表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

 夜中よりも朝の方が冷えて感じるのは、隣に誰もいないからなのかもしれない。リサと朝まで一緒にいたことはなかったが、ふと、そんな風に考えてしまった。

 眠い目を擦り、布団から抜け出る。窓の外はまだ仄暗く、かなりの早朝だということが窺い知れた。時計を見る必要はないだろう。

 僕はまだ、夜に酔い続けている。リサに、酔い続けている。

 今から学校に向かっても早過ぎるのは明白だったが、いつまでも部屋の中に居続ける気にはなれそうにない。部屋の中はあまりにも夜の匂いが強く、僕を現実に引き戻してはくれなかった。

 冷え切った部屋の中で中学校の制服に着替え、意味のない夜の幻想を振り払う。リサとの関係は太陽の下では意味を成さない。僕たちの絆は日の光に当たると見えなくなるような、儚いものなのだから。

 リサはきちんと起きられただろうか。ふいに、そんな疑問が頭をぎる。どちらであれ、干渉のしようがないことだというのに。

 夜中に毎日会っているにも関わらず、僕たちはお互いの連絡先を知らなかった。必要がないから教えない。確かに、その考えは間違いではないだろう。繋がりが明らかにならない方が、僕のためだというのも判っている。しかし。

 いや、その考えが間違いなのだ。僕たちは恋人同士でも何でもない。ただの“共犯者”でしかないのだから。

 共犯者。共に犯す者。罪を、ともに。

 リサの一方的な支配下に於いても、共犯と呼べるのだろうか。自虐ともとれる疑問が頭をもたげる。隠すことに協力はしたが、それ以前の行動は全てリサのしたことだ。僕は何一つ、手を貸してはいない。使った労力も罪の重さも、リサと僕とでは比べ物にならないはずで。

 僕は巻き込まれただけの、言わば被害者のようなものなのだ。本来であれば。

 けれども。それを理解していてもなお。リサを護らなければいけないという強迫観念に、今の僕はさいなまれている。

 自らの口で“共犯者”と名乗ったときから、決まっていたのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ