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捨て石同然で異世界に放り込まれたので生き残るために戦わざるえなくなった  作者: よぎそーと
四章

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第64空間 単純な戦力増強とその結果

 考えがどれだけ実用的なのかは実際にやるまで分からない。

 前例があればそれを参考に出来るが、それも無いとなるとほぼいきあたりばったりになる。

 どれほど緻密に考え、計算を積み重ねてとしても、想定外が何かしら潜んでいる。

 だから、実際に試してみるときは、まずは小さな所からやっていくのが無難である。

 トモキはまず一体で動いてるモンスターを相手にそれを試していった。

 実際にやるのは新人二人が被害を受けないよう気をつけながら。

 幸いな事に試しに行った事は概ね上手くいき、思いつきはなかなか良い滑り出しをしていった。

 これならいけるかと思ったトモキは、あらためて二人を連れてモンスター退治に赴いていった。



「無理はするなよ。

 危なくなったら逃げろ」

「はい」

「分かってます」

 返事を聞いてトモキは自分が向かうべき場所へと進んでいく。

 進んで行った先の空間にあるトンネル。

 その前に三人は潜んでいた。

 トンネル周辺は丈の高い草がひろがり、木が点在している。

 身を潜める事は出来るが、動きを食い止める障害はほとんどない。

 モンスターが向かってきたらひとたまりもない場所である。

 そんな所で三人はモンスターを迎え撃とうとしていた。

 普通に考えれば自殺行為に等しいだろう。

 モンスターと渡り合えるくらいに強いならともかく、今の三人ではそれは厳しい。

 相手が一体ならともかく、何体も同時に出て来るトンネル前では分が悪すぎる。

 なのだが、それでも三人は草の中と木の後ろに身を潜めてモンスターを待っていた。

 一応草の中を動いても大丈夫なように、通路になる場所の草は刈ってある。

 そこを移動すれば草が揺れる事はない。

 屈んで移動しなくてはならないのでそれほど早くは展開出来ないが、それでも見つかる可能性は少なくなる。

 だが、見つかれば一気にモンスターが突進してくる。

 それを阻む術はない。

 出来るなら溝を掘り、土塁を積み上げておきたいが、三人ではそんな余裕もない。

 少しくらいならどうにか出来るかもしれないが、作業中にモンスターが出て来たら目も当てられない。

 なので、手軽に出来る通路作りの草刈りで作業は留めていた。

 この判断の善し悪しはまだ分からない。

 モンスターが出て来て実際に確かめるまでは何もかもが未知数だった。



 そんな状態で待っていると、ようやくモンスターがあらわれた。

 全部で5体。

 想定より多い。

 今の三人が相手にするには荷が重いように思えた。

 しかしトモキは二人に向かって頷く。

 ギリギリ見える位置にいた二人も、トモキに頷き返す。

 それを見てトモキは、手にしたボウガンの照準を合わせる。

 そうしてる間に二人が移動を開始し、見えない位置に向かっていく。

 かすかな足音を聞きながらトモキは引き金を引く。

 狙った先にいたモンスターに矢が当たった。



 一発目が当たり、次のボウガンを手にとる。

 あらかじめステータス画面から取り出したそれを構え、狙いを付ける。

 木の影から撃ってるせいか、モンスターはまだ攻撃した相手を見つけてない。

 そんな相手の動揺や混乱をありがたく思いながら二発目を撃つ。

 これもまた別の一体に当たり、モンスターは更に混乱をしていく。

 その間にボウガンの一つの弦を引き、矢を装填しておく。

 残念ながら2挺目まで引いておく余裕は無い。

 屈んだ状態で強力な弦を引くのは難しく、1挺を再度撃てる状態にしておくのが限界だった。

 事前に何度か試してみたが、こればかりは解消のしようがなかった。

 だが、とりたてて失望はしない。

 ボウガンをそのままステータス画面に収納し、次の行動へと移っていく。

 そうしてる間にモンスターはトモキの存在に気づき、突進してくる。

 慌てず騒がずトモキは、二人が向かったのとは別の方向へと進み、モンスターを彼等から引き離しにかかる。

 そんなトモキを追って、モンスターは更に足を進めていこうとした。

 別方向からの矢が彼等を襲ったのはそんな時である。



 トモキから離れていた二人は、トモキが上手く引きつけたモンスターに矢を放っていく。

 一発放ってから次のボウガンを手にとり、再び撃っていく。

 草の影から、ギリギリ頭が出るかどうかのところから狙い、モンスターに矢を突き刺していく。

 足下に置いた物も含め、合計6挺のボウガンは次々にモンスターを射貫いていく。

 急所や手足に当てるような器用なものではない。

 だが、分厚い皮と筋肉を貫通し、内蔵に鏃を到達させるくらいにはなっている。

 それらがモンスターに出血と苦痛を強要していく。

 ほぼ連続して放たれた合計12本の矢が、5体のモンスターにそれなりに深い傷を負わせていった。

 それが終わってから二人は、ボウガンをステータス画面に戻してその場から離れていく。

 攻撃方向に顔を向けたモンスターが迫って来る前に。



 別方向からの攻撃にモンスターは再び体ごと振り返る。

 どこからやってくるのか見定め、そちらへと突進していこうとする。

 はっきりと姿を見たわけではないが、草の影にいた何者かは目にした。

 そちらへと足を向けていく。

 だが、思った程体は動かない。

 突き刺さった矢が動きを阻害する。

 動けば苦痛となって体を蝕んでいく。

 筋肉や骨を切断されてるわけではないが、体を貫通する一本の棒は、少なからず動きの妨げになった。

 それでもどうにか動き、自分らを攻撃してきた敵を倒そうとする。

 モンスターは再びトモキに背中を向ける格好になり、そこを一気に襲われていく。



 まともに動くモンスターは手強い。 

 だが、動きが鈍ったならそうでもない。

 背中を見せたモンスターに接近していったトモキは、最後尾にいた一体の足を切る。

 いつも通り、動きを止めに入る。

 そのままトモキは次々とモンスターを倒していく。

 止めを刺すまでには至らないが、足を切られたモンスターはまともに動く事が出来なくなる。

 ほぼ一方的にモンスターを切り捨てていったトモキは、そこから更にモンスターの動きを封じていく。

 腕が動くなら腕を切り、残った足でもがくならその足も切る。

 5体のモンスターは四肢を切り捨てられていき、次々に動けなくなっていく。

 そんなモンスターを見下ろし、これ以上の動きは無理だろうと判断したところでトモキはシンイチとユキタカを呼んだ。

「仕上がったぞ。

 止めを刺せ」



 近寄った二人はそれぞれ2体のモンスターの脳天に矢を放った。

 至近距離からの一撃である、外しようがないし、動けないモンスターに避けようもない。

 残り一体はトモキが止めを刺した。

 終わってから核を回収し、戦闘を締め括る。

 消えていくモンスターを見ながら三人は草を刈り取った場所へと移動した。

「どうだ?」

 良いながら貢献度を表示していくトモキは、自分が手に入れた点数を数えていく。

 二人も同様に貢献度を表示し、今の戦闘でどれほど手に入ったのかを確かめていく。

「こっちは130点です」

「俺も、120です」

 それは、今まで一日に稼いでいた数だ。

 それを一回の戦闘で手に入れ、二人は驚いている。

 トモキもそれは同じで、自分が手に入れた点数を見て驚いていた。

「250……」

 一日で到達出来る下限のあたりである。

 一回の戦闘としてはかなりの量になる。

 一度に5体も相手にしたのだから当然だが、やはり数字で見ると凄まじいと実感する。

「凄いですね」

「こんなに……」

 シンイチとユキタカもそれ以上何も言えなくなっている。

 今までの一日で稼げる量に近いのだから当然だろう。

「危険は危険だけど、これだけ手に入るとなあ……」

「やる価値はあるかと思います」

「ボウガンもあれだけあると楽ですし」

 トモキがため込んだ貢献度を使って一気に購入したボウガン10挺。

 それがもたらした成果は大きく、出費を惜しまずに良かったと思わせてくれる。

 もちろん、1挺で1000点を消費したのは痛い。

 全部で一万点が失われたのだ。

 だが、得られた成果を考えれば十分な投資だったと言える。



「これならいけるな」

「はい、やれます」

「こっちは遠くから撃つだけだし」

 それが大きかった。

 接近戦になれば確実に蹂躙される二人であるが、遠くからの攻撃ならそれほど危険はない。

 的が小さかったら外す可能性も高くなるが、人間より大きなモンスターであるからその可能性も多少は少なくなる。

 また、矢をつがえた状態のボウガンを先に準備しておくから、次々に撃つ事も出来る。

 装填した状態でステータス画面に収納しておけば良いのだから持ち運びも楽だ。

 実際にやってみないとどうなるか分からなかったが、その試験運用的な一回は成功に終わった。

 ほぼ一方的な蹂躙という結果で。

「次はどうなるか分からないけど、これなら上手くいきそうだな」

「そうですね、よほどとちらない限りは」

「出来ればもっとボウガンがあればいいんだけど、さすがに無理ですよ」

「さすがにこれ以上貢献度を使うのは勘弁してくれ」

 無いわけではないが、これ以上の出費はさすがにいたい。

「あ、すんません」

「まあ、欲しかったら次は自分でな」

「ええ、そうですね。

 あと1挺あったらもう少し楽になりそうですし」

 そう言える余裕が生まれてきていた。

 今のペースなら、明日までにもう1挺のボウガンを手に入れるだけの貢献度が手に入る。

 決して無理をしないペースでそれが出来る。

 今までなら二週間はかかっていたところなのに。

 そして、これだけの稼ぎを得られるなら、多少の無理も厭う事は無い。

「じゃあ、もう一回やってみるか」

「はい」

「了解」

 三人は意志を確かめ合って頷いた。



 その後も戦闘をこなした三人は、日が暮れる前に28体のモンスターを仕留めた。

 貢献度はトモキが1400点。

 二人がそれぞれ700点ほどを手に入れた。

 今までを遙かに上回る成果に、三人は興奮をおさえられなくなりそうだった。

 浮かれるわけにはいかない、楽勝だと思えば油断してしまう。

 そうと分かっていても、この日一日の成果は余りのも大きかった。

「まあ、落ち着こう。

 まだどんな穴があるか分からないし」

 そういうトモキだったが、そんな彼も冷静さを取り戻すのが難しかった。

続きを21:00に。

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