンに矢をつがえたシュウジがやってきて、2体のモンスターの頭に矢を突き刺していく。

 トモキもうずくまったモンスターの首に刀を走らせ、頸動脈を断ち切っていく。

 手際よく倒されたモンスター達は、二人の貢献度に還元させられていった。



 そんな調子でトモキとシュウジはモンスターを次々に倒していく。

 とにかく稼ぎを増やそうとしていった。

 トモキは一覧に新たな物品が表示されるのを待って。

 シュウジはまずもって必要なレベルアップのために。

 二人とも己の求めるもののために励んでいった。

 多少きつくはあったが、やはりレベルのあがったトモキにとって、傷を負ったモンスターは大したものではない。

 シュウジの援護射撃もあって、戦闘そのものは思ったよりは楽に進める事が出来た。

 そんな二人にとって一番の悩みは、夜中の見張りの方だった。

 さすがにこれは二人ではきつい。

 今更どうしようもないが、早く仲間に合流したいと思う一番の理由になっていった。



 そんな調子で励みながら一ヶ月が過ぎ、トモキ達は一度顔を合わせる事になった。

 生存確認を兼ねて、これくらいの期間で合流する事にしていた。

 トモキの方から出向いて様子を見に行き、久しぶりの再開となる。

 お互い変わりないことを確かめ、稼いだ貢献度とそれによる成長を見せつけあう。

 そんな中でトモキは、仲間にもう少し時間をくれと告げる。

「あと一ヶ月。

 とりあえずそれでどうだ」

 言いながら購入可能品一覧を見せる。

 以前より格段に増えた物品は、この世界に来てから見る事の無かったものが並んでる。

 今の時点でもかなりのものである。 

 トモキはその更に先を見たいという。

「あと一ヶ月頑張っても大して変わらないかもしれない。

 でも、もう一ヶ月だけ粘ってみたい」

 それを聞いて他の者も考える。

「どうする」

「まあ、一ヶ月なら」

「急ぐでもないし」

「俺らもレベルを上げられるけど」

 悪い話ではない。

 彼等も出来るだけ貢献度を稼いでおきたいと考えている。

 探索や探険が遅れはするが、それもあと一ヶ月なら許容範囲と言える。

 昨年に比べれば短いものだ。

「まあ、かまわんですよ」

「俺らももうちょっと粘りたいし」

 そんな言葉が出てくる。

「じゃあ、また一ヶ月後」

 そういってトモキはシュウジを連れていく。

 続く一ヶ月、更なる努力を強いられる事になるが、それでも彼等は己の為にとモンスターに挑んでいく。



「でも、トモキさん」

「なんだ」

「また一ヶ月、見張りが大変になりますよ」

「まあ、それは……すまん」

「はあ……」

 色々と問題はあるが、得られるものに注視して負担の方は極力無視する事にした。



 そして、更に一ヶ月。

 トモキは新しい足で駆けながら仲間のところへと向かう。

 その足音を聞いた四人は、驚きながら迎えていく。

「おう、皆。

 これを見てくれ!」

 近づいていく仲間に手を振りながら叫ぶトモキは、見下ろす形で仲間に大きな声をかけていった。

 天井がないから腕を振り回しても問題は無い。

 襲われた時を考えると、防備のないこんな状態が不安ではある。

 しかし、今はそんな事は後回しである。

 歩けばかなり手間取る距離をほんの一時間余りで走破した事が嬉しい。

 路面状態の悪さも今は気にならない。

 タイヤから椅子に伝わってくる震動がともかく懐かしく感じられた。

 それは隣に座ってるシュウジも同じで、視線の高さと通り過ぎていく風景の早さに感動している。

 見ている四人はそれどころではなかった。

 唖然としてトモキ達が目の前までくるのを見つめている。

 ようやく正気を取り戻したのは、トモキ達が目の前に降りてきてからだ。

「……どうしたんですか、これ」

 代表するようにマサタカが質問をする。

 そんな彼にトモキは満面の笑みを浮かべて答えた。

「凄いだろ」

 自慢したくて仕方ない、といった雰囲気を周囲に満遍なく振りまいていく。



 それはこの一ヶ月の成果だった。

 オフロード仕様の四輪駆動車。

 求めていた足を、トモキはようやく手に入れた。

 ファンタジーだし異世界だし、何でもありということで。



 そして、明日19:00に続きを。

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