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捨て石同然で異世界に放り込まれたので生き残るために戦わざるえなくなった  作者: よぎそーと
三章

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32/102

第32空間

 最初の一回で多大な戦果をあげたため、戦い方が一気に変わった。

 これまでのように、獲物を求めてさまようやり方は廃止となった。

 それよりも、確実に出現する場所で待ち伏せした方がよっぽど成果を出しやすい。

 貢献度が今まで以上に手に入り、一気に余裕が出てきた。



「一日20体は確実に倒せると違うね」

 自分の貢献度を見ながらトモキが言う。

「一日に200から300は入るよ」

「それだけ頑張ってるって事でありますな」

「トモキ君はほとんど一撃で倒したりするしね」

 カズアキ、テルオの言葉に、ヒトミも頷いていく。

「女子も、貢献度を手に入れるようになりました」

「ボウガンを支給できるようになって変わったね」

「手に入る貢献度が違うからね。

 前はそんな余裕は無かったし」

「稼げるってのは大事でありますな」

 ギリギリの稼ぎではとうてい得られなかった状態である。

 余裕を持って様々なものを手に入れる事が出来る状態。

 裕福というもののありがたさを実感する。

「この調子でいけば、成長も難しくはないな」

 何よりそれが一番ありがたかった。



 技術的に足りない部分が多い現状では、貢献度を手に入れる事での成長が何よりも求められている。

 戦闘もそうだが、修理に治療といった事も現状では不可能に近い。

 だが、倒せる数が一気に増えた今ならそれらにも着手していける。

 稼ぐ貢献度に差があるのでどうしても個人差は出てくるが、それでも一ヶ月から二ヶ月でレベルを上げるだけの貢献度を手に入れられる。

 その分生き延びる事が出来る可能性も大きくなってきた。



「こうなってくると、どのレベルを上げるのかも考えないとまずいかもね」

 テルオの言葉にカズアキが頷く。

「当面は戦闘関係を上げるのは定石として、その先の事も考えねばなりませぬな」

 まずは全員の戦闘能力を底上げするにしても、その先の事も考えねばならない。

 だとして、その後誰がどんな仕事をこなしていくのか。

 その事も無視してはいられなかった。

「出来るだけ本人の希望を聞いておかないといけないけど。

 何人かは治療とか修理とかやれるようになってもらいたいんだよね」

「それが出来れば、かなり便利になるでござるな」

「それもレベルが上がってからの事だから、まだずっと先の話だけど」

 現状ではそれが出来る可能性があるというだけの事である。

 実際にそこまで生き延び、確実に技術を高められるという保障はない。 

 捕らぬ狸の皮算用の段階であった。



 それでも日々の生活は確実に向上していっている。

 貢献度も増えて全員がそれなりの蓄えを持つようになった。

 ボウガン増えた事で、前線に出ない女も貢献度が手に入り安くなっている。

 火力も向上してるので戦闘もかなり楽に進むようになっている。

 一ヶ月が経ち二ヶ月が過ぎる頃にはレベルアップする者達が出てきた。

 それが更に一ヶ月もする頃には全員が一回はレベルアップをしていっている。

 そうやってレベルの底上げが為されると、戦闘が格段に楽に進むようになった。

 たった一つだけレベルが上がっただけでも、それが全員となると大きな差になるようだ。

 新人が来て半年、トモキ達がやってきて一年後。

 14人の集団は、確実にモンスター退治をこなせるようになっていた。



「思ったよりも良くやってるようだな」

 仮面の男があらわれたのはそんな頃だった。

 あらわれたそいつを、トモキ達は睨みつける。

「何しに来たんだ?」

 嫌悪感まるだしで問いかける。

 こいつを前にするとどうしてもそうなってしまう。

「いつも通り新人を連れてきた。

 後は頼む」

 それはそうなのだろう、彼の後ろには、10人くらいの新顔がいるのだから。

 だが、それだけで終わらすわけにはいかない。

「死んだんだぞ」

 相手にここで起こった事を突きつけておかねばならなかった。

「こっちは大事な人が一人死んだんだぞ。

 何か言うことないのか!」

「だからなんだ?」

 仮面の男の返事はあっさりとしたものだった。



「出来れば諸君には長くがんばってもらいたいが、そうでないならそれはそれで構わない」

 その声に特に起伏は見られない。

 当たり前の事を淡々と伝えてると言った印象しかなかった。

「我々としては、ここにいる邪魔者共を片付けていってくれればそれで良い。

 結果として諸君らの何人かが死のうと、それは別に構わない」

「死んでも構わないってのかよ」

「その通りだ」

 あっさりと肯定する。

「言わなかったか?

 諸君らがどうなろうと我々の知った事ではない。

 全滅するなら代わりを連れてくる。

 生き残れば、今後の活動で上手くやってくれるだろうと多少は期待する。

 まあ、どう転ぼうと我々としてはそれ程問題があるわけではない。

 せいぜい頑張ってくれ」

「俺らが全滅しても困らないと?」

「多少は困るが、それが何か?

 代わりはいくらでもいる」

 そういうと仮面の男は消えていく。

 新人達を残して。

 前回もそうだったが、今回もこれかと腹が立つ。

 残された新人達も、何がどうなってるのか分からず困惑している。



「たぶん、こんな調子が続くんだろうね」

 新人達への説明と今後についての話を終えた後、テルオはそんな風にぼやいた。

「定期的に人が増えると」

「何かの拍子にやってくる可能性はあるね。

 それがどのくらいの間隔なのか分からないけど」

 とはいえ、一応そうなる事は考えてはいた。

 新人が来たらどうするのかを。

 なのでそれほど大きな混乱はない。

「あと、何人かは前みたいにやっておかないとまずいかもね」

 そんな話も当然出てくる。

 今回やって来たのは11人。

 そのうちの何人かは以前の長茶髪のような雰囲気を放っている。

 放置すれば似たような結果が出て来るだろう。

 それだけはいただけない。

「とりあえず数日は様子をみて、それからだね」

「どうにもならなくなったら、やるしかないでありますな」

「…………仕方ないですよね」

 珍しくヒトミも声を出して賛同する。

 どうにかしようとしてどうにもならなかくなったのが前回である。

 ならば、同じ轍を踏む前にどうにかするしかない。

「ま、それは俺に任せてくれ」

 そういってトモキは皆の目を集める。

「そっちは俺が確実にやる」

 反対する者はいなかった。

 反対出来る雰囲気ではなかった。

 何より、この中で一番それに適した能力を持ってるのはトモキしかいない。

「頼むであります」

「すまないね」

「あの、がんばってください」

 三人は励ますしかなかった。

続きは22:00に公開予定



思い付きを書いてみた

「なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?」

http://ncode.syosetu.com/n3761ef/

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