001 ゲームスタート
今日は、卒業式であり新しいVRMMO「Virtual Reality Online」が始まる日であり僕が無職になる日である。
卒業式や僕が無職になることは割とどうでもいいのでおいておくとして今日から始まるVRMMOは剣と魔法のファンタジーのお馴染みMMOだ。
なぜ僕がこの「Virtual Reality Online」を始めようかと思ったかというとこのゲームが今までのVRMMOと比べて優れているからだ。以前までのVRゲームはかなりしょぼかった。
パソコンのモニターの前に座りキーボードとマウスを操作していたMMOと比べるととても良い出来であったが五感の再現やアバターを自分の体のように操作することはできなかった。
だがこの「Virtual Reality Online」通称VROは違う。ヴァーチャルリアリティーの名を冠し発表されたこのゲームはアニメや小説のに出てくるVRゲームをそのまま現実に持ってきたかのようなものだったのである。
発表直後こそ誇張表現だなんだといわれていたがクローズベータテストが始まると参加者全員が手のひらを返し最高のVRMMOだと認める。
僕もその手のひらを返した人間の一人だ。
元ベータテスター10,000人に「Virtual Reality Online」プレイチップが送られテスターの中でも優秀な成績を残した上位3000名のうち望む人には誰かひとりを勧誘できる招待券が送られた。
僕は上位3000名に入っていたが友人が少なくその少ない友人もベータテストに参加していたため受け取らなかった。
受け取った数は1800人程と言われる。
ベータテスターとその招待を受けて参加する11,800人に加え正式サービスへの抽選を通り抜けた一般プレイヤー7000人
併せて18,800人で「Virtual Reality Online」はスタートする。
「Virtual Reality Online」だけの話ではないがVRゲームは開発元が1~10倍までゲーム内加速度を設定することができる。(技術的には1000倍ほどいけるらしいが人体にどのような影響があるのかわからないため10倍までと決められている。)
そして「Virtual Reality Online」はゲーム内加速度はリアルの8倍。リアル時間3時間でゲーム内で1日経過する。
プレイ時間の制限等はないが推奨連続プレイ時間は7時間とされそれ以上の連続ログインは糞尿が垂れ流しになったり脱水症状が出たりする可能性がありVR技術が世の中に出回ってすぐに死者が出たりしたためほとんどのプレイヤーは「連続プレイは7時間まで、7時間ごとに水分補給等をしっかりしよう」を守りプレイしている。
また医療機関に届け出を出し、認証されることで体調等をモニタリングされそのデータを医療目的に転用する代わりに水分補給や糞尿処理をするVRギアを購入できるサービスがある。
糞尿処理されるとはいえ垂れ流しになることへの抵抗や認証されるには超健康でなくてはいけないという制限もありこのサービスを利用している人間はかなり少ない。
僕は当然そのサービスを利用する。
「Virtual Reality Online」のベータテスト時にはこのサービスを利用した廃神達に追いつけず上位100位に届かなかった。
ベータテスト終了時から体を鍛え医療機関に認めてもうために健康体になるように心がけ認証された。
「Virtual Reality Online」のことを考えてるうちに校長の長ったらしい言葉や式が終わり学園から解放された。
学園生活を満喫した奴らは下級生との会話をしているが僕には下級生とのつながりは皆無である。
荷物をまとめ家へダッシュし昼食をとりトイレに行き特別製のVRギアに寝転がる。
サービス開始はリアル時間で14時。
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「プレイスタート!」
視界が暗転し「Virtual Reality Online」の世界に僕は旅立った。