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捨て石同然で異世界に放り込まれたので生き残るために戦わざるえなくなった  作者: よぎそーと
三章

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第37空間

「あったあった」

 探険を始めて三日目。

 壁沿いを歩いてようやく二つ目のトンネルを見つけた。

「長かったですね」

「ゆっくり歩いてきたからな」

 慎重に進んできたのと、そもそも草に足をとられるのと、どうしても遭遇するモンスターのおかげである。

 脱落者を出さずにここまでたどり着いたのだから、時間がかかった事はやむをえない対価である。

「それじゃあ、あと一日くらいはここで観察だ」

 隠れる事が出来る場所を見つ、そこにこもっていく。

 それから購入していた安っぽい双眼鏡でトンネルの方を見つめていく。

 このトンネルからもモンスターが出てくるのか確かめなくてはならない。

 それが分からなくては、トンネルを見つけても意味がない。

 欲しいのは稼ぎである。

 その為のモンスター排出口である。



 食料を囓りながらの観察が続く。

 何が出て来るのかを見るだけだから、黙って待っているしかない。

 当然暇をもてあます。

 周囲にモンスターがあらわれないか気をつける必要はあるが、それでもやる事が無い。

 ただひたすら、どういう結果が出るのかを待つ。

「……あ、来た」

「おう、どれどれ」

 時折モンスターがトンネルから出て来ると、そんな事を言って数を数えていく。

 トンネルを見つけた初日はそうやって終わった。

 翌日も似たようなもんである。

 トンネルから出て来たばかりのものや、徘徊してるモンスターに見つからなかったのは運が良かった。

 その運が続く事を願いながら三日目、探険に出てから六日目には帰還していく。

 今度はこの空間中央当たりにある盛り上がりの縁を移動するように。

 いつの間にか丘と呼ぶようになった盛り上がり地帯は木々に覆われている。

 その為、身を隠しながら移動するなら丘の縁を歩いた方が無難であった。

 移動は平原以上の困難になるが、身を隠す事が出来る場所を拒むわけにはいかない。

 安全は貴重である。

 この空間はそれを嫌と言う程教えてくれていた。



 三日かけて移動したトモキ達は、同じく三日かけて仲間のもとへと戻った。

 出迎えたカズアキやテルオ、ヒトミ達はその帰還に素直な喜びを示してくれた。

「おかえり」

「ただいま」

 やりとりとしてはそんな程度であったが、笑顔で言われるとそれだけで嬉しくなる。

 探索の結果を伝えるのはモンスターとの戦闘が終わってからになったが、それまでトモキ達は休む事となった。

 もう夕方が近い時間だったのでそれほど活動する余裕もなかったし、やはり移動し続けていたので疲れもある。

 それでも、その後に起こった戦闘には参加をして、おびき寄せたモンスターを倒していった。

 さすがに近くに来てるのに何もしないわけにはいかない。

 本当にへたばってる者達はともかく、まだ余裕のあったトモキは物陰を伝いながらモンスターの背後をとっていった。

 無防備な足を切りつけ、横腹を貫いて動きを止めていく。

 止めは他の者にまかせたが、それらが決め手になって戦闘はかなり楽に終わった。

 正面で迎え打つ者がいてこそ生きる奇襲攻撃であるが、それを担ってくれる者がいた場合の威力はかなりのものになる。

 それを他の者達に示しつつも、トモキは自分一人ではどうにもならない事を痛感した。

 他の者がいるからこそ自分が動く余地が生まれる。

 己一人だったら凡庸な戦闘力しか示せなず、モンスターと正面切って渡り合う事なんて出来ない。

 トモキの伸ばした能力は、ちゃんと必要でありかなりの有効性を示しているが、万全ではない。

 その事を今回の戦闘であらためて理解した。



 結果報告になり見てきた事を伝えていく。

 トンネルの場所、ここからの距離、かかった日数。

 モンスターの有無と、トンネルから出て来た数。

 分かって判明してる部分だけでも伝えていく。

「なるほど」

 聞いてある程度の事は把握出来た者達はそこから考えこんでいく。

「周りが平原だとすると、結構大変になるでありますな」

「なるべく人数を多くしておかないと、戦闘は大変だね」

「なるべく人数の配分を多くするしかないでござりましょう。

 でも、そうなるとこっちが手薄になるし……」

「なかなか悩むね」

 聞いた話からすぐに今後の事について話が始まる。

 二人とも現状を少し変更しなくてはならないと考えているようだった。

 その話があれこれと続いていく。

「こりゃ、思ったよりも大事になりそうだ」

「さすがにここまで大変だとは思ってなかったであります」

 話を聞いてたトモキには二人の言ってる事が完全に理解は出来てなかった。

 だが、実際に見てきた結構な広さの平原では、森に近いこの場所とは違ったやり方が必要な事くらいは想像出来る。

 出来るのはそこまでで、対応策などは全く頭に浮かんでこない。

 それについて語ってるカズアキとテルオは凄いものだと感心する。

 カズアキはゲーム知識を土台として、テルオは年齢による経験からなのだろう。

 それが出来る二人との違いを感じる。

(もうちょっと頭も必要なのかな)

 今度の成長で、こういった事に必要そうなものを伸ばしてみようかと考えた。

 まだ他にも優先するべき事があるので、先送りにするしかないと思いつつ。

 更新速度が落ちてるのは仕様です。

 在庫が尽きたという事で。

 がんばってはいくつもりですが。


 しかし、いまだにステータスを表示してないのはどうにかしたい。

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