表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鏡幻の花園  作者: 夜空優羽
始まりの鏡
5/27

「神無月」

流れる沈黙

金髪美女は耳まで真っ赤にさせて背中を向けたままだった。


「それ、大事なモン?」


「・・・」


何も答えてくれない金髪美女にため息をついてしまう。


「その文様って俺のばあちゃんが持ってたモノと似てるんだけど・・・」


呟くように言うと金髪美女は立ち上がり俺の襟首を掴み上凄い剣幕で顔を寄せてきた。

その速度0.01秒


「貴様!まさか桜様を知っておるのか!!?」


「ばあちゃんの名前、なんで知ってんだ!?」


そう桜は俺のばあちゃんの名前

何故この金髪美女は知っているのだろうか?

いやむしろ彼女がばあちゃんを知っているなら少なからず俺は知っているハズだ。

どっからどう見ても彼女は俺と同い年の17歳だろう。

しかも金髪美女なら俺は忘れないし、こんな凶暴女なんてなおさらだ。


「誰が凶暴だ!!」


ゴンッ、と鈍器で頭を殴られたぐらい脳が揺れる

まぁ、鈍器で殴られたことがないからわかんねぇけど・・・

頭を押さえ座り込む


「で?貴様は何者だ?桜様のお知り合いなら話を聞くに値する。話せ、小僧」


顔を上げると其処には有無を言わさぬ雰囲気をまとう金髪美女に嫌な汗が背中を伝う。


「お、俺のばあちゃんだよ!榊原桜は俺のばあちゃんの名前だ!」


そう叫ぶと金髪美女は目を見開き力が抜けたかのように地面に座り込んだ。

項垂れる金髪美女


「貴様、名はなんという?」


「優・・・榊原優です」


今までとはうって変った様子に何故か敬語になってしまう。


「私は神無月(カミナツキだ。貴様が桜様の血縁者なら致し方ない・・・許してやろう」


「いや、だからそれは・・・」


言い返そうとすると顔を上げた彼女の眼力に黙ってしまう。

どうやら元に戻ったらしく彼女は立ち上がり俺を見下す。


「フンッ、私はもう行く」


何処かへ行こうとする彼女の腕を俺は掴み止める。


「なんだ?」


「わりぃけど・・・此処どこ?」


そう、こんな自然豊かな場所は俺は知らない

確かに俺が住んでいた場所は田舎(でも都心に最も近い場所だ!)

近代化が進み公園がなければ緑なんてみない

だが、この場所は周りが木、木、木

そう森だ

俺のガチな目に神無月はため息をつき拘束を無理やり解き腕を組む


「此処は風の国の最南端の島国、七草島だ」


「はい?」


「此処は風の国の最南端の島国、七草島だ」


「ちょっ!なんで二回も言ったの!?」


「貴様が間抜けな顔をしているからに決まっているだろう?バカか」


「ば!?」


初対面で、しかも殺しかけた男にそんなこと言うか!?フツー


「つーか、此処日本じゃねぇのか?地理で七草島なんて聞いたことねぇぜ」


俺の言葉に今度は神無月が固まる方だった




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ