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第18空間 この世界における現実の洗礼

「ひ、ひ、ひいいいい……!」

「あ、ああ、ああ、あああ、ああああああ」

「わ、わ、あああああああああ!」

 マキによって突き出された長茶髪達は、全員モンスターの目の前に出てしまう。

 そんな彼等をモンスターは容赦なく攻撃していく。

 動きが鈍いので当たりはしなが、見た事もない化け物が相手である。

 さすがにすぐに攻撃にうつるという事もなく、怯んで後ずさっていく。

「どうした、さっきの威勢の良さをみせろよ」

「ふざけんなこの野郎!

 こんあの、相手に…………ひっ!」

 何とかモンスターの攻撃を避けていくが、目の前を腕がかすると腰が砕けていく。

「立派なのは口だけか?

 さっさと根性見せろ」

 マキは助けようともせずにそう言っていく。

 実際、これくらいの事はどうにかしてもらわないと、という所ではある。

 何せ目の前のモンスターは三人がかりであれば対処出来るのだから。

 それこそこの半年ほどの間、マキやトモキはこのあたりのモンスターを相手に戦ってきた。

 どうにもならないという事は無い。

 なのだが、さすがに最初という事もあってか、長茶髪達はまともに動けてない。

 多少は喧嘩慣れはしてるのだろうが、人間以外が相手となると勝手が分からないのだろう。

 そもそも人間以外の何かと戦うなんて事はほとんどありえない事ではあるが。

 例外があるとすれば、動物を狩る事くらいだろうか。

 それにしたって相手はモンスターではない。

 こんな事態に遭遇する者など、本当にごくわずかである。

 この場に放り込まれた者だけであろう、そんな経験をする事が出来るのは。

 おそらくこの日に初めてここに来たであろう長茶髪達が何も出来ないのも無理はない。



「だらしねえな」

 容赦なくマキは言い放つ。

「啖呵切ったなら、それらしい事くらいしてみろ」

「ふざけんな、こんなの相手に────」

 焦りの混じった声が返ってくる。

 それが全部出る前に、マキが動いていった。

 トモキ、カズアキも続く。

 ヒトミとテルオはボウガンを構えるが、射撃はしなかった。

 長茶髪達に当たる可能性があるから無理は出来ない。

 念のために構えてはいるが、仲間がモンスターに接触してる状態では出来る事などほとんどない。

 しかし、そういった懸念もほとんど無駄に終わろうとしてる。

 貢献度を稼ぎ、二度目のレベルアップを迎えた三人は、手際よくモンスターを片付けていく。

 剣の間合いに入ったマキがモンスターの足を狙い、カズアキは斧を振りかぶる。

 二人ほど戦闘技術をあげてないトモキは精緻な攻撃は出来ない。

 ただ、マキと同じように足を狙って刀を振りおろす。

 モンスターはそれを遮るように前足を動かす。

 だが、マキはそれが当たるより早く、トモキは『発見/察知』の技術によって事前に相手の動きを予想して避ける。

 結果としてモンスターの攻撃は空振りに終わり、二人の攻撃が当たる。

 トモキは攻撃を避けるために体勢を崩し、それほどの威力ではない。

 だが、マキの一撃は足を使えなくする程の威力で当たった。

 そうなるような箇所を狙ったのも大きい。

 モンスターの動きは一気に低下した。

 カズアキの斧が振りおろされたのはその時である。

 足がやられて崩れ落ちたために頭の位置が下がる。

 そこを狙ってカズアキは斧を叩き込み、モンスターの頭を割った。

 これまで何度も繰り返してきた連携攻撃である。

 それによりあっさりとモンスターを倒していく。

 念のためにとカズアキの斧が何度かモンスターの頭に振りおろされ、トモキやマキも急所を切り裂き貫いていく。

 地面に倒れたモンスターは何度かの痙攣の後に動かなくなる。

 それから核を切り取って完全に霧散させた。

 ここまでの流れを見ていた長茶髪達は、呆然とそれを眺めていた。

 そんな彼等にマキは、

「調子こくくらいなら、これくらいやれ」

と言い放つ。

 彼等は何も言い返せず、ただ呆然としていた。



 それからもモンスター退治の実際を見せるため、その後も何度かモンスターを倒していった。

 終わる頃には夜になっていた。

23:00に続きを


現在こちらが完結しました。

「29歳ブラック企業の社員は別会社や異業種への転職ではなく異世界に転移した」

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